東方裏@ふたば
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画像ファイル名:1585303368083.jpg-(28332 B)
28332 B無題Nameとしあき20/03/27(金)19:02:48No.12834354そうだねx3 28日09:29頃消えます
こんばんは~
キョンシーと漢詩を語らう時間だぞ~
今日は「琵琶行」第五回だ~!
1無題Nameとしあき 20/03/27(金)19:06:15No.12834371そうだねx1
    1585303575578.jpg-(27215 B)
27215 B
さて今日で「琵琶行」も最終回だ~
https://archive.vn/5XAUy
https://archive.is/0Y9S5
https://archive.is/E1AI5
https://archive.vn/kiVB2
一応これまでのまとめだぞ~
2無題Nameとしあき 20/03/27(金)19:11:38No.12834387そうだねx2
    1585303898217.jpg-(28430 B)
28430 B
さて前回は作者の口上が終わったところだったな~
それを踏まえて読んでいこ~!
 感我此言良久立 わがこのげんにかんじてややひさしくしてたち
 却坐促絃絃転急 かえってざしてげんをうながせばげんうたたきゅうなり
 淒淒不似向前声 せいせいとしてさきのこえににず
 満座重聞皆掩泣 まんざかさねてききてみななみだをおおう
3無題Nameとしあき 20/03/27(金)19:17:00No.12834415そうだねx1
    1585304220156.jpg-(27215 B)
27215 B
「我此言」というのは前回の作者の口上だな~
「良久」は「ややひさしく」と訓読しているけど実際にはこの二字で「しばし」の意味を指してると考えたほうがいいかな~
「却」は「また」の意味だな~現代語の「かえって」とは意味が違うから注意だぞ~
「転」は「うたた」と読んで「ますます」の意味だな~詩の中では割合よく使われる表現だぞ~
4無題Nameとしあき 20/03/27(金)19:22:30No.12834440そうだねx1
    1585304550005.jpg-(28332 B)
28332 B
「淒淒」は「すさまじい」
「向前」は二字で「さきの」と訓じて「(時間的)前の~」という意味だな~
「満座」は「いっぱいのすわる場所」だな~
ちなみに「坐」と「座」が使い分けられているけどこれは「坐」が「すわる」という動詞で使われているのに対して「座」が座布団とか座席みたいに「すわる場所」を表すものとして使い分けられてるんだな~
「坐」を「すわる場所」として使うことはあるけどその逆はないから白文で読むときのヒントになるぞ~
5無題Nameとしあき 20/03/27(金)19:32:43No.12834479+
    1585305163984.jpg-(28430 B)
28430 B
さて進もうか~
 就中泣下誰最多 なかんづく なみだくだることたれかもっともおおき
 江州司馬青衫湿 こうしゅうしば せいさんうるおう
6無題Nameとしあき 20/03/27(金)19:36:50No.12834495+
    1585305410191.jpg-(28332 B)
28332 B
「就中」は「中でも」だ~「なかんづく」というのは古い言い回しだけどこの字面から来てるんだな~
さっきもあったけど「泣」には「なく」のほかに「なみだ」の意味もあるぞ~
「なく」だと意味が通じなくなるからな~
「江州司馬」はいつかも言ったけど白楽天が左遷された役職名だ~つまりここでは「白楽天」を指してるぞ~
「青衫」は「青い上着」のことだ~官服の色が青かったことからこういう言い方をしてるんだな~
7無題Nameとしあき 20/03/27(金)19:42:56No.12834530+
    1585305776434.jpg-(28332 B)
28332 B
…さて~これで「琵琶行」は終わりなんだ~
内容を五段に分けると最後はどうしても短くなってしまうんだな~
この長さなら前回にまとめても良かったんだけど今日はちょっと友に考えてほしいことがあるからあえて分割させてもらったぞ~
8無題Nameとしあき 20/03/27(金)19:49:00No.12834551+
    1585306140223.jpg-(27215 B)
27215 B
実はこの「琵琶行」まさに今読んでもらった
「就中泣下誰最多 江州司馬青衫湿」の二句が蛇足だという人もいるんだな~
友にはその理由を考えてほしいんだ~
具体的には
 1.なぜ蛇足と言われるのか
 2.自分は蛇足と思うかどうか
 3.それはどうしてか
の三点を言ってみてほしいんだな~
別に正解不正解あるわけじゃないから本文を読んで直感で言ってみてほしいぞ~
9無題Nameとしあき 20/03/27(金)20:24:00No.12834764+
1.この2句の前の満座重聞皆掩泣で涙の描写は既に充分だろうって考えなのではないか
2.思わない
3.詩の構成に不要なものをそぎ落としていくスタイルの作者が「中でも一番泣いたのは誰だと思う俺だよ俺」なんて言うのは心の贅肉も良いとこだと思うけどむしろそういうのが好き
10無題Nameとしあき 20/03/27(金)20:54:19No.12834944+
    1585310059677.jpg-(28332 B)
28332 B
>No.12834764
出してくれたな~!嬉しいぞ~!
