『やすらぎの刻~道 最終回拡大SP #248 テレビ朝日開局60周年記念』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド)
- 先生
- 原稿
- 本当
- コピー
- 名倉
- シナリオ
- マヤ
- ホッピー
- ノック
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- 乾杯
- 金庫
- 自分
- お前
- 勝手
- 絶対
- お嬢
- 完成
- 高井
- ニキビ
『やすらぎの刻~道 最終回拡大SP #248 テレビ朝日開局60周年記念』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?
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[終]やすらぎの刻~道 最終回拡大SP #248 テレビ朝日開局60周年記念[解][字]
巨匠・倉本聰氏が1年間をかけて描くのは、山梨を舞台に昭和~平成を生き抜いた無名の夫婦の生涯。そして『やすらぎの郷』のその後。2つの世界が織り成す壮大な物語!
◇番組内容
やむなく長男・剛(田中哲司)の家に身を寄せることになったしの(風吹ジュン)と公平(橋爪功)は、その準備に追われていた。故郷を去る前、墓参りに出かけた2人が目にしたものとは…!?ついにシナリオ『道』を書き上げた菊村栄(石坂浩二)は原稿のコピーを開始。二度と紛失しないよう事務所の金庫に保管してもらう。しかしある朝、シナリオが郷の住人に勝手に回覧されていることが発覚!逆上した栄は独りストライキを起こし…!?
◇出演者
【やすらぎの郷】石坂浩二、笹野高史、板谷由夏、草刈民代、浅丘ルリ子、加賀まりこ、藤竜也、上條恒彦、名高達男、ミッキー・カーチス、草刈麻有、風吹ジュン、清野菜名、橋爪功
【やすらぎの道】風間俊介、宮田俊哉(Kis-My-Ft2)、佐藤祐基、風間晋之介、井上希美、木下愛華
◇作
倉本聰
◇音楽
島健
◇演出
藤田明二
◇主題歌
中島みゆき『慕情』『進化樹』『離郷の歌』『終り初物』『観音橋』(株式会社ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎(テレビ朝日)
【プロデューサー】中込卓也(テレビ朝日)、服部宣之(テレビ朝日)、山形亮介(角川大映スタジオ)
◇おしらせ
☆番組HP
https://www.tv-asahi.co.jp/yasuraginotoki/
☆Twitter
https://twitter.com/yasuragino_toki
☆Instagram
https://www.instagram.com/yasuraginotoki/
(宗匠)あのチョボクレが
面白かったなあ。
なんの話?
『道』だよ!
〈誰も読んでいないはずの原稿を
もう 宗匠が読んでいた!〉
なんだって!?
〈そんなはずは なかった!〉
〈預けてから
わずかしか経っていないのに
そんな事
起こるはずがなかった!〉
〈その生原稿は 私の部屋にあり
コピーした原稿は
事務所の金庫に…〉
〈コピーした原稿〉
〈コピー…!〉
♬~
ど… どこで読んだ?
部屋でよ? 自分の。
俺の原稿のまま!?
うう… コピーしてあるの。
えっ!?
だって
ものすごい量の原稿じゃない?
読めないかと思ったんだけど
丸一日で読めちゃった。
だって… 面白いんだもん!
何度も泣いたしさ!
誰から手に入れた?
いや 回ってきたのよ。
だから 誰から!?
ロクさんから!
3回ぐらいに分けてだけど。
どうしたの!?
(立ち去る足音)
いけない事したかな?
(エリ)あら 先生。
奈々ちゃんは!?
な… 奈々ちゃんは非番ですけど。
ああ そう。
はい。
あの… 一馬くんは!?
一馬くんは
駐車場にいたと思います。
ああ そう…!
あっ… 多分ですけど…。
一馬! この前
原稿をコピーして預けたろ?
あれ お前
金庫から持ち出さなかったか!?
(宮下一馬)
いいえ。 どうしたんです?
本当だろうね!?
いや 本当です。
僕は あのあと知りません。
金庫には一切触れてません!
どうしたんです!?
