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(信作)ほら 一日3回やて。お湯に溶かして…。
(大野)う~ん… 苦いの嫌いやねん。(信作)ええから。 はよ飲め ほい。
(大野)う~ん…。
(陽子)何 飲んでんの。苦っ… あっ。
全く… 男2人で こそこそ こそこそ。薬や。 薬やろ!
あ~あ~ もう…。百合ちゃん! 女の勘が当たったで!
(百合子)何の薬!何の病気なんや…。
もう… そんな大層なこと 違うねや。
ちょっとな 膝がな。膝!?
膝が痛い言いだしてな。いちいち言うほどのことでもない…。
膝がやられたんか!ほら もう! ほうやって心配するやろ?
大丈夫やから。大げさやねん 大丈夫や。
ほんまに大丈夫なんか?大丈夫や もう。
やっぱり言うたとおりや。
隠さんと言うてなあ。何でも言うて下さい。
ほんで長生きして下さい。
ああ ハハハッ。
元気でいてくれたら… それだけでええ。
いつまでも元気でお願いしますぅ。お願いされんでもうちらは元気やんなあ?そら そや!
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ 赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も涙に負けるもんか」
(喜美子)ああ… あれ?(真奈)あ… こんばんは。
あ…。
武志。
こっち おいで。 こっち。
あ… あの 傘…。ええ ええ。 もう差し 差し 差し。
あっ 門限 大丈夫?厳しいおばあさんいる言うてたな。
亡くなりました。
え…。先々週。
そうか… 寂しいなあ。ご愁傷さまでした。
会いたくて ヤングのグに行ったんです。
あっ あの うちの子の話な。
あっ すみません。バイト先に行ったんや。
ずっと会うてなかったんで…。ああ そうなん?
すみません こんな話…。ううん。 いや どんな話でも うれしいわ。
男の子は言うてくれへんからな 聞かせて。あの子 ちゃんとバイトしてた?
行った時は もう終わってたんで…。あっ そうなん。
約束しんと行ったんで あかん言われて…。あの子 そんなこと言うのん。
嫌いやとも言われました。ええ~。
すみませんそんなん言われても また来てしもて。
ハハ…。ほしたら 途中で雨降ってきて…。
負けへんでぇて 傘 買うて…。うちは 何と戦ってるんでしょう。
何やってんねやろ…。
お茶。
あっ コーヒーがよかった?あっ いえ お茶で。
ありがとうございます。 頂きます。どうぞ。
あったかい…。
家に帰ったら亡くなった祖母の匂いがして…もういいひんのに家ん中に残ってるんですねそういう… 残り香っていうか…。
ほんで 思うんです。
会える時に会いたい人には会うておこうって。
ほやから 嫌い言われても来ました。
あの子な 今 作ってる作品があるんよ。
いつ完成するか分からへん。
明日 出来るかもしれへんし1年かかるかもしれん。
何年かかっても出来ひんかもしれん。
それでも作る。 作り続ける。
今 それで一生懸命なんや思うわ。
あの… うち 見てきてええですか?
どやろ ええんちゃう。
行ってきます。
♪~
(戸の開閉音)
(武志)えっ 何で…。
何で いるん? いつ来たん。お疲れさまです。
どういうつもりや…。
作品作りの邪魔やから?
はっ?
邪魔せんようにします。
病気やからや。
はっ?
あ… こんなんあかんってもう来たらあかん。
どういうこと?帰りぃ。
病気やから うちと会うの避けてたん。
えっ そうなん? そうやったん?
そんなんおかしいわ!おかしないわ。
関係ないやん。関係あるて!
帰って下さい。
ほな…ほな 帰ります。 帰りますけど病気やから うちと会うの避けるいうのは納得できひん。
そういうのは 許可しません。
許可しませんので また来ます!
