@chablis777
シャブリ

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♪~
(喜美子)おはようございます。おはようございます。
(理香子)私にですか?よかったら。
ええお皿ですねぇ。
ハハハッ よかった~。ありがとうございます。
智也。(智也・かぼそい声で)寒い…。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ 赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
♪~
♪「やさしい風に吹かれて」
♪「炎は再び舞い上がる」
智也! 大丈夫やで!(大崎)お母さん 落ち着いて下さい。
先生!あちらに。先生! 智也が!
智也君? 智也君 分かるかい?急いでバイタル測って。はい。
(武志)あ…。

(八郎)はいはい。℡
(八郎)はい 川原ですぅ。
℡(女性)もしもしぃ川原喜美子さん おられますぅ?
あっ 今 出かけておりまして…。
℡あら~今なぁ 信楽に着いたんやけど…。
えっ。℡(さだ)荒木いいます。
あらき…?℡荒木さだですぅ。
(戸が開く音)(八郎)喜美子。あっ。
遅かったやん。ちょっと 話 してもええ?うん?
何?ちょっと…。
亡くなった?武志と同じ病気の安田智也君いう子や。
入院した時 向かいのベッドやった…。そや。
亡くなったんや…。
武志連れて行ってくるわ。ほんで 向こうで ごはん食べてくるし…。
あっ ほんで 電話あった。 お客さんや。
誰?あらき… さださん言うてた。
ええっ!・(さだ)喜美ちゃ~ん!
(圭介)よいしょ…。(さだ)ここやったやんなぁ。
(圭介)足元 気ぃ付けて。(さだ)ああ もう ここ狭いなあ。
ご無沙汰しております。
あ~! 喜美ちゃ~ん!
アハハッ。先ほど お電話で…。ああ~。初めまして。
ああ?
元旦那です。フッ。
もう~ ちょっと! ハハハッ。
入って下さい 入って下さい。あ~ お邪魔しますぅ。
どうぞ どうぞ。お邪魔します。
へえ~ ここが喜美ちゃんの…。
ここで 喜美ちゃんは生まれて育ったんやねぇ。
ほんま もうびっくりしましたよ。
ちゃうのよ もう驚かそ思て来たんちゃうんよ。
圭ちゃんとなかなか日程が合わへんかったんよ。
ほな 今朝や 急に今日やったら時間とれますいうて連絡してきやってな?
ほな 行こかいうて慌てて出てきたんよ~。せやから 何か こんないきなりみたいになってしもて…あんたのせいやん。えっ。
っていうか何で うち一人で しゃべってんの。
しゃべりぃな。あ…。もう。
(戸が開く音)あ…。あ~。いやいやいや。
悪いな。あらららら。忙しいとこ。
ご挨拶だけでもな。おう。
初めまして。初めまして 荒木です。
酒田です。 初めまして。
どうも。息子の武志です。
ほんで 改めて 八郎さんです。どうも。(さだ)はい。
お母ちゃんが大阪で働いてた荒木荘の荒木さださんや。
フフフッ。乳バンド作ってましたねえ。
懐かしいなあ ブラジャーな。そや。
アハハハッあっ 下着のデザインしててん。
いや~ん アハハッ。痛っ。ウフフッ。
おばあちゃんの遠い親戚にあたるみたいなんやけどな。
もう そんなんええのよ。 お母さんにはもう ほんま ようしてもろたんよぉ。
いや 何 言うてるんですかうちの方が もう ようしてもろて。
喜美ちゃんが こんな大きい息子さんのお母さんになるやなんて…もう 年取るはずやわな。
(笑い声)痛っ。
ほんで 酒田圭介さん。あっ 荒木荘の住人でした。
医学生でしたね。うん。懐かしい~。
(2人)い が く せ い。懐かしい…。
今は?無事 医者やってます。
小児科の?うん。
へえ~。
フフフッ ちょっとちょっと 食べへん?
頂こう。ちょっと座って お話 しようなぁ。
すいません。あの… 続きやってもええかな。
あ~ せやな 悪いな ありがとうな。
(さだ)陶芸家さん。あ… まだまだ そんな 半人前です。
すいませんせっかく来てくれはったのに…。
いいえ かまへんのよ。こっちが押しかけてきたんやさかいに。
悪かったなぁ。 どうぞ どうぞ。
すいません。 お父ちゃん おったら。あ… いや~。
おって下さい。おもろい話 たんとさしてもらいます。
ほな 失礼します。(さだ)はい~。すいません。