♬~
(エリ)あっ 先生。 えっ…?
誰か 金庫を開けられますか!?
(エリ)開けられますけど…。
じゃあ… 開けてください!
(エリ)金庫ですか?
そうですよ!
(エリ)あっ… はい。
(みどり)
えっ… 何かあったんですか?
(操作音)
(解錠音)
はい。
(みどり)
どうしたんですか? 先生。
何があったんですか?
(荒い息)
こ… ここでは
人の原稿を勝手に持ち出して
コピーして回覧する事が
できるんですか!?
コピー!?
金庫っていうのは
人の所有物を
大切に保管するものじゃ
ないんですか!
もちろん そうですよ。
持ち主の許可も得ないで
原稿を勝手に持ち出して
コピーして回覧するなんて事が
許されるんですか!?
許されません そんな事!
どうしたんですか?
ちょっと説明してくださいよ。
いや ですからね
私が やっと書き上げた原稿を
ここへ持ってきて
それでコピーしてもらって
で あの…
ダンボールに詰め込んで…。
ですから その
前にしてもらった1500枚と一緒に
ダンボールに入れて
ここに しまったんですよ!
(荒い息)
1年近くかけて
やっと書き上げて
誰にも見られたくないので
ここに預かってもらったんです!
2500枚の原稿ですよ。
誰にも見られたくないもの
なんですよ!
それを勝手に持ち出して
コピーをして
もう… 回覧してるなんて
私は もう
許されないと思いますよ!
(みどり・エリ)ええっ!?
もう… 信じられません!
(エリ)えっ!? ちょっと… 先生!
先生 ちょっと…!
ちょっと待ってください!
〈私は完全に逆上していた〉
〈あのシナリオは
人に見せるためのものでは
なかった!〉
〈誰にも見せず
私の中に そっとしまっておく
つもりのものだった!〉
〈誰にも触らせない
神聖なものだった!〉
〈それを…!
断りもせず 勝手に盗み出して
みんなで
勝手に回し読みするとは!〉
読んだよ 労作だったねえ。
あたしの役は あれ
年取ってからの公平だろ?
当たり?
どっから手に入れた?
どっから?
誰から
あのシナリオが回ってきた!?
誰からって… えっ?
何? まずかったの?
誰から回ってきたんだよ!?
あんたのところへ!
どうしたんだよ?
早く言えよ!
ええ… だから それは…
お嬢だよ。
お嬢! よし!
だけどさ…。
あら 栄ちゃん!
読ませてもらったわよ!
お嬢…!
ねえ まあ 入ってよ。
疲れたでしょう?
今 お茶いれるわ。 ねっ?
ここでいいよ!
あの しのの役さ
どう見ても あたしよね?
栄ちゃん あたしの事
忘れないでいてくれたんだ。
お前が盗ませたのか?
アッハッハッハッ…
何言ってんのよ!
やっと書き上がったって
マヤが届けてくれたのよ。
マヤ…。
でも あいつ
しのの役 狙ってるわよ 絶対に。
でも それは駄目よ!
しのは絶対にあたし。
あら…。
(水谷マヤ)お疲れさま!
あっ!
ああ…!
本当 お疲れだったねえ!
おい お前だろ!?
何?
お前が 俺の原稿を
持ち出したんだろ!?
なんの話?
お前しかいないだろ
そんな事する奴は!
知らない! そんな話。
フフッ… それよりさ
あの しのの役
あれ あたしにしか
できないわよ。
お嬢になんか
絶対にできないんだから。
信じられない!
ちょっと! ちょっと栄ちゃん…!
(みどり)先生!
(エリ)先生!
先生 今 奈々ちゃんが
こっちに向かってますから!
私も 何が起こったんだか
さっぱりわかんないんですよ!
人にはね 誰しも
誰にも見られたくない
大切なものっていうのが
あるんですよ!
とにかく…。
みどりさん!
あなた 風呂上がりの姿を
誰かにのぞかれたら
どうします!?
(みどり)えっ?
