『第43回 創作テレビドラマ大賞「ゴールド!」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド)
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- 柴田
- 大丈夫
- 美咲
- 間違
- 春子
- 冨美代
- ハハッ
- 夏美
- ケーキ
- 違反
- 今日
- 免許証
- 取締
- 信号
- ノック
- 一緒
- 運転
- 関係
- 自分
『第43回 創作テレビドラマ大賞「ゴールド!」』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
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第43回 創作テレビドラマ大賞「ゴールド!」[解][字]
ゴールド免許保有の高齢ドライバー(藤竜也)がまさかの信号無視!?誇り高き主人公が自らの“老い”を受け入れ、認知症の妻との関係を見つめ直していくヒューマンドラマ。
詳細情報
番組内容
50年間ずっと無違反の元教師・柴田政継(藤竜也)は、信号無視を理由に若い警察官・西井(坂東龍汰)の取締りにあうが、頑として違反を認めない。一方、最愛の妻・冨美代(吉行和子)は認知症で柴田のことも分からなくなっていた。そんな中、知人の交通事故を目の当たりにした柴田はハンドルを握れなくなってしまうが…。誇り高き主人公が自らの“老い”を受け入れ、妻との関係を見つめ直していく姿を描くヒューマンドラマ。
出演者
【出演】藤竜也,坂東龍汰,小川未祐,大野泰広,林和義,渋江譲二,鴻明,藤夏子,品川徹,吉行和子,【声】原扶貴子
原作・脚本
【作】鳴尾美希子
監督・演出
【演出】岡田健
音楽
【音楽】田中公平
♬~
(冨美代)すみません。
♬~
お世話かけます。
♬~
(警笛)
(柴田)ん?
(警笛)
いきなり 何だ? 危ないじゃないか。
(西井)危ないのは あなたの方でしょう。
信号無視です。
免許証を提示して下さい。
信号無視? はい。
君は 新入りか? え?
私が信号無視だと?
そんなことを するわけないだろう
この私が! 君の見間違えです。
えっ? ちょっちょっ… 待って下さい。
逃げるつもりですか?
何だ? 逃げるだと?
何ですか?
いい加減にしなさい。
君はね 私を誰だと思ってるんだ?
あなたが どこの誰だかなんて
私が知るはずないでしょう。
柴田政継だ。
逃げも隠れもせん。
君のとこの署長にね
後で聞いてみたらいい。 ね?
はい 柴田さんですね。
それじゃ 違反の措置しますので
お預かりしますね。
私は 違反なんかしてないって
何度言ったら分かるんだ!
どうした? 座ってなさい。
私 行かなくちゃ。
大丈夫 病院には
ちゃんと連れていくから。 座ってなさい。
座って。
あの… 大丈夫ですか?
さっさと済ませなさい!
はい。
(川島)西井!
朝の取締りは どうだった?
いや 頑固なヒゲじいさんがいましてね。
いきなり
「私を誰だと思ってるんだ!」ですからね。
ちょっと 見せてみろ。 ん?
よいしょ。 う~ん?
おい ちょっと待て。
お前 あの柴田先生に切符を切ったのか。
えっ? 「あの」って… 係長
この人 知ってるんですか?
知ってるも何も 有名な進学校の校長を
定年で辞められたあと
長きにわたって交通安全協会などの役員を
歴任して頂いた先生だよ!
それで…。
歴代の署長も頭が上がらなかったっていう
伝説の人だよ。 署長がですか。
ん…。
(ノック)
お待たせしました~。
あいにく署長は不在でして。
川島君だったね。
係長かい? 偉くなったね。
私のこと覚えていて下さったんですか。
覚えてるよ。
光栄だな~。 で あの…
今日は どういう?
あのね 実はね…。
近頃の新人の教育というのは
どうなってるんだね?
何か失礼がありましたか?
失礼なんてもんじゃありませんよ。
逃げるの何のと
人を犯人扱いしたあげくね。 はい。
私が免許証を出した途端に 話も聞かずに
切符を切り始めるんですよ。 えっ?
待って下さい! あなたが
さっさと済ませろと言ったんでしょう。
出たな。 隠れとったのか!
別に 隠れてなんていませんよ。
大体 あなた
さっきから何言ってんですか。
あれは 間違いなく信号無視でした!
おい…。
いいかい? 私は免許を取って50年だ。
その間 一度たりとも
交通違反を犯したことはない!
