東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

<新型コロナ>小学校休校中の家庭サポート 子ども応援 無料チャーハン

無料の持ち帰りチャーハンを受け取る子どもら=東京都千代田区で

写真

 東京・秋葉原地区に「子どもは無料」のラーメン店がある。都心回帰で共働きの家庭が増えた街で子どもたちの「孤食」をなくしたいと3年前に始め、現在は月平均で400人ほどが利用する。新型コロナウイルス対策による休校で給食がなくなった今月は、持ち帰りチャーハンを無料で提供し、食事の準備に追われる親らをサポートしている。 (浅田晃弘)

 JR秋葉原駅から浅草橋方面へ徒歩八分。「子ども食堂」と書かれた大きな看板がある「麺屋のろし」に、常連客の近所の会社員、米山まどかさん(39)がチャーハンをもらいに来ていた。「小学校が休校になり、昼に職場から家に戻って子どものご飯を作っている。こういうサービスはうれしい」

 函館の人気ラーメン店が初めてのれん分けして二〇一四年に開店した。一七年から、小学六年生までなら営業時間中いつでもラーメン、チャーハンなどのメニューを全品無料で出すようにした。

 周辺に増えた高層マンションの住民は共働きが多い。店舗運営会社の当時の代表が「一人でご飯を食べている子どもたちも少なくないのではないか」と思ったのが、取り組みのきっかけ。費用は協賛金でまかなう。スポンサーには現在、不動産や広告制作などのベンチャー企業中心に約四十社が名を連ねる。

 スタート時は、子ども食堂の呼び名も一般には知られていなかった。「無料」が警戒されたのか、利用は伸びなかった。店員が児童館などに出向いては、ラーメン作り教室などのイベントを開き、地域への浸透を図った。一八年には千代田区と、子どもの見守りについての協定を結んだ。

 店長の河尻崇伸さん(31)は「子どもが一人で来ても安心できる雰囲気を心掛けている。『いただきます』『ごちそうさま』を言うことの大切さも話す。貧困対策というよりは『食』を通じた交流の場」と言う。運営会社「カラーズ」広報の須貝真二さんは「子ども食堂の新たなモデルケースとなりたい」と話す。

 持ち帰りチャーハンの無料提供は三月末まで。問い合わせは、麺屋のろし=電03(5829)4822=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報