お邪魔しました 失礼します。ほな また。
♪~
お邪魔します。
すみません あの かばん忘れてしまって…失礼します。
気ぃ付けてな。ありがとうございます。
(戸が閉まる音)
♪~
(八郎)おはよう。おはよう。
休み取ってくれたんやな。(八郎)京都行くんやろ。
展示会の打ち合わせな。
日帰りやけど 武志 頼むな。起きてる?
起きてるよ向こうで朝から熱心にやってるわ。
フフフッ。
(武志)なあ 見てや これ。
何か どっかで見た光景やな。
お父ちゃんも こうやった?うん…。
(住田)おはようございますぅ。あっ…。
ご無沙汰しております。ご無沙汰してます。
ご無沙汰しております。
あの… ご病気のこと…。
あ~ 知らんかったんや。
おかしいとは思っとったんですわ。
穴窯の予定を変更する言わはったり作品をぎょうさん売りに出さはったり…。
まさかそんなご事情があったやなんて…あ… お座りにならんで大丈夫なんでっか。(武志)住田さん。お母ちゃんおったら叱られますよ。え~。
そんな 腫れもんに触るみたいな言い方。なあ?
(八郎)ハハッ せやな。(武志)ハハハッ。
病気やいうても 武志は 武志なんで。俺は 俺なんで。
そうですよね。
ほな 武志君に京都のお土産でも買うてこようか。 おいしい和菓子でも。
おっ ええなあ よろしゅうお願いします。(住田)はい。
ああ もう来てはったん。おはようございます。
おはようさん。 何か 欲しいもんある?土産に和菓子でも…。
ああ 今 住田さんに頼んだ。ああ。はい。
ほな 失礼します。はい。ほなな。
うん 気ぃ付けて行ってらっしゃい。行ってらっしゃい。
行ってきます。
さっ。
(八郎)このイメージは何や。
えっ… 水たまりや。
水たまり。
うん 皿ん中に水たまりがあるイメージや。
う~ん…。あ… あかん?
ううん あかんことないけどな。
例えば… 例えばな。うん。
お母ちゃんの作品はお母ちゃん独自の発想や。
うん。 天賦の才や言うてた 掛井先生がな。ほんで 俺は 努力型やて。
せやけど 武志かて お皿に亜鉛結晶で 雪 降らせたんちゃうんか。
ああ 雪な。降らせたやろ。
うん。 納得いくもんは作ったつもりや。
武志独自のひらめきや。
俺独自…。
水たまりでええんか。
これはお皿に青い色をのっけただけやな。
これやったらお父ちゃんにも できるで。
お父ちゃんが できひんかったことやれ。
僕を超えていけ。
頭 やわらこうしてな?
常に やろこうしとかんと こうイメージする力は湧いてけぇへんねんてお父ちゃんに言われたないやろう。(笑い声)
ここが固いねん ここが。ハハハ…。
熱いな…。いや…。
熱あるやん。大丈夫やて。
いや 熱い 熱い 熱い…。いや ほんま大丈夫やから。熱あるやん。
(大崎)熱?℡(八郎)はい。 連れていった方が…。
ちょ 貸しぃ。なに…。
もしもし 大したことないんで…。
ああ その声だと大丈夫そうかな…。熱は どれぐらい?
℡(武志)ほんま 大した熱やないです。
まあ まあ まあ。もしもし? どないしたら…。
℡(大崎)お渡しした解熱剤をのんで安静にして下さい。はい…。
それでも下がらなかったら連絡して下さい。
いいんですよ。 いつでも どうぞ。
はあ…ありがとうございます すみません。
はい。 はい 失礼いたします。
アホ! ちょっ そんなとこで お前…。部屋で寝え ちゃんと。
ええやん ここでも。布団で寝なあかんて。
お母ちゃんなんか最近 茶の間で うたた寝してんで。
あのな 熱があるんやで?
うるさいなあもう お母ちゃんよりも うるさい。
これや。 ちょちょ ほい。いや もうええて。
水 水 水 水…。
あ…。