「日本死ね」で流行語大賞を受賞した民進・山尾志桜里氏 どうせ表彰するなら「ガソリーヌ疑惑」で末永く顕彰を

政治デスクノート
「2016ユーキャン新語・流行語大賞」トップ10の受賞者としてあいさつする民進党の山尾志桜里氏=12月1日、東京都千代田区の帝国ホテル(宮崎瑞穂撮影)
「2016ユーキャン新語・流行語大賞」トップ10の受賞者としてあいさつする民進党の山尾志桜里氏=12月1日、東京都千代田区の帝国ホテル(宮崎瑞穂撮影)

 年末恒例の「流行語大賞」(ユーキャン新語・流行語大賞)には、本当にがっかりした。トップ10に入った「保育園落ちた 日本死ね」という選考に「よりによって『死ね』が流行語かよ」との思いを禁じ得なかったのもさることながら、「受賞者・山尾志桜里さん(衆院議員)」にも力が抜けた。

 12月1日の授賞式には、しっかりご本人が登場。トレードマークの青のジャケットスーツ姿で壇上に立ち、晴れやかな表情で次のように“喜びのコメント”を語っていた。

 「私がこの賞を受け取っていいのどうか、とてもためらっているのですが、声を上げた名もない一人のお母さんの言葉と、それを後押ししてくれた2万7862人の女性たちに代わって、この賞を受けとらせていただきたいと思います」

 「待機児童問題を政治課題の隅っこからど真ん中に、みんなの力で場所移動することができた。これから先は、みんなでまたシェアしながら解決するときだと思う」

 まあ、このコメント自体にも言いたいことは山ほどあるが、一つだけ突っ込んでおきたい。それは、「待機児童問題はもちろん大切だけど、ご自身のガソリン疑惑を政治課題の隅っこに追いやってませんか」ということだ。

 山尾氏といえば、「保育園落ちた 日本死ね」の匿名ブログを国会で取り上げて一躍脚光を浴び、その直後に誕生した民進党で政調会長に抜擢…されたところまではよかったが、すぐに「地球5周分のガソリン代」疑惑にみまわれた。

 2012年の政治資金収支報告書に、ガソリンのプレべートカードを105回、約230万円分も購入したという記載があったのだが、当時のガソリン価格や一般的な自動車の燃費を元に試算すると、その走行距離は実に21万キロ。赤道の全周長約4万キロを基準にすると地球5周以上に達する。ちょっと実感がわかない長距離だ。というより、本当にそんなに走れるのか? 本当は走っていないのではないか?

 そんな疑惑に対し、山尾氏は当時、「(2012年7月に辞めた)秘書が関与した蓋然性が高い」として、元公設秘書の私的流用の可能性を示唆。さらに、「今それぞれ弁護士を立てて協議している最中だ。結果あるいは顛末がどうなったかはしっかり話ができる状況になって説明したい」と語っていた。

 本紙は彼女に「ガソリーヌ」の称号を献上して、記者会見などで追及を続けたが、疑惑の核心についてはナシのつぶて。そうこうするうちに、山尾氏は9月の党役員改選で政調会長を退いてしまい、めったに表舞台に出てこなくなった。

 不覚にも私自身、ガソリーヌ疑惑のことをすっかり忘れていたのだが、11月下旬に民進党の野球チーム「民進カチマス」のマネージャー役として登場した山尾氏の姿を見て、久々に「あれはどうなったんだ」と思い出した次第だ。

 そんなタイミングで満を持したかのように、「流行語大賞」授賞式という晴れ舞台に臨んだ山尾氏。私が思うまでもなく、ネット上には「なぜ山尾氏が受賞者に? 自分の疑惑の説明が先ではないか」とか「山尾氏には別の受賞対象があるだろう」などという“違和感”があふれた。

 タレントのつるの剛士さんがツイッターで「『保育園落ちた日本死ね』が流行語。。しかもこんな汚い言葉に国会議員が満面の笑みで登壇、授与って」とつぶやくと、賛否両論の祭り状態となった。

 それでも山尾氏は自らの疑惑を「隅っこ」に放置したままにしておきたいらしい。僚紙・夕刊フジの記者によると、山尾氏の昨年の政治資金収支報告書にも「ガソリンプリカ」代として50回、104万円の支出が記載されていたため、「不正を働いたとする元秘書の手法を続けているのはなぜか?」「2012年分の元秘書の不正を裏付ける証拠は?」などとする質問状を送付したが、いまだ回答がないという。

 疑惑は疑惑として残ったまま、年を越そうとしている。せめて、「ガソリーヌ疑惑」を私的流行語大賞に選定し、末永く顕彰したいと思う。(政治部次長 船津寛)