風呂上がりの素っ裸の
スッピンのスッポンポンの
こう ブワ~ッて
湯気が出てるやつですよ!
いや… 見せたくありませんよ!
そうでしょ!?
出来上がったばかりの
原稿ってのは
そういうもんなんですから!
〈もう 何を言ってるのか…
よくわからなかった!〉
♬~(クラシック)
(ノック)
〈その日は いろんな奴が
やって来たらしい〉
〈私は扉を開けなかったし
あらゆる電話を
受け付けなかった〉
(ノック)
〈一切を遮断して 私は籠城した〉
(ノック)
(舌打ち)
〈子供のように
私は すねていた〉
〈誰にも見せていない
1年かけた このシナリオを
他人が勝手に読み回した
という事に
私は傷つき 怒り狂っていた〉
〈自分の原稿を
汚された気がした〉
〈私の尊厳を
無視された気がした〉
〈私の籠城は
明くる日も続いた〉
(ノック)
〈こうなったら もう
男の意地だった〉
(ノック)
〈朝から
かなりの空腹に襲われたが
水を飲む事で それに耐えた〉
(ノック)
〈夕暮れ〉
〈空腹はピークに達した〉
〈さつまいも2つが主食だった
戦時中の事を思って 耐えた〉
♬~
(ノック)
〈原稿を直そうと
何度も試みたが
空腹が私の思考力を鈍らせ
文字が全く頭に入らなかった〉
(ノック)
〈しかし
私は 意地を張り通した!〉
〈こうなると もう
誇りと見栄の問題だった!〉
(ノック)
〈私のハンガー・ストライキは
2日目を過ぎて
3日目に入った!〉
♬~
〈3日目の夕方から
戸をたたく音がやんだ〉
〈そして… 4日目の朝が来た〉
(たたく音)
(たたく音)
(たたく音)
(たたく音)
(鍵を開けようとする音)
あっ! あっ…!
降参!
(白鳥洋介)降参!
えっ… えっ?
先生の勝ちです!
(白鳥)勝ちです!
腹減ったでしょう。
橋本くん!
(橋本忠吉)おはようございます。
(高井)まず 腹に入れましょうね。
「腹が減っては戦ができぬ」です。
ジャムも塗りますか?
あっ 先生 いつも
ハチミツですよ。
あっ ハチミツ。
(白鳥)はい。
♬~
どうぞ。
(高井)急に食べないで。
腹壊しますよ
そんなに いきなり。
〈信じられないくらい
うまいパンだった!〉
〈終戦直後に
アメリカ軍が入ってきた時
初めて頂いたララ物資の
衝撃的うまさを思い出した〉
〈私の籠城は
このパンによって敗れた〉
(高井)お話は 大体伺いました。
人様のシナリオを 断りもなく
盗んで読むなんてのは
これは あってはならん事です。
ましてや 先生が金庫に わざわざ
しまっておいたものをですよ
勝手に持ち出すなんていうのは
これは泥棒行為ですよ。
犯人を捜し出して
断固 処罰せにゃいけません。
(高井)これはね
今 みどりさんが中心となって
犯人捜しをやっております。
ただね もう少し
時間が欲しいそうなんです。
それと 奈々さんですがね
彼女は 絶対に自分ではないと
泣き叫んで訴えております。
どうも 持ち出したのは
彼女じゃないようですね。
それが一つです。
奈々ちゃんは
本当にやってないってさ。
それと 一馬も
やってないって 絶対。 うん。
あと
回し読みをした連中ですがね。
読んだのは 白川さん 水谷さん
水沼さん 蒟蒻亭の宗匠と
この4人だけだと
わかりました。
もっとも
順番待ちをしておったのは
桂木夫人 中川の玉子さん
岸井さとみさんに
香川さくらさん。
他には ないですね。
うん それだけです。
さてと ですね…。
(せき払い)
なんか ポアロみたいで
恥ずかしいんですが
私の考えを言わせてください。
皆さん もう枯れきって
一見ね 役者の稼業なんてのは
もう見切りをつけてる
というふうに
見えるかもしれませんよ。
(高井)だけど 違うんですよ。
あわよくば再起のチャンスをと
みんな 心ん中で待ってるんです。
いま一度
皆から注目される機会を…
これを
心の中で狙っとるんですよ。
そういう気持ちが
噴出したんですよ。
哀れと思いません? 先生。
心に残っとった燠火に
一斉に火がついちまったんです。
もっともね 普通 考えると
今のテレビ局で 皆さんに
声がかかる事なんてないでしょう。
あったとしたって
みんな 断りますよ。
だって 今のテレビ局
あの連中が出たいようなものが
そうあるとは思えませんからね。
そこで
先生が新作を書いたんです。
ずっと書かれていた事は
みんな 知ってますよ。
先生の書かれたもんなら
そう変なものはないだろう
間違ったものは書かんだろう
先生の作品ならば
ぜひ出させてもらいたいって
みんな そう思ってたんですよ。
すごい事ですよ 先生 これは。
みんな
先生に期待してるんですよ。
先生は ジジババの星なんです。
わかります? 星です!
