ニュースレター 2019 1月
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
前回に続き、ストレス性の下痢についても触れておきます。(2)脾虚のところでも少し触れましたので、参考にしてください。
ストレスがひどいと食欲がなくなる方がいます。一方、ストレスがあっても、そういう症状は出ない、むしろ食欲が増す…という方もいます。ストレス食いです。これら両タイブは、生まれつきの体質で決まるようです。食欲がなくなるタイブの人は、体質的に、
「肝臓の横逆」が起こりやすい人です。肝臓の横逆とは?
ストレスは肝臓のよどみなく動かす力を邪魔します。肝鬱ですね。すると、肝臓は怒り狂い、よどみなく動かす力が、負の力に変化して、脾臓をダイレクトに攻撃します。この病態を肝臓の横逆と言います。横逆が起こると、脾臓は、土そのものが痩せてしまいます。制水機能を奪われ、運化機能も働かなくなります。ストレス性の下痢は、こういう病理があります。
どの程度のストレスで横逆が起こるかは、人それぞれです。
ストレスによるもの…まとめ
肝鬱・気滞は滞り。滞ってイライラしたり、便秘したりします。それがピークに達する
と、こんどは、脾虚が主役になります。運化できないので、体がだるい、やる気が出ない。肝臓が原因なのか、脾臓が主に原因にな
っているのかで、症状がこのように変わります。
このように、肝鬱と脾虚はひとつながりです。この流動的な病態が、そのまま便秘の原因となることが分かります。ここに多くは血虚が絡みますので、その多少によって、便の固さにも個性が出てきます。また、体質的に横逆を起こしやすい人は、ストレス性の下痢が絡みます。横逆がどの程度のストレスで起こるかで、便秘か下痢かが決まります。こうした流動的な変遷が、便秘の症状を複雑なものにします。
便秘と下痢の繰り返しというものや、便秘は無く下痢のみというものや、便秘だが小口が出ると後は下痢とか、小口がすごく固いのでお腹がすごく痛い…などなど、人それぞれの細かい特徴が、その人の便通異常の原因を暗示しています。ひどい便秘のはずが、いきなり失禁することもあります。近年、過敏性腸症候群という病名で診断されることが多くなった便通にまつわる複雑な症状の例です。
便秘と下痢を繰り返す…というのは、気滞という副産物の存在と、脾虚という体力の弱りが混在する状態です。脾虚で運化できないと湿痰をためやすく、気滞が長くどどまると邪熱を生みやすく、気滞や邪熱は瘀血を生みます。体力の弱りがあるだけに、こうした4つの副産物(気滞・湿痰・邪熱・瘀血)は固着化しやすくなります。4つの副産物が一つに結び付くと、癌を形成します。下痢と便秘を繰り返すものは、大腸がんに移行する危険性があることが、良く分かります。
2.邪熱
油濃いもの・甘いもの・辛いものの過食は、脾臓に邪熱をこもらせます。また、カゼなどで発熱したときも、邪熱がこもります。すると熱によって大便が乾かされ、便秘になります。舌の苔が黄色くなります。また、排便時に肛門が熱く感じるのも特徴です。
脾臓にこもった邪熱を取り去る治療(瀉法)を行います。
足三里・上巨虚など。
3.陰虚
邪熱が長く体内に留まると、腎臓の大きな働きである陰(クールダウンする体力)に負担がかかり、陰虚(陰の弱り)になります。クールダウンする力が弱くなるので、油濃いものなどの過食がなくても、邪熱が退きません。ウサギのフンのようにコロコロの小さい便が出るのが特徴です。
腎臓の陰を補う治療(補法)を行います。
照海・陰谷・腎兪・関元など。
4.陽虚
(2)の脾虚型の便秘に、冷えを伴ったものです。冷えは、冷たい飲食物の摂り過ぎや、寒さによっておこります。陽が弱くなるので陽虚といいます。陽虚を起こしているのは腎臓で、脾臓ではありません。もし、脾の陽虚なら、下痢になるはずです。寒邪↔陽虚型では、脾臓の制水機能は保たれているので、下痢にはならず、便秘になります。
陽気を補う治療(補法)を行ない、運化機能を助けます。
足三里・中脘・気海・関元・腎兪・復溜など。
同じ便秘や下痢でも体質によって鍼やお灸をするツボが変ってくるのです。
お判りいただけましたでしょうか?
院 長