「同性パートナーを弔う機会、奪われた」男性の訴え 大阪地裁は退ける
03/27 19:09
男性はパートナーの親族に対し、約700万円の慰謝料などを求め提訴も、訴えは退けられた。
約45年連れ添った、同性パートナーの火葬に立ち会うことを拒否され、精神的苦痛を受けたなどとして、大阪の男性がパートナーの親族に損害賠償を求めた裁判で、大阪地方裁判所は訴えを退けました。
【訴えを起こした男性】
「正月なんかも、おせち料理を買わず自分で作って祝ったり、普通の男女と同じような生活がずっと続いていた」
訴えによると、大阪府に住む自営業の男性(71)は8歳年上の同性パートナーと45年にわたり同居していましたが、4年前、パートナーが急死しました。
その後、パートナーの親族から葬儀に“友人”として参列させられたり、火葬に立ち会うことを拒否されたりしたということです。
【訴えを起こした男性】
「僕の人格や、2人が暮らした痕跡を全部なくしてしまうようなことをされた」
このため、男性は「同性愛者への嫌悪から弔う機会を奪った」などとパートナーの親族に対し、約700万円の慰謝料などを求め提訴。
これに対し、親族は「あくまで一緒に住む居候であり、同性カップルであると聞かされたことはなかった」と反論していました。
27日の判決で、大阪地裁(倉地真寿美裁判長)は、2人が同居していたことは認めつつ、パートナーの男性が周囲に事実と異なる説明をしていたことから「親族が、同性カップルの関係にあると認識していたとはいえない」として、男性の訴えを退けました。
【訴えを起こした男性】
「こういう結果になり、非常に残念で仕方ない。40数年間一緒に暮らしたことの重み、人生の重みを(裁判官に)感じて欲しかった」
男性は、判決を不服として控訴する方針です。