その星の光の尻尾にくっついて
皆 もう一度 光りたいんです。
このままじゃ
終わりたくないんですよ!
すごい事じゃないですか
ねえ? 先生。
許してあげてくださいよ ねっ?
パン もう1枚
召し上がりますか?
〈秀さんの言った事が
心に染みた〉
〈光栄な事だと しみじみ思った〉
〈それに…〉
〈自分が まだ 待たれている
存在なのだという事に…
身の引き締まるような幸せを
感じた〉
〈名倉理事長から カサブランカに
お招きがあった〉
(拍手)
えっ…!
(名倉修平)おめでとうございます。
(ホッピー)原稿が完成した
お祝いだそうです。 理事長から。
ホッピー ついでくれる?
(ホッピー)はい。
いや そんな…。
カサブランカにもね
シャンパンの
ファンがいるんですよ。
それで こんないいものが
あったもんですから。
はあ~… いや シャンパンとか
ワインとか詳しい人はね
我々裏方では その…
美術のセットデザイナーとか
小道具係とかね。
いや 彼らは こっそり陰で
うまいもの
飲んでるんじゃないかなって。
(名倉)ハハハハ…。
いや 昔の話ですけどね。
では おめでとうございます。
あっ…。
(ホッピー)おめでとうございます。
いや…。
乾杯!
ありがとう。
うーん…。 フッフッ…!
うん うまい!
いやあ…。
謝らなくちゃいかん事が
あるんです。
ああ… なんです?
原稿をコピーして
水谷さんに渡した犯人…。
実は 私です。
先生が
シナリオを完成したらしいと
つい 水谷さんに
言ってしまったら
彼女 目を輝かして
「本当!? 読みたい!」って。
その顔が あんまり嬉しそうで…
私も なんだか
嬉しくなっちゃって。
こっそり金庫を開けて
原稿を1部 コピーしました。
それをマヤさんに渡しましたら
本当に嬉しそうな顔をされて。
彼女 ここんとこ
暗かったですから
「ああ いい事した」って。
本当に失礼な…
ひどい事をしました。
やすらぎの郷の理事長として
許されるべき事じゃありません。
本当にお恥ずかしい
申し開きのつかない事をしました。
もういいじゃありませんか。
ハハッ… 僕はね 忘れました。
すみません。
フフッ…。
(ため息)
ああ…!
ホッピー うまいなあ これ。
はい。
こんなおいしいシャンパン飲むの
私 初めてです。
ああ 本当?
はい。
ハハッ! よかった。
名倉さんのおかげだよ。
ハハハッ… いやいや。
いや 実を言いますとね
シナリオを書き上げた時に
こうやって
お祝いしてもらうなんて
初めてなんですよ。
まさか!
まさかと思うでしょ?
いや でも 本当なんです。
えっ 本当なんですか?
