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【今は昔】転生!かぐや姫【竹取の翁ありけり】 作者:七師

第2章「かぐや姫」

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漆拾肆.スーパーアブソーベントポリマー

 俺は生理が終わるまでの間、外出禁止、面会禁止なので爺と婆に雪の引越しの件について話すのは生理が終わってからということになり、それまでの間は雪は今までどおり母屋の方の部屋で過ごすことになった。


 汚れた衣類を持って雪が下がった後、俺は腹痛と頭痛と身体のだるさから横になって過ごすことに決めて畳の上に寝転がっていた。現代なら痛み止めを飲んで楽になるところなのだろうけれど、平安時代に痛み止めはないしあっても怖くて飲みたくないので耐えるしかない。


 (痛み止めの魔法ってないんだっけ?)


 と探してみると、あるにはあるものの法具の作成に材料が必要なので今の体調ではちょっと難しい。


 (そういえば、天照がくれたものって一体何だったのかな?)


 もしかして痛み止めだったりして、と淡い期待を抱きながら、月☆読が渡してくれた巾着袋を取り出して口を開けてみた。


 (…、紙おむつ?)


 中に入っていた紙切れを復元させると、それはミニサイズの紙おむつのようなものだった。さすがに紙おむつを履くのには抵抗があるが、確かに今の状況だと紙おむつは便利かもしれない。高分子吸収体は布よりもはるかに安心感がある。


 (だけど、何でこんなに粘着テープみたいになってるのかな…)


 その紙おむつの裏側はテープのように粘着があり貼り付けられるようになっていた。しばらくその意味を考えてうんうんと唸っていたが、はっと気がついてふんどしを締めた後に片付けてしまったショーツを取り出した。


 ぎこちない手つきでショーツの内側に紙おむつの粘着部分を貼り付けると、早くも血が滲んできた月経帯を外してショーツに履き替えた。ちょうど紙おむつの吸収体のところが血の出るところに当たって外に逃がさない。しかもギャザーがついているせいで動いても脇から漏れることもない。


 (また知らなくてもいい知識を知ってしまった)


 健全な男子高校生としてはこういう知識はできれば一生知らないで済ませたかったところだが、こっちの世界で女性として生きていくには必要な知識なのだろう。それにしても、きっと元の世界に戻った後も、女性の経血を見て全く平然としていられる自分が想像できて男として少し情けなくなる。


 (もし帰ったら雪はどうするのかな?)


 元の世界に戻った時のことを考えていると、ふとそんなことを思った。


 まだ本当に帰れるかどうかもわからないのにそんなことを考えるのはばかばかしいことだとは思うのだけれど、雪の覚悟を聞いた今となっては雪を残して現代に帰るというのも後ろ髪引かれる思いがある。きっと雪は自分のことのように喜んでくれるのだろうけれど、それで雪は幸せになれるのだろうか?


 (…)


 つい考えがネガティブな方向に向かうのは生理のせいだと思いたい。気分を明るくするために陽の光に当たりたいと思うけれど、外出禁止令が出ているせいで思うままに外に出ることもできず、ただ明るい庭を部屋の中から眺めるしかない。


 (いっそ天井をぶち抜いてみようか)


 瞳に剣呑な光を宿して室内を振り返ると、何が気になるのか俺が外した月経帯の匂いを嗅いでいた墨と目があった。


 墨「ひっ。な、何でございますか?」

 俺「墨は生理ないよね」

 墨「…、あ、ありますよ」

 俺「え? マジで?」


 どこからどう見てもいろんなところが未発達に見える猫耳幼女に生理があるだと?


 墨「ひ、姫さまみたいに血が出たりはしませんけど」

 俺「…、ずるい…」

 墨「…」

猫は交尾排卵といって交尾しないと排卵しないので生理出血はありません。でも生理周期はあって発情期というのが20日間隔くらいで訪れます。


墨は猫の習性を強く残している設定になっているのですが、さすがに幼女が発情しているのを書くと違うジャンルの小説になってしまうので、使い魔になった時に獲得した知性によって発情が抑制されているという設定にしています。


勝手ながらGWは更新をお休みさせて頂きます。次回更新は5月8日になる予定です。

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