はあ。
それからね… 私は ず~っと
免許証 ゴールドですよ。
君が生まれた時分から
ず~っと私は ゴールドです。
だからって 今回のことと そのことは
全く関係ありませんよね。
関係なくは ないでしょう。
50年間 無事故・無違反の私とだね
失礼だが 昨日今日 警官になった君と
どちらが正しいか考えてみりゃ
分かるだろう。
はあ? ちょっと待って下さい。
何だい?
確かに 僕は警察官になって
まだ3年です。
でも 僕は自分の取締りに
100%の自信があります!
間違いを認めるのは お年を召された
あなたの方なんじゃないですか。
何だ?
君は 自分の取締りは
100%だって言ったね?
ええ。 それなら もし 君の取締りに
間違いがあると私が実証したら
君は それを認めますか!?
もちろんです!
いいでしょう。
(春子)う~ん…。
(高宮)ちょっと待ってね。
もうちょっと こっち…
もうちょっと こっち。
あ~ 無理か。 入れねえな。
大丈夫?
でも ちょっと これじゃ無理だわ。
そうか。 こんにちは。
え?
よろしかったら お手伝いしましょうか。
あ~ いや すみません。
先に出したのが 乗りやすいですよね。
(高宮)じゃあね…。
どうぞ
よろしかったら つかまって下さい。
ありがとうございます。
どうぞ どうぞ。
すみません。 あ~ 助かります。
いや~ すみませんね。
いやいや。
じゃあ 車 出しますんで。
はい。
どうも。
電源… う~ん? 電源?
あの… ヘルパーさん
ごはんは まだでしょうか?
あっ! すいません。
今すぐやるから ちょっと待ってなさい。
よいしょ。
ごはん出来た。
あっ…。
はい。
よいしょ。
どうも すみません。
さあ お食べなさい。
どう? 今日 魚 焦げてないだろう?
(柴田のせきばらい)
昼までに必ず戻るからね。 ね?
何かあったら すぐ連絡をしなさい。
よいしょ。 いいね?
はい。 いつも ありがとうございます。
うん…。
♬~
(ノック)
開けて下さい。
柴田さん 開けて下さい。
一体 何のまねですか?
言ったはずですよ。
私は君の間違いを証明する。
こんなことしても無駄ですよ。
僕は 100%間違ってませんから。
強情だね。
だったら私も続けるしかないね。
(ため息)
いや だから…。
それとも何かい 本当は
撮られちゃまずいことでも あるのか?
ありませんよ!
だったら いいじゃないか。
その100%の取締りとやらを
続ければいいんだよ。
言われなくても続けますよ!
言っておくけどね 僕はしつこいよ。
フフッ。
(笑い声)
柴田さん。 あっ。
先日は どうも。 いやいや どうも。
ありがとうございました。
いやいや とんでもないです。
ママ~!
あっ…!
春子!
待ちなさい!
およしなさい 柴田さん。
(春子)大丈夫です。 大丈夫ですか?
はい はい。
どうも すみません いつも。
いえいえ。
あなた 今 おいくつですかな?
私 75になります。
いや~ そりゃまだ お若い。
ハハッ。 そうですかね?
高宮さんと そう変わらんかと思いますが。
いや~ この年になっての数年は
見た目は変わらんでも
中身は えらい違いです。
日に日に 老いを感じてくる。
それは 否定はできませんな。
私も あなたぐらいの頃は
まだ若い者に
あれこれ意見したもんですよ。
ほう。
あ~ 春子です。
もともと 足は悪かったんですが
最近 目までやられましてな。
誰かの手を借りずには生きられん以上
人様に とやかく ものを言うわけには
いかんのですよ。 ハハッ。
お言葉ですが それじゃ 高宮さん。
間違ってることを間違ってるとも
私ら年寄りは 言えなくなりますよ。
確かに そうかもしれません。
私にとっては 春子と2人
人様に迷惑をかけず
ただ静かに生きていられれば
それだけでいいんです。 ハハッ。
はい もしもし。
(夏美)あっ お父さん?
ああ 夏美か。
(夏美)もう 何度もかけたのよ。
あれだよ 運転中だったんだよ。
(夏美)え~ また車で出かけてたの?
もう運転やめてって
何度も言ってるじゃない。
今朝もニュースで…。
何の用だよ!?
(夏美)何のって
お母さんのことに決まってるでしょ。
この間送った施設のパンフレット
ちゃんと見てくれた?
