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ジョーカーの魅力とは?三つの魅力

今話題の映画「ジョーカー」。日本でも公開して以来、注目の話題作であるが、先日R指定映画として史上初の全世界興行収入10億ドルを突破した。今一度改めてその魅力を考察し、2019年現在の映画史における意義を見いだしていきたい。

映画ジョーカーは日本で公開されて早2ヶ月が経過した。世界中で人気を集めるこの映画はR指定映画としては史上初の興行収入10億ドルを突破した。ちなみに第2位は2018年公開のデッドプール2で約7億8500万ドル、第3位は2016年公開のデッドプールで約7億8200万ドルだ。公開前はその残虐性、精神的異常性から、メディアは「犯罪促進に繋がりかねない」という否定的な立場を取っていた。しかし、公開されるやいなや、この映画は人々の心を掴み、スーパーヒーロージャンルの多様化に大きく貢献した。今や一種社会現象とでもいえる「親ジョーカー」のトレンドはヒーロー業界に新しい風を吹かせてくれる。そこで筆者は「ジョーカーの魅力というテーマ」で改めてこの映画の素晴らしさ、美しさを3つに分けて読者の皆様にお伝えできたらと思う。そして映画ジョーカーの力強さを皆様と共有できたら幸いである。

①低予算の制作費

この映画の特筆すべきところは低予算で制作されたということだ。その制作費わずか約5500万ドル。ピンとこない読者も多いかと思われるので他の映画の制作費と比較してみようと思う。デッドプール2(約11億万ドル)、デッドプール(約5800万円、この映画も公開当初、低予算かつ好成績映画と称された)、同じDCコミックのアクアマン(約2億ドル)、アベンジャーズエンドゲーム(約3億5600万ドル)。つまり、年々制作費が増加していくスーパーヒーロー映画において他のスーパーヒーロー映画と比べると桁違いの低予算で制作されたのだ。この低予算について2つの解釈が可能だ。1つ目が、映画制作スタジオのワーナー・ブラザースがこの映画に期待していなかったという解釈だ。つまり、この映画はスタジオからあまり期待されていなかったにもかかわらず、監督トッド・フィリップとはじめとする制作側の努力で傑作を作り上げたということだ。2つ目が、この映画の台本的に結果的に低予算となったということだ。この映画は他のスーパーヒーロー映画と比較してもかなりCGが少ない。監督トッド・フィリップが元々この映画がどのようなテイストになるかを予め考え抜き、ヒーロー映画としては珍しく人間ドラマに焦点を当てるというリスクを取ったのだとしたらかなりやり手の監督と言わざるを得ない。どちらにせよ、この映画の制作チームはまちがえなく、芸術的で天才的であった。
また低予算でこのような大盛況の映画を制作することは若者クリエイターに勇気を与え、映画業界に新たな希望をもたらす「事件」であった。

ジョーカーの魅力とは?三つの魅力

https://www.cnet.com/news/joaquin-phoenix-says-he-might-be-interested-in-making-a-joker-sequel/

②ヒーロー映画ジャンルの可能性の拡大

今までマーベルに代表されるヒーロー映画はアクションに力を入れ、見ていて爽快。誰もが子供の頃になりたかったヒーローを描き、子供心くすぐられるものであった。そのような映画はいつも「ヒーロー目線」であった。映画ジョーカーはバットマンの敵サイコパスのジョーカーが主役だ。いってみれば、サイコパスの話なのだ。ストーリーが進むにつれ、このサイコパスの話が展開され、彼の考える「正義」が描き出された。「マーベルのヒーロー映画」とは対照的で、社会悪を見聞き、経験した大人心を強く刺激する作品となっている。このような大人向けのスーパーヒーロージャンルを作り出したのという功績は映画史における遺産だと筆者は考える。

③共感作用

上述の通り、この映画はサイコパス「ジョーカー」に関する映画である。そのため、彼の気持ちなどわかるはずなどない。しかし、映画を見終わったとき、誰しもジョーカーに対して気の毒な気持ちや同情の気持ちが芽生えたのではないだろうか。彼が生きる世界ゴッサムという町の残酷性、無慈悲さが詳細に描かれ、我々は映画開始と同時にその世界へと引きずり込まれる。そしてその世界においてサイコパスとして生きるジョーカー。彼の人格形成の過程を、幼少期の悲惨な環境やそこから全く進歩していない彼の生活を通して見ていく過程で、我々は彼が悪のカリスマとなることに否定的感情を持つことができない。彼が悪に染まる過程を見る中で、「悪を悪である」と断定できない。このような板挟みの感覚が映画を見終わった後に襲ってくる。この映画には間違いなく「人を動かすパワー」がある。

まとめ

以上の三点が筆者の考えるジョーカーの魅力である。このようなアンチヒーロー映画がスーパーヒーロージャンルの映画において出てきたことは、ヒーロー業界においても大きな革新であるし、低予算という側面は昨今ビッグスタジオがボックスオフィスを牛耳るという映画業界の流れに対して大きな挑戦を投げかけ、多くの若者クリエイターたちに勇気を与えたことは間違いない。日々進歩していく映画業界の流れを体感しながら今後も映像作品を楽しみながらその成長を見守っていきたい。そして読者の皆様にもその楽しさ、すばらしさを少しでもお伝え出来ればと筆者は願っている。

ご一読ありがとうございます。

ジョーカーの魅力とは?三つの魅力

https://www.cinemablend.com/news/2483243/joaquin-phoenix-shocked-jokers-crew-with-that-improvised-fridge-scene

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