アク抜きもささがきも不要で超簡単! 現代版きんぴらごぼうのレシピ

今日ご紹介する「きんぴらごぼう」はアク抜きもささがきも、皮むきすら必要ありません。炒める時の油はねも起きないので、時間のない人、キッチンを汚したくない人にもオススメです。おいしく食物繊維も豊富なメニューをぜひお試しください。

居酒屋のおつまみに出てくるきんぴらごぼう。2〜3日は保存がきくので作っておくと便利ですが、硬いごぼうを細く切るという作業がなかなか大変です。そこで今回はごぼうを縦に四等分に切るだけのワイルドなきんぴらごぼうにしてみました。きんぴらごぼうのポイントは、ごぼうを皮ごと使うこと

きんぴらごぼう

材料(2人前)

ごぼう…2本(150g前後)新ごぼうがベター
にんじん…1/2本(50g)
醤油…大さじ1
酒…大さじ3
砂糖…大さじ1
ごま油…小さじ1
一味唐辛子…好みで

1.ごぼうはよく洗い、5cmの長さに切り、それを縦に四等分する。にんじんはごぼうと同じくらいの長さ、太さになるように棒切りにする。

2.フライパンに1のごぼうとにんじん、ごま油以外の調味料を入れ、蓋をして中火にかける。煮汁が沸騰してきたら弱火に落として好みの硬さになるまで蒸し煮にする。新ごぼうであれば7〜8分、ごぼうであれば10分が目安。

3.蓋をあけて好みの濃さになるまで煮汁を煮詰める。仕上げにごま油を加えて、ざっくりと和えて、盛り付ける。好みで一味唐辛子を振りかける。冷めた頃がおいしい。


ごぼうのうま味を生かす調理法

ごぼうの独特の食感の秘密はセルロース、へミセルロース、リグニンなどの水に溶けない食物繊維。子供の頃、お腹の掃除になると薦められた方も多いのではないでしょうか。ごぼうには他にもイヌリンという多糖類(こちらは水に溶けやすい食物繊維です)も含まれていて、日常的に食べたい野菜の一つです。

特に今の時期はやわらかい新ごぼうが出回りだします。新ごぼうは早い段階で収穫するもので、やわらかさが特徴。特有の土っぽい香りも弱めなので、きんぴらごぼうのようにそのものを味わう料理にはぴったりです。

ごぼうを調理する際のコツは〈皮を剥かないで使うこと〉です。というのもごぼうのうま味成分や糖などは皮の近くほど多く含まれている(NHKの番組で調べたところ1.6倍というデータもあります)ので、皮を剥いて使うのはうま味を捨てるようなもの。ニンジンも同様の理由で皮を剥かずに使います。

ごぼうを調理する際の問題はどこまで洗ったらいいのかわからないこと。茶色く感じられるのでつい包丁の背で皮を削ぎ落としたくなりますが、手で触ってざらざらとした土がついてこなければ大丈夫です(昔ながらのたわしが家にあればそれで洗うのが簡単ですが、手でも洗うことができます)。

料理書にはごぼうを酢水に晒す工程を「アクを抜くため」と書いてあるものがありますが、水に浸けると味や風味、ポリフェノールなどの栄養成分が抜けてしまうので、あまりおすすめできません。そもそも水につけておくのは酸素によって、ごぼうが褐変してしまうのを防ぐ=変色を防ぐためでしたが、それがいつのまにか「アクを抜く」という風に目的が変わってしまったものだと考えられています。水にはさらさずにそのまま調理した方がいいでしょう。ごぼうやニンジンを太めに切るこの方法であればすぐに調理をはじめられるため、変色を防ぐために酢水に浸したりする必要もなし。

通常のきんぴらごぼうは熱くした油で炒めますが、ここでは冷たい状態から加熱しています。蓋をして蒸し煮にすれば油がはねたりしませんし、仕上げにごま油を絡めれば炒めてから煮たのと味は変わりません。 歯ごたえは蓋をした状態の加熱時間で調整します。ある程度やわらかく仕上げたほうがたくさん食べられるのでここでは加熱時間を長くとも10分目安としていますが、5分くらいにすれば歯ごたえの強いキンピラをつくることもできます。ごぼうを細く切っていない分、調味料の味が弱くなるのでたくさん食べられるはず。これがぼくの考える現代的なキンピラです。


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