これ 頂いていきぃ。持ってき 持ってき。
頂きます。ありがとうございます。はい。
ちゃんとした ええ子やな。
和歌山?(圭介)うん。
大きな病院のな偉い人になってやんねんでぇ。
へえ~。小児科の部長さんや。
すごい!さださんかて 京都の服飾専門学校の…。
会長は退いて 去年からは顧問。へえ~!
一番上までいったからな。 ほんで去年から また一から始めるいうてデザイン始めたんですよね?はい。 また新しいこと始めてんねん。
新しいデザイン?
がんの患者さんのな 乳バンドブラジャーな。これが難しいんのやで。
脱ぎ着がしやすうて 締めつけがのうて柔らかい素材で…それでいてちょっと おしゃれも忘れんとな。
去年から?(さだ)友達がな 入院してたんよ。お見舞いへ通てるうちになこんなん どやろかと思い始めてな。
お友達は?(さだ)元気に退院したで。
あ… よかった~。(さだ)ありがとう。
せやけど 不思議なもんやなあ。
この春にな うちが患者さん向けの下着のデザイン始めたいうて圭ちゃんに連絡したんよ。 なあ?
え~圭ちゃんに連絡取った前の日やんなあ?
ちや子さんがな 僕んとこ訪ねてきてん。え~!
開口一番 何て言うたと思う?
「おはぎ覚えてるか~!」。アッハッハッハッハッ。
「喜美ちゃんの作ったおはぎいらん言うたらしいなあ」。
おはぎ…?ええねん。 ええねん ええねん。
後で 教えたる。教えんでええです。 教えんでええ…。
「あき子とは そのあと どないなったんやすぐ別れたいうんは ほんまかぁ!」。
もう その話はええねんちょっと とばしぃ。
そやな。 ほんで…ちや子さんから 武志君のことを。ドナー探しのことも…なかなか容易やないいうことも。
見つからんもんですか。
難しいですね…。
僕の病棟にもいるんですよ 同じ病気の子。
ただの慰めに聞こえるかも分からんけど医学の進歩は すごいで。
治療法も 治療薬もどんどん新しいもんが出てきてる。
今は不治の病やいわれるような病気でも何年かたったら治ります言われるかもしれん。
「白血病? 治るで そんなん」って言われる日がきっと来るって 僕は信じてる。
こんなことぐらいしか…よう言わんけど…。
圭介さんに言われると 元気が出ます。
ありがとうございます。ありがとうございます。
♪~
(圭介)気ぃ付けて。(さだ)はい。
♪~
喜美子。うん?
言うんか。
智也君が亡くなったことを告げました。
容体が急変してな…。
どうする?
まだ病院にいるで 会いに行こうか。
うまいこといったらな見せに行くいう約束してんねん。
ほな 智也のお母ちゃんに見せに行くわ。
やるで。おう。おう。
なあなあ ちょお これ 見てや。
指で模様つけたん何か やわらかい感じになった。
なあ お母ちゃん。うん?お父ちゃん 変な顔して見てくる。
えっ どこ? えっ どこ どこ どこ。どこ… ほんまや。
こういう顔や。いや… もう なあ 沈むなや。
上がってこい 上がってこい。これ 立ち上がらして 意味あんの。
(喜美子 武志)ない。
ないんかい…。もう やりぃ やりぃ。 ちゃっちゃとな。
よし…。
これが 5月の出来事です。
お待たせしました。どうも。
武志は週3回4時間のアルバイトをしながら作品作りを続けました。
♪~
「水が生きている」。
思いどおりの波紋が描けず武志の試行錯誤は続きました。
♪~
そうして 夏が過ぎ…。
週3回4時間のアルバイトは週2回4時間となり…今は 週1回4時間だけ。
それでも辞めずに続けています。
おっ! うまいっすわ。(店長)おいしいか。うん!
(店長)お~ いける?いけます これ。・(学)武志。
あっ おう。 どした。いらっしゃい。
(学)ほい。(芽ぐみ)こんにちは。何 これ。
披露宴 来いよ~。お待ちしてます~。 ウフフッ。
披露宴!?(2人)アハハハ…。うそ~!
よっ… はあ…。
よっ… ああ…。
(戸の開閉音)
あっ おはよう。おはよう。
うん。今日 アルバイトか。
うん。気ぃ付けてな。うん。
うん?うん?
おほほっ 変わらんなあ。
お母ちゃんに似てるな。
どうりで かわええ思うた。アッハハッ。
えっ?あ そやな。
気ぃ付けや。うん 行ってきます。
行ってらっしゃい。はい。
楽しんでな。うん。
あんま無理せんと。


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