早く予約しないと…。
あのね また その話か。
医者には ちゃんと診せてるし
ね? 俺が ちゃんとやるから。
(夏美)お父さん。
余計な口出しするな!
♬~
(警笛)
よ~し!
こっちは 一分一秒争って
仕事してんだよ!
だからといって
違反を見逃すわけにはいきません。
だから そこんとこ なんとかさ…。
柴田さん。
認める必要はありません。
えっ?
今のは 間違いなく青信号でした。
はあ。
私が証人になります。
いや この若い警察官の見間違いですよ。
言いがかりは やめて下さい。
いや 確かに信号は青だった。
ええ 確かに信号は青でした。
だから 青だと… え?
今回は 運転中の
携帯電話の使用になります。
よって 点数は3点
反則金は1万8, 000円の違反になります。
だから 黄色だったと言ってるでしょう。
いえ 信号は赤でした。 このまま
免許証を提示して頂けないのなら
本当に あなたを
逮捕することになりますよ。
構いませんよ。 ただし 私は弁護士だ。
不当逮捕として
国家賠償請求を行いますが いいですね?
さあ 早く逮捕して下さい。
いや~ 全く…。
柴田さん。
近頃の弁護士というのは
法の正しい使い方も分からんのかね。
君ねえ こういう性根の腐った男は
さっさと逮捕してしまえばいいんですよ。
ちょっと おじいさん 関係のない第三者は
あっちへ行って下さい。
確かにね 私は
君たちとは関係のない第三者だ。
だからこそ フェアな目撃者になることが
できるんです。
年寄り一人の目撃証言なんて
何の意味もありませんよ。
誰が証言だと言いました?
ここにねえ あんたの交通違反の証拠が
きっちりと収まってるんですよ。
え?
一緒に見てみますか?
あの…。
え?
どうして助けてくれたんですか?
勘違いしてもらっちゃ困るよ。
別に 君を助けたわけじゃないよ。
ただね 間違ってるものを間違ってると
そう言っただけですよ。
あの!
何だい?
ありがとうございました。
帰ったよ~。
(包丁で刻む音)
何してるの?
おなかがすいたんです。
だから今 食事の支度を。
やめなさい。
何するの? 嫌っ。
いいから。
そうやって 私の好きなもの
みんな取り上げるのね!
いやいや…。
とっても おいしく出来たのよ。
どうして!? ねえ どうしちゃったの? 私。
ねえ どうして? え~ どうして?
どうして…。
ああっ…。
やめなさい。
やめなさい…。
大丈夫。 俺が ちゃんとするから。
だから そんな顔するなよ。 ね?
♬~
柴田先生は 今日も来られてたか?
ええ 3日連続です。
え~…。
でも あんなに元気なのに
突然 役員を辞めた理由って
何なんですかね?
俺も詳しくは知らんが
奥さんの調子がよくないって
うわさもあったな…。 ん? どうした?
あっ いえ… 別に。
ああ…。
ハハッ。 お茶でもいれるか?
(玄関のチャイム)
はい!
(美咲)おじいちゃん 久しぶり。
おお! おばあちゃ~ん。
美咲 ちょっと待て。 美咲!
おばあちゃん!
おばあちゃん 元気だった?
美咲 実は おばあちゃん…。
美咲ちゃん!
久しぶり 元気そうじゃない。
そうだ。 この子 孫の美咲です。
(美咲)え?
そうだわ ちょうどよかった。
おすしをとりましょう!
よろしかったら あなたも
ご一緒に召し上がっていかれません?
(美咲)おばあちゃん?
夏美に何か言われて 来たんだろう?
先に言っておくがね
何と言われようと
俺は あの人を施設には入れないからな。
ん? 何の話?
ん?
ちょっと お母さんとケンカしちゃって…
しばらく泊まってもいい?
ああ…。 ハハッ。
ねえ おばあちゃん
前に会った時より悪くなってるよね。
もしかして おじいちゃんのこと
分からなくなっちゃったの?
いつから?
2か月ほど前はね
調子のいい時もあったんだよ。
う~ん。 孫の顔は覚えているのに… な?
(ノック)
今日は 美咲ちゃんが来るから
ケーキを買っておいたのよ。
ケーキ?
おじいちゃん! ケーキなら
私 買いに行くよ。 免許持ってるし。
道が分からんだろう。
大丈夫だ 俺が行ってくる。
でも こんな時間に
わざわざ行かなくても いいんじゃない?
