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2020年ドバイターフデータ分析

過去のドバイターフの結果から、レースの傾向を徹底分析

牝馬の活躍が目立つ

過去10年のドバイターフの性別成績をまとめたのが〔表1〕。牝馬の活躍が顕著で、勝率、連対率、3着内率の各数値で牡馬・せん馬を大きく上回っている。その中でも近年は日本調教牝馬が強く、昨年はアーモンドアイが1着、ヴィブロス(2017年1着、2018年2着)が2着となってワンツーフィニッシュ。2018年3着(同着)のディアドラも含めて、日本調教牝馬がここ3年連続で好走している。

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〔表1〕
性別成績(過去10年)
性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
牡馬・せん馬 7 6 8 93 6.1% 11.4% 18.4%
牝馬 3 4 3 16 11.5% 26.9% 38.5%
注記:
2018年は3着同着

日本調教馬に注目!

過去10年のドバイターフで3着以内に入った馬の調教国を調べると、日本調教馬が4勝(2014年ジャスタウェイ、2016年リアルスティール、2017年ヴィブロス、昨年アーモンドアイ)を挙げており、その活躍が目立つ。〔表2〕また、〔4・2・2・6〕(勝率28.6%、連対率42.9%、3着内率57.1%)と各数値も優秀で、日本調教馬の安定感が光っている。そのほか、3勝で追う地元アラブ首長国連邦(UAE)調教馬や、2勝、2着2回、3着4回のイギリス調教馬にも注意が必要だろう。一方、2010年から2014年まで5年連続2着の実績がある南アフリカ調教馬だが、2015年以降は7頭が出走して、2016年エルティジャールの4着が最高着順とここ最近は苦戦を強いられている。

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〔表2〕
3着以内馬の調教国(過去10年)
年度 1着馬 2着馬 3着馬
2010年 UAE 南アフリカ 南アフリカ
2011年 イギリス 南アフリカ イギリス
2012年 イギリス 南アフリカ UAE
2013年 UAE 南アフリカ フランス
2014年 日本 南アフリカ イギリス
2015年 フランス イギリス アメリカ
2016年 日本 イギリス UAE
2017年 日本 フランス イギリス
2018年 UAE 日本
日本
日本
2019年 日本 日本 イギリス
注記:
S.ビン・スルール調教師など、アラブ首長国連邦(UAE)とヨーロッパの両方に調教拠点がある調教師の管理馬については、UAE調教馬扱いとした
注記:
2018年は3着同着

年明け初戦の馬にも注意

過去10年のドバイターフで3着以内に入った馬の前走をまとめたのが〔表3〕。ドバイターフと同距離・同コースで行われる地元の前哨戦ジェベルハッタ(G1・UAE)組と日本の中山記念(GⅡ)組が3勝で並んでおり、本番につながる重要なステップレースとなっている。また、少し見方を変えて注目したいのが、ドバイターフが年明け初戦だった馬。〔表4〕のとおり、2頭の優勝馬を含む9頭が3着以内に好走している。特に昨年は1着アーモンドアイ、2着ヴィブロス、3着ロードグリッターズと、いずれも3か月以上の休み明けで臨んだ馬が1着から3着までを占めた。年明け初戦だからといって、評価を下げる必要はなさそうだ。

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〔表3〕
3着以内馬の前走(過去10年)
前走 ドバイターフにおける成績
1着 2着 3着
ジェベルハッタ(G1・UAE) 3 3 3
中山記念(GⅡ) 3 1 0
香港マイル(G1・香港) 1 1 0
ジャパンカップ(GⅠ) 1 0 0
アル・マクトゥームチャレンジ ラウンド3(G1・UAE) 1 0 0
モンジュー賞(一般・フランス) 1 0 0
バランシーン(G2・UAE) 0 2 0
愛チャンピオンS(G1・アイルランド) 0 1 0
アルファヒディフォート(G2・UAE) 0 1 0
ダルシャーン賞(一般・フランス) 0 1 0
クイーンエリザベスⅡ世S(G1・イギリス) 0 0 2
天皇賞(秋)(GⅠ) 0 0 1
京都記念(GⅡ) 0 0 1
ブリーダーズカップフィリー&メアターフ(G1・アメリカ) 0 0 1
ガルフストリームパークターフハンデ(G1・アメリカ) 0 0 1
香港カップ(G1・香港) 0 0 1
ザビールマイル(G2・UAE) 0 0 1
注記:
ジェベルハッタ、アル・マクトゥームチャレンジ ラウンド3はG2時の成績を含む
注記:
2018年は3着同着

