WORK&PERSON

燃料の通り道で、
社外と社内の技術を結び、
エンジンにさらなる発展を。

燃料タンクから
エンジンまでの工夫で、
性能をアップ。

軽油が燃料タンクからエンジンへ送られる燃料の通り道。ただのパイプであると思われている方もいるのではないでしょうか。しかし、実際はエンジンの性能などを考えた様々な工夫がされています。例えば、ガソリンスタンドでの給油中は、どうしても湿気やほこりが燃料タンクに入ってしまいます。そのため、燃料フィルタを付けてゴミや水が故障の原因にならないように除去します。さらにポンプを用いて燃料を加圧し200MPaを超える高圧燃料を蓄えます。この燃料を、エンジンの燃焼のタイミングに合わせて噴射することで、PMやNOxの低減、燃費の改善、騒音の低減につながっていきます。こうした目に見えない技術的な工夫を、エンジン装置設計部で小型トラックELF向けに行うのが設計担当の私の仕事です。

外部の技術力を引き出すのが、
腕の見せどころ。

私たちの部署では、いすゞとしてのコンセプトをもとにサプライヤーと膝を突き合わせて話すことで、彼らの専門的な技術力を引き出す場面も多く、社内だけでは完結しない分、難しさもあります。まずエンジンの目標品質をもとに、各部品で必要となる性能を検討し、社内の知見と合わせてサプライヤーへ伝達、部品の提案や実験データを提供してもらう。さらに部品の詳細な技術や構造まで把握し、信頼性や性能を確認します。ときには、こちらから部品の設計に対して改善提案を行うこともあります。「サプライヤーから完成品を購入する」=知識が不要なわけではなく、世界初のコンポーネントを搭載した車両をサプライヤーと一緒に開発することもあり、担当部品はもちろん、エンジン全体について常に勉強の連続。どんなに良い部品を集めても、完成形の姿を描く人がいなければ良いクルマ、良いエンジンにはなりえない。だから私たちが部品とクルマ・車両を結び付ける必要があるのです。まだまだ担当装置中心の視点になってしまうこともありますが、知識・技術を高めて、エンジンはもちろん、車両全体やお客様のことなど、さらに広い視野を持ってものづくりをしていきたいと考えています。

海老澤 尚希 
エンジン装置設計部 2013年入社

大学ではガソリン用の燃料噴射装置に携わり、燃料の粒がどうやったら細かくできるかなどを研究。その後、燃焼を学びたいと大学院へ。ISUZUを選んだのは、せっかく働くなら、これからもずっと世の中で使われていくものと思い「ガソリンよりディーゼル」。大きな使命感のある仕事のほうが頑張れると思い「乗用車より商用車」と考えたから。