捌拾壱.落ち着け( --) _旦~~
今回は若干過激な発言とメタな発言がありますのでご注意ください。
日が暮れて夜になって、俺は横になって墨をだき枕にしながら、家の人が寝静まるのを待っていた。いつも通り全員が寝静まってから空を飛んで上賀茂神社に行く予定なのだ。ちなみに家の外に集まってくるバカどもについては、出かける前に三羽烏が全員気絶させる手はずになっている。
雪「竹姫さま」
俺「! なんだ、雪じゃない。どうしたの、こんな時間に?」
予想外の訪問客に俺は少し驚いた。暗がりでよく見えないが、雪は心なしか頬が赤くなっているような気がする。
雪「はい…、あの…、今日は竹姫さまと一緒に寝させていただきたいと思って参りました」
俺「…………、えっと?」
雪「……、あの…、ですから…、竹姫さまと一晩共に…」
俺「えぇぇぇぇっ!?」
思わず声を上げた俺に、墨は驚いて部屋の隅に逃げ去ってしまった。しかし、そんなことを気にする余裕は今の俺にはない。
(ちょちょちょちょちょ、どどどどどどどゆこと!!!?)
俺「ままままま、おおおおおちついて、ととととりあえず、雪」
お前が落ち着け。
スー、ハー、スー、ハー
俺「何か怖い夢でも見たの?」
雪「いいえ」
俺「だき枕が欲しいなら墨を貸して上げようか?」
雪「いいえ」
俺「あっちの部屋、寝苦しかった?」
雪「いいえ」
俺「えっと…、それじゃぁ…」
雪「竹姫さま、あのっ、私とエッチをしてくださいっ!!」
ブーッ
だめだよ、雪。これは全年齢対象のお話なんだよ。R15ですらないんだよ。エッチとかしたらR18になっちゃうじゃない。そういうことはノクターンかムーンライトでやんなきゃダメなんだよ。
雪「あの…、やっぱり私じゃダメですか?」
(あうあうあう…)
雪ってそういう趣味だったの? この時代だと結婚適齢期なのに男の影1つないとは思ってたけど…
あまりに衝撃的な展開に頭がちっとも働かない。確かに俺も雪のこと好きだけど、女の子同士でそういうのはよくないんじゃとか、だけど俺は心は男だからOKではとか、いやいや雪は俺のこと女の子だと思ってるしとか、あ、でも平安時代って同性愛って普通なんだっけとか、十分頭働いてるじゃん!!
俺「えっと、雪。ちょっと、私、いきなり過ぎて。こういうのってもっと段階を踏んでやるものじゃないかしら」
雪「大丈夫ですっ。一から十まできっちり全ての段階を教えて差し上げますわっ」
そう言って、雪はじわりと俺に向かってにじり寄ってきた。やばい。マジでやばい。
俺「そっ、そっちの段階の話じゃないからっ」