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〔表4〕
3着以内馬でドバイターフが同年の初戦だった馬(過去10年)
年度 着順 馬名 前走の年月日 前走のレース名
2012年 1 シティスケープ 2011年
12月11日
香港マイル(G1・香港)
2013年 3 ジオフラ 2012年
12月9日
香港カップ(G1・香港)
2014年 3 ダンク 2013年
11月2日
ブリーダーズカップフィリー&メアターフ(G1・アメリカ)
2015年 2 ザグレーギャツビー 2014年
9月13日
愛チャンピオンS(G1・アイルランド)
2017年 3 リブチェスター 2016年
10月15日
クイーンエリザベスⅡ世S(G1・イギリス)
2018年 3 リアルスティール 2017年
10月29日
天皇賞(秋)(GⅠ)
2019年 1 アーモンドアイ 2018年
11月25日
ジャパンカップ(GⅠ)
2 ヴィブロス 2018年
12月9日
香港マイル(G1・香港)
3 ロードグリッターズ 2018年
10月20日
クイーンエリザベスⅡ世S(G1・イギリス)
注記:
2018年は3着同着

ゲート番の有利不利は少ない

過去10年のドバイターフのゲート番別成績(出走可能頭数は最大16頭)を振り返ると、ゲート番が「1から8番」だった馬が6勝、「9から16番」だった馬が4勝。勝率、連対率、3着内率の数値を比較しても大きな差は見られない。過去10年で優勝した日本調教馬4頭のゲート番を見ても、2014年ジャスタウェイが2番、2016年リアルスティールが14番、2017年ヴィブロスが9番、昨年のアーモンドアイが7番と、内・中・外のゲートにまんべんなく分かれている。ゲート番の有利不利は少なく、フェアな舞台と言えそうだ。〔表5〕〔表6〕

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〔表5〕
ゲート番別成績1(過去10年)
ゲート番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1 0 0 2 8 0% 0% 20.0%
2 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
3 0 2 1 7 0% 20.0% 30.0%
4 0 1 0 9 0% 10.0% 10.0%
5 2 0 1 7 20.0% 20.0% 30.0%
6 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
7 2 1 0 7 20.0% 30.0% 30.0%
8 0 1 1 8 0% 10.0% 20.0%
9 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
10 1 3 1 5 10.0% 40.0% 50.0%
11 1 1 0 7 11.1% 22.2% 22.2%
12 0 0 0 9 0% 0% 0%
13 0 0 2 7 0% 0% 22.2%
14 1 0 0 5 16.7% 16.7% 16.7%
15 0 0 0 5 0% 0% 0%
16 0 0 0 2 0% 0% 0%
注記:
2018年は3着同着
注記:
実際に発馬となったゲート番で集計した

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表6〕
ゲート番別成績2(過去10年)
ゲート番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
内枠(1~8番) 6 6 7 61 7.5% 15.0% 23.8%
外枠(9~16番) 4 4 4 48 6.7% 13.3% 20.0%
大外 1 0 0 9 10.0% 10.0% 10.0%
注記:
2018年は3着同着
注記:
実際に発馬となったゲート番で集計した

G1未勝利の馬にもチャンスあり

過去10年のドバイターフで3着以内に入った馬のG1実績をチェックすると、2015年のソロウ、2016年のリアルスティール、2018年のベンバトルなど5頭がこのレースでG1初制覇を果たしていた。またここ5年は3着以内に必ずG1未勝利馬が入っており、G1実績にとらわれる必要はあまりなさそうだ。2007年に日本調教馬としてドバイターフ初勝利(当時のレース名はドバイデューティフリー、芝1777メートル)を挙げたアドマイヤムーンも、このレースがG1初制覇だった。〔表7〕

文:秋山 響(TPC)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表7〕
3着以内馬のG1実績(過去10年)
年度 着順 馬名 同年のドバイターフ出走までのG1勝ち鞍
2010年 1 アルシェマーリ なし
2 バンカブル なし
3 インボンギ なし
2011年 1 プレスヴィス クイーンエリザベスⅡ世カップ
2 リヴァージェテス J&Bメット
3 ウィグモアホール なし
2012年 1 シティスケープ なし
2 ムタハディー なし
3 シティスタイル なし
2013年 1 サッジャー ジェベルハッタ
2 ジアパッチ 南アフリカチャンピオンズC、デイリーニュース2000
3 ジオフラ ファルマスS
2014年 1 ジャスタウェイ 天皇賞(秋)
2 ウェルキンゲトリクス ジェベルハッタ、デイリーニュース2000
3 ダンク ブリーダーズカップフィリー&メアターフ、ビヴァリーD.S
2015年 1 ソロウ なし
2 ザグレーギャツビー 愛チャンピオンS、仏ダービー
3 ムシャウィッシュ ガルフストリームパークターフハンデ
2016年 1 リアルスティール なし
2 ユーロシャーリーン ビヴァリーD.S
3 トリスター ジェベルハッタ
2017年 1 ヴィブロス 秋華賞
2 エシェム なし
3 リブチェスター ジャックルマロワ賞
2018年 1 ベンバトル なし
2 ヴィブロス ドバイターフ、秋華賞
3 ディアドラ 秋華賞
3 リアルスティール ドバイターフ
2019年 1 アーモンドアイ ジャパンカップ、桜花賞、オークス、秋華賞
2 ヴィブロス ドバイターフ、秋華賞
3 ロードグリッターズ なし
注記:
2018年は3着同着

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