トップ > 石川 > 3月25日の記事一覧 > 記事

ここから本文

石川

春と幸運連れ飛来 能美・南さん宅で“間借り生活”

(右)巣の上で羽を休めるツバメ(左)ツバメの訪れを知らせる張り紙を自宅に掲示した南裕明さん=いずれも能美市荒屋町で

写真

 能美市荒屋町の南裕明さん(82)宅に春の使者、ツバメが飛来した。つがいで巣を作り、産卵と子育てが終わる秋ごろまで“間借り生活”を送るとみられる。(平井剛)

 南さん宅にはツバメが毎年やって来て、車庫や玄関の軒下に巣を作る。「いつから来るようになったかは覚えていないが、少なくとも十年以上は続いている」と南さんは言う。

 今年は十八日に初めての飛来を確認。妻の幸子さん(79)が自宅の周囲を旋回する一羽を見つけ、玄関先の窓ガラスをそっと開けたところ、すぐに入ってきて、過去にできた巣の中で羽を休めたという。今はもう一羽が居ついている。

 南さんはツバメを見に訪れる人のために、二〇一四年から張り紙を玄関に掲げている。それによると、今年の飛来は昨年より二日早く、これまでで最も早い記録。南さんは「暖冬の影響ではないか」と話す。

 ツバメが巣を作ると幸運が舞い込むとされるが、ふんで汚れるのを嫌う人は多い。住宅環境も変わり、ツバメにとって居心地の良い家はどんどん減っている。幸子さんは「ふんを掃除するのは大変」とこぼすが、南さんは「ひなが成長して飛び立つ姿は圧巻。今後もできるだけ長く、温かく見守ってあげたい」と話す。 

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。