ええ。 まあ あの…
撮影がね 全部終わった時には
盛大に乾杯したりなんか
するんですけど。
うん。
シナリオライターの仕事ってのは
撮影をする前に
終わってるわけですから。
ああ…。
だから まあ 「お疲れさま」って
ほとんど それっきりですよ。
しかし 信じられませんね。
いや そうなんですよ。
へえ~…。
いや… ハハハッ…!
ハハハ…!
なんだか
ひがみっぽい言い方ですね。
ハハッ…!
いやいや。 ふーん。
(ホッピー)いらっしゃい。
(名倉)ああ…。
おうおう。
フッ これは…。
(マヤ)栄ちゃん。
あっ?
ごめんなさい。
いや まあ…。
あたしが理事長に無理言って
強引に
原稿を見せてもらったのよ。
違う。 あたし。
(マヤ)いやいやいや…。
マヤは ただ
橋渡しをしてくれただけ。
違うよ あたしが…。
(お嬢)違わない!
あんたは黙ってて。
まあ もう… いいじゃないか。
あっ シャンパン どうだい?
名倉さんから。
ああ。 ホッピー
シャンパングラスを もう2つ。
(ホッピー)はい。
栄ちゃん あたしね…。
(名倉)
もうやめましょう その話は。
それより 今
先生から聞いた話なんですけど
先生 シナリオを完成した時
お祝いしてもらった事
なかったそうです。
嘘~!
(お嬢)本当?
本当だそうです。
(マヤ)え~!?
それで
今 3人で乾杯してたんです。
よかったら
お二人も一緒に乾杯して
祝ってあげてください。
はい。
(名倉)はい。
本当なの?
ああ そうだよ。
シナリオを書き上げても
誰もお祝いしてくれなかった?
そうそうそう。 そのとおり。
だって 僕たちは裏方だからね。
まあ 律子が生きてる時はさ
あいつ 付き合ってくれて
まあ 乾杯なんかしてくれた…。
フフッ…。
栄ちゃん かわいそう…。
ええっ…!
(ホッピー)どうぞ。
(名倉)よし。 それじゃあ 改めて
先生のシナリオの完成を祝って。
長い事 ご苦労さまでした。
いえいえ どういたしまして。
ハハハハハッ…!
(名倉)乾杯!
いや ありがとう!
(マヤ・お嬢)乾杯!
(名倉)おめでとうございます。
ありがとう。 ハハハ…!
〈その晩 嬉しい夢を見た〉
(一同)先生 おめでとう!
(根来公平)お疲れさま。
(根来しの)お疲れさま!
〈彼らは どうやら
シナリオの完成に
乾杯してくれているようだった〉
ああ 先生。
マロさんのお嬢さんが こちらに。
あっ…!
(倉林リカコ)ご無沙汰してます。
どうも その節は。
昨日 父の四十九日を終えました。
あっ そうですよね…。
実は
父の古い本を整理していたら
先生宛ての手紙を見つけたんです。
ああ…。
お渡しします。
あっ どうも。
(リカコ)では 失礼します。
あっ…。
(マロの声)
「先生 まだ生きてるのか?」
「ヘヘッ 俺は死んじまったよ!
ハハハハハハッ…」
「死んじまったあとの
手紙を書くのは
なんとも爽快で いいもんだな」
「俺のいなくなったあとの
やすらぎの郷は
一体全体 どうなってるのかな」
「きっと あんまり
変わってねえんだろうな」
「お嬢は
相変わらず わがままで」
「マヤは 相変わらず
ひん曲がっててよ」
「まあ 手のかかる女どもだけど
仕方がねえやな くたばるまで
面倒見てやってくれ」
「ああ… お前に
一つ頼みがあるんだ」
「お前の書いてる あのシナリオな
俺の出番があっただろうけど
付き合ってやれなくて ごめんな」
「申し訳ない」
「代わりにと言っちゃあ
なんだけど
お嬢とマヤを なんとか
出してやってくれねえか」
「あいつら
引退したような顔してるけどさ
本当は まだ やりたくて
ウズウズしてるんだよ!」
「表向き
悟ったような顔してるけどさ」
「ハハハハハッ!