あのな 冨美代の
あんなうれしそうな顔見るの
久しぶりなんだよ。
もう少し 相手してやってくれ。 なあ?
分かった。
うん。 気を付けてね。
うん。
あっ ショートケーキだよ!
うん。
(パトカーのサイレン)
事故発生です。
レッカーの必要はありません。
負傷者が一応1名…。
事故だよ 事故。
そこ 道空けといて。
高宮さ~ん。
(高宮)春子。 高宮さん 聞こえますか?
(高宮)春子 大丈夫か!?
(うめき声)
高宮さん 分かりますか?
春子…。
高宮さん!
え?
高宮さん 乗って下さい!
柴田さん?
おおっ。
何があった?
高宮さん 知り合いなんだよ。
(救急車のサイレン)
え… 分かりました。
中央病院に向かいます。 出して下さい。
(パトカーのサイレン)
アクセルとブレーキの踏み間違え?
詳しいことは まだ分かりませんが
恐らく。 まさか。
奥さんが重傷じゃなかっただけ
何よりです。
高宮さんはね 80歳には見えない
とても しっかりした方ですよ。
運転操作を誤るなんていうのは
私は信じませんね。
みんな そう言うんです。
まさか あの人が… まさか自分がって。
でも 大きな事故が起きてからじゃ
遅いんです。
君ねえ それじゃ何か
年寄りは運転するなとでも
言いたいのかい?
いえ そうは言ってません。
でも 高齢者の運転に
リスクが伴うのは確かです。
柴田さんだって…。
何だ?
あ…。
いえ 今日はやめときます。
彼の奥さんはね
足が ご不自由なんだよ。
自分の足で歩くのも ままならん年寄りが
車を奪われたら
どうやって生きていったらいいんだよ。
でも その車に命を奪われたら
元も子もありませんよね。
それは正論だよ 正論。
君らにはね 若い人たちにはね
私らの気持ちなんて分からんよ。
高宮さんには 僕がついてますから
もうそろそろ お帰りになった方が
いいんじゃないですか。
柴田さんも 車の運転には
くれぐれも気を付けて下さいね。
♬~
おかえり。 あ…。
遅いから心配したよ。
お店 閉まってたんだ。
え?
へ? えっ ケーキ!
ケーキか… ケーキか。
冨美代は どうしてるんだ?
あ~ もう寝ちゃったよ。
そうか。 おばあちゃんって
アルバムばっかり見てるんだね。
アルバム?
ふ~ん 毎日こういうものを見ていたのか。
おばあちゃんと お母さんばっかりで
おじいちゃん全然写ってないけど。
そりゃ 俺が撮った写真だからだ。
えっ じゃあ
おじいちゃんと おばあちゃんが
一緒に写ってる写真ってないの?
いや~ それは知らん。
ねえ おじいちゃんと おばあちゃんって
お見合い結婚だったんでしょ?
いや~。
えっ? じゃあ おじいちゃん
おばあちゃんにプロポーズしたんだ!
ねえ どこで? 何て言ったの?
えい。 お前は いいな。
疲れたよ 俺は。
今日は寝る。 おやすみ。
おやすみ。
♬~
(高宮)昨日は どうも
ご心配をおかけしました。
大事に至らなくて 本当によかったです。
私はね 柴田さん
春子は 私がいなければ生きていけない
そう思っていたんですよ。
なのに こんなことになって…。
春子の身に もしものことが起こったら
そう考えただけで
生きてる心地がしなかった。
春子がいなければ困るのは
私の方だったんですよ。
高宮さん あなただけじゃありません。
うちは 結婚して50年です。
私が家に帰って 妻がいなかった日は
一日もありません。
妻は 私にとっては
いつでも帰る場所だったんですよね。
これからも ず~っと そうだと
私は信じてました。
ですがね
1年ほど前に認知症だと言われまして
それからは 日に日に
妻が 妻でなくなっていくのが
怖かったですね。
柴田さん。
まるで 他人が言うように
「どうも すみません」って
毎日聞くのは つらいですよ。
昔みたいに笑いかけてほしいな。
そう願うのは ぜいたくですかね?
ハッ…。
(美咲)お茶 入ったよ。
おばあちゃん それ何の写真?
うん 何でもない。
えっ? いいじゃん ちょっと見せてよ!
駄目。 駄目ったら駄目。
何で? お願い。
お茶にしよう。 さあ お茶だ お茶だ。
はい お茶ね。
お茶よ。 ねえ ちょっと見て このお茶。
すごいでしょ!
