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♪~
回想 (武志)会いたい。みんなに会いたい。
力もらいたい。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
(戸が開く音)(八郎)喜美子?
(喜美子)えっ。
何?喜美子。えっ 何やの急に。
ごめん ごめん。あの 電話でもよかってんけど…。
何?ちょっとええかな。うん。
名古屋 引き払おう思う。
はっ?引き払て 信楽か病院の近くにアパート借りるわ。いや 何で。
武志の…。(信作)おおっ いたいた。
えっ。
言うたん?ああ。
今日は 信作んとこ泊めてもらうわ。
百合子から聞いた 武志のこと。
百合子は 言わんかった。あいつは 絶対 言わんかったで。
貝みたいに 口 閉じてな。
それを俺が 絶対 様子おかしいやろ言うて問い詰めたったんや刑事みたいにな。もう ええ
から上がり。
いやいや そら 申し訳ない。上がりぃ!はい。
武志 深野先生の葉書のあのイメージのん作りたい言うてたやろ。
釉薬のことやったら相談 乗ってやれる。
よう考えてぇや。よう考えたから言うてる。
仕事辞めて どうすんの。探すわ どこでも。
今までどおりやったら あかんの?今までどおり おれるはずないやろ。
おうおう おう…。
分かるで。 ほんまのこと言うたらうちかて 今も まだ朝 目覚めるたんびに思うわ。
武志が病気? 何や それ。
それで 目ぇ覚める。
何がしてやれるやろな…。
もう お父ちゃんに言うてええ言うてたで。
みんなに会いたい言うてた。
これな。
武志 書いたで。
見てもええの?
見てほしいんや思う。
(武志)「今日が私の1日なら私は いつもと変わらない1日を過ごすだろう」。
(武志)「今日が君の1日なら君と いつもと変わらない1日を過ごすだろう」。
♪~
(武志)「今日が友達の1日なら友達と いつもと変わらない1日を過ごすだろう」。
回想 あ~!ハハハハハ…。
(笑い声)(信作)何や これ!
(武志)「今日が母の1日なら母と いつもと変わらない1日を過ごすだろう」。
♪~
(武志)「今日が父の1日なら父と いつもと変わらない1日を過ごすだろう」。
回想 左で しっかり支えてな。
離すで。うん。
(八郎)そう… ええな。
♪~
武志は いつもと変わらん1日を望んでる。
病院 顔 出したってな。
そやな…。
♪~
(大崎)あっ…。
おはよう。
あっ おはようございます。目覚め よさそうだね。
はい。 ほんま ようなりました。もう 出られませんかね…?
もう少し様子を見たいところなんだけどね。
通院治療に切り替えられませんか?
うん… じゃあ今日の血液検査の結果で問題がなければ今週いっぱいは 様子を見てから
外来にしようか。はい!
週明けにはな 退院して通院治療やって。ほんまか!
うん。あ~ よかった。
・(照子)あ~ ここや ここや。
あ~ 来たでえ!早速やな…。ここやで。
(和歌子)はい はい はい。ああ 来ましたでえ~!
あ~ すんません。こんにちは。
すっごぉ…ものすごぉ お久しぶりです。熊谷のおばあちゃん…?(笑い声)
あんた… 誰や。
えっ。
うそや うそ。
(笑い声)何や もう…。
お母ちゃん…。びっくりした…。タケタケやろ。
タケタケにいちゃんや。竜也が遊んでもろてたもんなあ。
それにしても あんた…ええ男になっとるな!お母ちゃん…!
(敏春)いろいろ持ってくぅいうてきかへんさかい…。
これ。あ~ すんません ありがとうございます。
おばちゃんがな 神経痛で入院してる時にこれ 使とったん…。
これ 何でも… こうやって つかめるんや。ええなあ これ。 何?
例えばな 腹立ったら こうやって「おい! こら!」とかな できんねん。
腹立ったらやるの…。誰にやんの…。
先生とかにやないの。先生?
すんません。 ほんま すんません…。アハハッ すごい…。
(大野)ほな ボクにラジオあげよう。(智也)ええんですか?
大事に使てな。(陽子)間違うててん。 アハハハ…。
それ 痛恨のミスですやん。ほやねん。 てっきり金婚式や思てたんや。
(百合子)3年早かったんよ。(陽子)しかもなあかまつに おしゃれして来い言うて呼び出す
んやで。
うちな こう 着物着て 行ったった。アハハハハ…。
おう。おう。
(百合子)お疲れさま。抜け出してきた。 武志 顔 見に来たで。
うん。
よし。 ほな。ほなな。
いや ほんまに そんだけなん!? ちょっ…。もう おかしな人やろ。
おかしな人やろ~!(笑い声)
(百合子)そこがええねん! なあ?何 それ。
(武志)なあ この色ってどうやったら出るんやろな。
これ 濃度を薄くしてな。うん。ハケで塗ってみたら ええ。
ほう~ そうか。 ハケな。うん。
なるほど。
え~ 濃度を薄くして… ハケか…。
あっ。うん?
もう こんな時間や。 お父ちゃん 行かな。
ああ 送っていくわ。いや ええよ ええよ。 よいしょ。
ええよ トイレ行きたいし。ほんま?よいしょ。 うん。
大丈夫やて。
ほな 行くで。うん。
あ…。(八郎)おう。
武志君ですが 検査の結果頭部に異常はありませんでした。
しかし 微熱もあり感染症の疑いがあるのでしばらく経過を見る必要があります。
ふう…。
アッハハ…こんなんしてたら病人みたいやな。
病人や。病人か。
熱あるんやから 寝とき。うん。
せっかく来てくれたのに。
石井さん もうちょっと いてはったら?僕は もう帰るで。
ああ ほなな。
うん?行く…。あっ…。
ほな…お母ちゃん 買い物にでも行こうかな。
(八郎)ほなな またな。(武志)気ぃ付けてな。
おう。おう。
まあ また戻ってくるけどな。(八郎・小声で)けぇへんねん。
・(小声で)あっ そうなん…?・(八郎・小声で)戻ってけえへん。
・(小声で)あっ そういうこと?
うん?
アッハハ…そんなん書いて聞かんでも大丈夫やて。
熱は微熱やし。
♪~
なあ…。
どこまで 病気のこと聞いたん。詳しく聞いた?
ほな 言うとくな。
白血病や。
特効薬が見つからん限り治すんは 難しい病気や。
♪~
フフッ…。フフッ…。
♪~
病状は やがて落ち着き翌週には退院できました。
これからは 2週間に一度の通院治療です。
アパートは引き払いました。
ああ。
ただいま。ただいま。お帰り。
(武志)掃除してたん?うん。
今日の晩ごはん 何がええ?(武志)カレー。
カレー?
水を動かすことにしてん。
川原喜美子は母親であると同時に 陶芸家や。
披露宴!?おめでとう!おめでとう…。
全部 売らはるんでっか?
シュッ。喜美ちゃ~ん!
もう 甘やかしたら あかん。
できる まだ諦めへんで。