あれは嘘 嘘 嘘!」
「まだね 色気満々よ!」
「お前が今書いてる台本をよ
映像化する気のないのは
わかってるよ」
「いいんだよ それで!」
「ただ あいつらに脚本を見せてな
あいつらに
夢だけを持たせてやってくれよ」
「夢を見てるうちに
あいつら 死んじまうわ」
「ハッハッハッ…!
それでいいのさ」
「どうせ もう先は短えんだ」
「ただ 夢ぐらいは
持たせてやらねえとな
はけ口がなくなっちゃうと
あいつら
何やらかすか わかんねえからな」
「まあ 頼まあ」
「じゃあな。 こっちで待ってるぜ。
ヘッヘッヘッヘッヘーだ!」
「スケベな話 またしようぜ」
「こっちで いろいろ
仕込んでおくからよ」
「“トッピンパラリのプウ"だ!」
♬~
〈手紙は そこで終わっていた〉
♬~
(ロクの声)原風景ってのは
最後に自分の帰っていく…
帰り着きたい最終の景色だ
という事じゃないんですかね。
〈俺の心に ずっとある
日本の原風景への
いわばオマージュだ〉
〈俺の名前は 根来公平〉
〈神様に見放されて
生まれてきたんじゃないか
と思うほど
物事にツイてない〉
(根来冴次)浅井の しのちゃんだ。
〈これが すなわち
初恋ってもんなんだなと〉
(根来三平)
室井先生は… 悪くなんかない!
三平兄ちゃん ごめん…。
僕は弱虫で
ツイてない奴だから…。
(根来公次)荒木のおやじが
娘を売ったんだよ。
行くな おりんちゃん!
満州って 一体 どんな所だ?
(ニキビ)バラバラになったって
友達は友達よ。
私 おてんばに見えますか?
えいっ!
(小沼良吉の声)「家族と故郷を
大事にして下さい」
(根来鉄兵)
誰にも気づかれんように
文通ならできる。
(ゆき)2人で こっそり
あいびきしとったじゃ。
青っ洟が婚約したんだと!
(根来アヤ)お父さん どうした!?
(根来信子)
お母ちゃんが… 死んじゃった。
(信子)お母ちゃん!
こちらに コンシェルジュとして
勤務する事になりました
有坂エリと申します。
(大納言)いかにもぉー!
(一同)いかにも~!
(姫)ねえ。
〈人生は素晴らしい!〉
「思い出が
淡雪のごと 今朝は消え」
え~ 梅の中!
(みどり)ここの半分の人たちが
この話を知ってる事になるじゃ
ありませんか!
(マロ)ねえ。
「ねえ」じゃないでしょ!
(豊臣家康)
ガラパゴス博物館の特別展示室。
♬~(一同)「忘れがたき故郷」
馬鹿だよ 兄ちゃんは。
(中村 修)鯉沼に足を延ばそう。
あそこなら誰にも見つからん。
(根来公一)
しのは うちの家族の一員だ。
家族を守るのが家族の務めだ。
そのために わしら 国を挙げて
戦争してるんじゃねえのか?
(鉄兵)食うためでもないのに
生き物を殺すのは 性に合わん。
別れじゃ。
死なないで。 絶対 死なないで。
(名倉)みんなをびっくりさせて
何が楽しいんです?
(九重めぐみ)
あなた 本気で女性を愛した事
おありになるの?
(高井)自分は
めぐみさんに恋をしてます。
ヘヘヘッ…!
(桂木怜子)えーい!
〈これも 老人の 罪のない
ボケ防止のお遊びだから
ちょっと目をつぶって
お見逃し頂きたい〉
(名倉)一体 何が目的で
こんな妙なもん作ったんです?
(お嬢)秘密 守れる?
(ホッピー)事情によっては。
(三平)戦争に行くのは
やっぱり 俺 嫌だ。
(公一)うちの一家が
そんな事するのは許さん!
絶対に許さん!
(信子)
死ぬとは限らんのだから…!
(信子)生きて帰って…。
(信子)三平兄ちゃんが…
屋根で… 毒飲んだ!