時間があるからもう少し深めてみようか~
>満座重聞皆掩泣で涙の描写は既に充分だろうって考え
すでに充分な表現に蛇足を付け加えると詩の印象はどう変わるんだろうな~?
>詩の構成に不要なものをそぎ落としていくスタイルの作者が「中でも一番泣いたのは誰だと思う俺だよ俺」なんて言うのは心の贅肉も良いとこだと思う
作者はこの「心の贅肉」をどういう意図で付け加えたと思う?
11無題Nameとしあき 20/03/27(金)20:58:13No.12834979+
1.「感我此言良久立」の主語は琵琶を弾く女で合ってるよね?
彼女が最後に弾いた曲は作者の独白を反映してると見るべきだろうから
それを聴いた皆が泣いたのは作者の悲しみがそこに織り込まれていたからと考えられる
だから作者の悲しみを繰り返し述べる最後の二句は不要と考える人がいたのでは? 
2.思わない
3.琵琶行では作者の心中を細かく描写していた
作者個人に焦点を当てて締めくくるのは自然な形だと思う
12無題Nameとしあき 20/03/27(金)21:05:14No.12835025+
ごはん遅くなって頭回んなかった
今から読む
13無題Nameとしあき 20/03/27(金)21:17:28No.12835085+
>作者はこの「心の贅肉」をどういう意図で付け加えたと思う?
心から共感し合える人がいなかった江州の地で
音楽を通じて悲しみを共有し合ったことによる心情の噴出みたいなものを表現したかったんじゃないかな…と一読して思った
14無題Nameとしあき 20/03/27(金)21:19:41No.12835095+
    1585311581782.jpg-(28430 B)
28430 B
>No.12834979
また面白い意見が出てきたな~!
>「感我此言良久立」の主語は琵琶を弾く女で合ってるよね?
あってるぞ~!
>彼女が最後に弾いた曲は作者の独白を反映してると見るべきだろうから
>それを聴いた皆が泣いたのは作者の悲しみがそこに織り込まれていたからと考えられる
ここも大事なポイントだな~
>琵琶行では作者の心中を細かく描写していた
>作者個人に焦点を当てて締めくくるのは自然な形だと思う
ナルホドな~確かにそうだ~
それじゃ~もう一歩進んでこの詩のメインテーマって一言でいうと何になるか考えてみてくれ~
琵琶の音と奏者や作者の内面描写…それらによって描きたかった(あるいは描き出されている)ものって何なんだろうな~?
15無題Nameとしあき 20/03/27(金)21:29:58No.12835173+
>作者はこの「心の贅肉」をどういう意図で付け加えたと思う?
詩としての完成度よりも抑えられない情動を伝えたかったのかな
>蛇足を付け加えると詩の印象はどう変わるんだろうな~?