これね はやってるんだって。
へえ~。
(美咲)でね これにレモン搾るの。 いくよ。
あの! あなたですよね? あの車。
ああ。 昨日から止めっ放しでしょう。
ちょうど出そうと思っていたところです。
(エンジン音)
(ノック)
大丈夫ですか?
今すぐ お願いしますよ。
おじいちゃんのこと迎えに行くけど
すぐに帰ってくるからね。 大丈夫?
大丈夫。 これね。
うん。 じゃあ 行ってきます。
行ってらっしゃい。
♬~
おい 免許証 いつ取ったんだ?
1週間前。 大丈夫か?
うん… 任せて。
検定だって たった2回しか
落ちなかったんだから。
美咲!
ん? 鍵 掛けないで出てきたのか!?
そんなはず…。
冨美代。
♬~
ちょっと… 速いよ。
♬~
冨美代。
ここは?
ハァ… ここな
よく散歩で連れてきたんだよ。
ハァ…。
ねえ ほかには? 一緒に行った所とか。
分からん… 分からん。
(荒い息遣い)
(うなり声)
痛て…。 ちょ… ちょっと待って。
脚が…。 ゆっくりね。
固まっちゃってんだよ。 あ~。
あ~…。
私 もう一度 駅の方 捜してくるね。
すまんね。
あ~ やだやだ…。
ハァ…。
柴田さん!
眠ってしまわれました。
どこにいた?
この先の 僕が柴田さんに
初めてお会いした 交差点の近くです。
そこに一人で立っているのを
仕事帰りに偶然見かけて。
どうして そんな所に?
それが…
待ち合わせだって おっしゃってました。
待ち合わせ?
奥さん 必ず来てくれるって
その場所から離れようとされなくて。
なんとか ここまでは
お連れしたんですけど。
待ち合わせね…。
[ 回想 ] あっ あそこ!
冨美代 どうした?
待ち合わせが。
あの時さ…
家内が突然 後ろの席で
大きな声 出したんだよ。
それに 私 気ぃ取られて
信号 見ていなかったのかもしれない。
ハハッ…。 いや 青だと
思い込んでしまったかもしれない。
なのに あんたを追いかけ回して…。
ざまぁ ないな。
♬~
すまんな。
いえ 大丈夫ですよ すぐ近くですから。
あ… ちょうど この辺りですね
奥さんを お見かけしたの。 え?
ちょっと待って。
昔ね この車に乗ったことがあるよ。
うん… あの当時 みんな これに憧れてね。
私も どうしても
この人を乗せてあげたくて
それで 人に この車を借りて
迎えに行って…
結婚を申し込んだんだよ。
それじゃあ
奥さんが待ち合わせていた相手って…。
[ 回想 ] どうされましたか?
待ち合わせをしてるんです。
待ち合わせですか?
あの人は 必ず来てくれます。
♬~
[ 回想 ]
日曜日の10時に
この場所で待っていてもらえますか?
分かりました。
特別な車で迎えに来ますから。
ちょっとスピード出しますよ。
安全運転で お願いしますね。
もちろんです!
冨美代。
もう俺は 君の中には
俺なんていないと思ってたよ。
なのに どうして?
♬~
いろいろ 世話をかけたね。
いえ。
でも 50年以上前のことを
お互い忘れないなんて…
夫婦って すごいものなんですね。
ハハッ。
まあ 今回の違反で
ゴールド免許は
なくなってしまいますけど
本当に大事なのは
免許証の色なんかじゃないって
僕は思いますよ。
西井君 誤解しちゃ困るよ。
え?
私はね 信号を見落としたかもしれないと
言ったけどね
違反したなんて言ってないよ!
いやいや…。
往生際が悪いですよ 柴田さん。
あれは 完全に赤でした。
あんたね 遠慮っていう言葉を
知らんのかね? すみません。
そこだけは 絶対譲れません!
ああ そう…。 ふん。
ただ 100%自信があるっていうのは
言い過ぎでした。
当たり前だよ そんなものは。
修業が足りんよ。
はい。
♬~
♬~
フッ。
♬~
ん?
おお…。
♬~
冨美代さん。
これから先 何があっても
ずっと 私の車の助手席に
座っていてくれますか?
うん…。 フフッ。
♬~
僕と 結婚してくれますか?
政継さん…?
え…?
待ってたのよ。
(笑い声)
♬~