■捨てる神あれば拾う神あり? 理解者あらわる!?
1865年、ウィーンの有名な皮膚学者フェルディナント・リッター・フォン・ヘブラー率いる医師の小集団が、センメルヴェイスの意見を聞きたいと精神療養所にあらわれました。
しかし、それは彼をおびき寄せるためのワナ。センメルヴェイスは異変に気づき逃げ出そうとしましたが、フォン・ヘブラーの部下たちのリンチに会い、その傷がもとで療養所の地下牢で亡くなってしまいました。
■既成概念に対しての「センメルヴェイス反射」
強固な既成概念をくつがえすことは、歴史的に見ても困難なことが多いようです。しかし、センメルヴェイスの功績は、「院内感染予防の父」として、今なお語り継がれています。科学界では、既成概念をくつがえす発見に対して反射的に拒絶反応を示すことを、「センメルヴェイス反射」と呼んでいるそうです。