学部長祝辞・卒業生代表による謝辞

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3月20日に予定されていた卒業式・学位記授与式が中止となったことを受け、学部長による祝辞、及び、卒業生代表による謝辞を掲載いたします。

【学部長祝辞】

学部長・乾友彦

 卒業おめでとうございます。卒業式で皆さんとお会いしてお話しできるのを楽しみにしていたのですが、新型コロナウィルス感染症の影響で中止になってしまったことは本当に残念です。学部のウェブページを借りて、学部の教職員を代表してお祝いの言葉を述べたいと思います。
 第1期生の皆さんは評価の未知数である国際社会科学部に入学し、先輩のサポートもなく、教員も学部運営に不慣れのなか、不安を感じたり、不満を持ったりすることも多かったことと思います。その中で、私達教職員に対して批判や改善意見を忌憚なく提言して下さったことが学部運営の改善に大きく寄与しました。次の4年間は「国際社会科学部バージョン2」として、4月から新たなスタートを切ります。もちろん、今後も一層のバージョンアップを図っていく所存です。
 これからの皆さんに期待することは、健全な批判精神を失って欲しくないことです。私達が最も注力した教育は、課題を発見し、その原因を考察する能力の養成です。これからの社会は経済社会のグローバル化、データ分析等の技術の高度化が進み、今までとは大きく異なる問題や解決策が求められています。その際は従来と異なるアイデアを持って分析し、解決策を考える姿勢が求められます。
是非、既存の概念に囚われることなく、ゼロから考え直し、全く新しいアイデアを社会に提案して下さい。皆様の今後一層のご活躍を期待しています。

【卒業生代表による謝辞】
卒業生の内、二名の方から謝辞を寄せて頂きました。
※謝辞①は内容が謝辞として相応しくないといった意見もありましたが、本学部は多様な意見を尊重しオープンな開かれた学部でありたいと考え、原文のまま掲載しております。ただひとつ私たちが願うのは、本学で学んだ学生の皆さんが幸せな人生を歩み、願わくば社会に貢献して欲しいということです。

【謝辞①】

卒業生代表・小堀奈穂子

 卒業生総代答辞の多くが、ありきたりな言葉の羅列に過ぎない。大きな期待と少しの不安で入学し、4年間の勉強、大学への感謝、そして支えてきてくれた皆さまへの感謝が述べられている定型文。しかし、それは本当にその人の言葉なのか。皆が皆、同じ経験をして、同じように感じるならば、わざわざ言葉で表現する必要はない。見事な定型文と美辞麗句の裏側にあるのは完全な思考停止だ。
 私は自分のために大学で勉強した。経済的に自立できない女性は、精神的にも自立できない。そんな人生を私は心底嫌い、金と自由を得るために勉強してきた。そう考えると大学生活で最も感謝するべきは自分である。
 すべての年度での成績優秀者、学習院でもっとも名誉である賞の安倍能成記念基金奨学金、学生の提言の優秀賞、卒業論文の最優秀賞などの素晴らしい学績を獲得した自分に最も感謝している。支えてくれた人もいるが、残念ながら私のことを大学に対して批判的な態度であると揶揄する人もいた。しかし、私は素晴らしい学績を納めたので「おかしい」ことを口にする権利があった。大した仕事もせずに、自分の権利ばかり主張する人間とは違う。
 もし、ありきたりな「皆さまへの感謝」が述べられて喜ぶような組織であれば、そこには進化や発展はない。それは眠った世界だ。新しいことをしようとすれば無能な人ほど反対する。なぜなら、新しいことは自分の無能さを露呈するからである。そのような人たちの自主規制は今にはじまったことではない。永遠にやっていればいい。
 私たちには言論の自由がある。民主主義のもとで言論抑制は行われてはならない。大学で自分が努力してきたと言えるならば、卒業生が謝辞を述べるべきは自分自身である。感謝を述べるべき皆さまなんてどこにもいない。

【謝辞②】

卒業生代表・松田彩音

 新学部の一期生として満開の桜に迎えられた2016年春、入学式では学習院長の国際社会科学部に対する期待をひしひしと感じながら、私たちは大学生活をスタートさせました。
 国際社会科学部の特徴である海外研修では、語学学習のみならず幅広い経験を積むことができました。世界中から帰ってきた同級生たちと各々の経験を語り合ったことも良い思い出です。そしてこの研修の成功には、研修先の拡大に尽力して下さった先生方、単位交換や奨学金などの制度を整え運用して下さった職員の方々のお力添えが不可欠でした。新学部という、全てが第一例になる環境であるにも関わらず、充実した大学生活を提供して下さった皆様方に、心より感謝申し上げます。
 他にもお礼を申し上げたい事柄は沢山ありますが、国際社会科学部の益々の発展を祈念いたしまして、感謝のご挨拶とさせて頂きます。今後も多くの学生が、国際社会科学部で生き生きと学生生活を送れるよう願っております。