〈兄ちゃんは
戦争に行くのが嫌で
殺し合いが嫌で 命を絶ったんだ〉
実は 私
今 おなかに赤ちゃんがいるの。
(根来幸子)公平兄ちゃんが
しのちゃんと結婚するの!
よかったら… 結婚する気ない?
命を懸けて 一生守る。
(女性)産めよ 殖やせよ。
お国のためだ。 頑張ってね~!
〈激痛の中で
僕は非国民になった〉
今の この瞬間の幸せの事だけを
考えるようにしましょうよ。
(松岡百合子)甲府の町が
大空襲を受けたって。
〈頼む…! お願いだ!〉
〈生きていてくれ!〉
兄ちゃーん!!
公一兄さん!
(ニキビ)公平…
小野ヶ沢は いいなあ。
〈そうして
僕らの戦争は終わった〉
(中川玉子)この頃
また病気が再発してます。
万引き病です。
(ロク)高井秀次~!
(牧田 誠)母さん…?
一緒に暮らさない?
(玉子)夢見るには年取りすぎた。
東京ってのは
疲れる街じゃのう…。
(根来 竜)翔は?
(根来ユカ)また引きこもりか。
こんな物があるから あいつ
部屋から出ようとせんのじゃ。
翔…?
(根来 翔)
自分で自分が情けないよ…。
(鉄兵)しのか。
鉄兵兄さん…?
私は詩子。 木宮詩子。
(翔)鉄じいちゃんが…
山の穴で… 死んでる。
♬~「鉄兵兄さんは英雄じゃ」
(ニキビ)ソウジャ。
(名倉 誠)
今の時代にゃ合わんのだろうて。
(姫)私たちのお仕事って
人の心を清める事でしょう?
(香川さくら)この先生のお人形が
素晴らしいの。
(ロク)ツイてませんよねえ
全くの話が。
早く帰ってこないと…
おばあちゃん
い… いなくなっちゃうわよ…!
(怜子)黒蜥蜴の仕業に間違いない。
(辛坊 修)奴の事は
今でも俺は好きだよ。
馬鹿だよな! 俺たちは。
〈梢に赤ん坊が生まれたよ〉
(マヤ)なんで
そんなに優しいのよ…。
(ニタニ)先生の偽者 実は私なんです。
〈待っていてくれ〉
〈俺も すぐ行くよ〉
〈2人の間柄は
ぐっと近くなった気がした〉
(ニキビ)三角関係か…!
いや 面白い。
(翔)おじいちゃんたちを
喜ばす事 できないかって。
(しのぶ)何をプレゼントするの?
(翔)鐘よ。
〈あんなプレゼントは
もろうた事がない〉
年寄りは
最後は厄介者になるなあ。
(荒木)嫌われ者の荒木じゃーっ!
おりんよー!
いろんな事が この道であったな。
(ニキビ)山だけは変わらんな。
ああ…。
昔は わし…
かわいかったんだなあ。
(堺 里子)しのぶがね…。
あの子…
待っても帰ってこないの…!
(根来晴子)竜兄ちゃん どうも
全国に指名手配されてるらしいの。
(根来文子)うちは…
今夜のうちに夜逃げします。
なんじゃ…。
あの道じゃ!
ねえ!
♬~
はあ…
律子 やっと完成したよ。
お前に まだ 俺のホンを
読んでもらってなかったから…。
持ってきた。
読んでみてくれないか。
まあ ちょっと長いけどな
フッ…。
ずっとここにいるよ。
もう暇なんだ。 ハハッ…。
だから
お前が これを読み終わるまで
ここで待つよ。
読み終わったら なんでもいいから
合図してくれないかな。
木の葉を1枚揺らすだけでいい。
枯れ葉を2~3枚
転がしてくれてもいいよ。
ハハッ… この花 ちょっと
うなずかせてくれてもいい。
青い空に 小さな雲1つ…
そんな雲を
浮かべてくれたっていいんだ。
なんでもいいから
合図してくれないか?
それまで ここで待ってる。