第77回日本学生陸上競技対抗選手権大会→(全日本インカレ)が9月12日から14日まで、東京・国立競技場で行われた。1日目の男子棒高跳に出場した荻田大樹(商・3年)は優勝決定戦までもつれた末、5メートル40で初優勝を飾った。【新月Tribune=UNN】

荻田 3度目の正直だ。過去2年続けて全日本インカレ3位だった、日本学生記録(5メートル56)保持者の荻田がついに日本一になった。

 荻田は昨年の自身の記録(5メートル20)を上回る、5メートル30の高さから登場。2回目でクリアすると、続く5メートル40は1回でクリア。荻田は5メートル45をパスし、同じく5メートル40を1回目で跳んだ早大1年の笹瀬弘樹とともに5メートル50に挑戦した。しかしいずれも5回続けて失敗。クリアした高さ、失敗した試技数がともに同一(早大・笹瀬は5メートル20を2回目で成功した後に5メートル40をクリア)だったため、優勝決定戦を行うこととなった。

 決定戦は5メートル50の高さから行われたが、2人とも失敗に終わったため、バーは5センチ下げられ5メートル45に。だがこの高さもクリア出来なかったため、2人が1回目で成功した5メートル40で仕切り直しとなった。

 一度クリアした5メートル40。先に跳んだ笹瀬は失敗し、成功すれば優勝という場面で荻田が決めた。「(1年の笹瀬には)負けられない」。2年続けて3位だった全日本インカレ。先輩としての意地もあった。2回目の5メートル40を成功した後、荻田は喜びを爆発させた。「単純にうれしい」。気持ちでつかんだ勝利に自然と笑顔がこぼれた。

 今後の目標は世界陸上の参加標準記録となる5メートル70。日本の学生界を制した翼は世界を見据えている。

【写真】優勝決定戦で5メートル40をクリアし喜ぶ荻田。(9月12日・国立競技場で 撮影=伊崎春樹)