最後に作者の生の声を聞いたような気になって陳腐な言い方だけど親しみを覚えた
ごめんさっき蛇足とは思わないって書いたけど作者が蛇足であることを承知の上でこれをやったんなら蛇足であると捉えた方が自然な気がしてきた
その上で魅力的な詩だと思うわ
16無題Nameとしあき 20/03/27(金)21:54:54No.12835316+
> 蛇足であることを承知の上でこれをやったんなら蛇足であると捉えた方が自然な気がしてきた
その見方は思いつかなかった
逆にそれが自然に思えてきた
17無題Nameとしあき 20/03/27(金)22:14:32No.12835415+
>この詩のメインテーマって一言でいうと何になるか考えてみてくれ~
共鳴なんていうとちょっと気障っぽいか
18無題Nameとしあき 20/03/27(金)22:45:37No.12835612+
    1585316737539.jpg-(28332 B)
28332 B
そろそろ私の意見も紹介しとこ~か~
1.この二句は自分が一番深く感じ入っていることを言っているわけだけどそれは言う必要のないものだからだ~
なぜならこの詩の中で心情描写がされてるのはそもそも琵琶奏者と作者の二人だけだからな~そもそもそれ以外の人たちは輪郭がぼんやりしてるんだな~
だから読者はそんなことを言われなくても自然と作者の感情を特別なものとして読むことができるようになってるんだぞ~
言い方もちょっと直接的すぎるよな~
「就中泣下誰最多」とか「江州司馬」なんて言うのはちょっとわざとらしい感じがするぞ~
景色や琵琶の音に託すとかもうちょっとさりげない表現は白楽天ならば見つけられたんじゃないかと思うぞ~
19無題Nameとしあき 20/03/27(金)22:57:32No.12835684+
    1585317452551.jpg-(27215 B)
27215 B
2.思わない
3.この二句の問題点について述べたわけだけどそれは白楽天も承知の上であえてこういう表現をしたんだと思うぞ~
人間がこういう余計なひとことを言いたくなるということは…私はこの時作者が「陶酔」の真っただ中にいたことの演出じゃないかと思うんだな~
この「酔う」ということについては第一段に「酔不成歓」とあるだけで後は触れられてないのが気になるんだ~
この「酔不成歓」という状態から琵琶の声と奏者の語りによって…そして作者の応答によってより深い陶酔へいざなわれていくんだな~
それが極まって詩人としてのタガが外れて自分のことを直接的に言ってしまう…
酒や音楽に酔ったことのある人なら強く共感できる表現だよな~
20無題Nameとしあき 20/03/27(金)23:01:32No.12835717+
    1585317692560.jpg-(28430 B)
28430 B
ただ作詩を学ぶ者の視点としては安易に模倣すべき表現でないのは確かだ~
こういう表現に感動したからと言って自分の詩に盛り込んでしまうと大抵は陳腐なものになってしまうからな~
この表現に至るまでに作者がどれほどの工夫を凝らしているか…いわばその言葉がそこにある必然性を見出すことは詩人として大事な感性だと思うぞ~
21無題Nameとしあき 20/03/27(金)23:36:56No.12835921+
>人間がこういう余計なひとことを言いたくなるということは…私はこの時作者が「陶酔」の真っただ中にいたことの演出じゃないかと思うんだな~
かなり得心がいった
ただ後にも言ってるけどこんな表現が許されるのは「白楽天だから」だよね
他の表現が際立って素晴らしいからこそ少し野暮な表現も意味を持たせれるという異次元な人だなホント
22無題Nameとしあき 20/03/27(金)23:39:42No.12835937+
>心情描写がされてるのはそもそも琵琶奏者と作者の二人だけだからな~そもそもそれ以外の人たちは輪郭がぼんやりしてるんだな~
言われてみれば成程
作者が陶酔状態であることにも説得力を与えてるように思える
[リロード]28日09:29頃消えます
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