表示順位とは異なり、サイト運営事業者は、口コミの評価(点数)は契約金額によって変動しないとしている。一方で、加盟店からは「口コミも味も変わっていないのに、有料会員になると点数が上がった」「有料会員をやめると点数が大きく下がり、再度会員になると戻った」という声もあり、意見が食い違う。
公正取引委員会は、合理的な理由なく意図的に表示順位や点数の算出ルールを定め、特定の飲食店の表示順位や点数を下げて著しく不利な状態にすることは「差別的取り扱い」に当たるとしている。
同委員会は順位や点数の算出に重要な要素について、飲食店や消費者にできる限り開示するのが望ましいとしているが、サイト運営事業者は「点数の不正操作を防ぐため、算出方法を全て公開するのは難しい」としている。
サイト運営事業者から委託を受けて加盟店に営業をかける営業代理店からは、「目標達成できない場合は、支払う手数料を下げるといわれる」「サイト運営事業者には従わざるを得ない」などの意見も出た。
公正取引員会は、サイト運営事業者が営業代理店より優位な立場にある場合、営業代理店に対し、十分な協議なしに達成が難しいノルマを一方的に設定し、達成できなかった場合に手数料を減らすといった行為は、優越的地位の濫用に当たる恐れがあるとの考え方を示した。
同委員会は調査を通して「優越的地位にあるといえるグルメ情報サイトが存在する可能性は高い」と結論づけた。今後は、独占禁止法上問題のある具体的な案件を見つけた場合は、これまで通り厳正に対処するとしている。
グルメ情報サイトについては、飲食店と消費者をつなぐプラットフォームとして今後も役割が拡大すると考えられる。一般的な検索サイトがグルメ情報を口コミとともに掲載するケースも増えており、競争が激化する可能性もあるとして、公正取引委員会は、競争環境の変化に引き続き注意する構え。
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