化学調味料が偏頭痛・緑内障を引き起こす!?
グルタミン酸ナトリウムの過剰摂取は、眼への悪影響も懸念される。
2002年に弘前大学医学部の研究グループが「高濃度のグルタミン酸ナトリウムが緑内障の原因になる可能性がある」と、動物実験(ラット)の報告を発表した。弘前大学医学部は緑内障の研究で知られているが、緑内障の患者に硝子体(水晶体の後ろにある眼球を満たしているゼリー状の物質)中のグルタミン酸レベルが上昇したことを発見したのが、この動物実験のきっかけであった。
半年かけて行われた動物実験の結果、研究グループは「多量にグルタミン酸ナトリウムを含む食事を食べると硝子体中のグルタミン酸濃度が高まり、網膜細胞が破壊されるかもしれない」「グルタミン酸ナトリウムの過剰摂取が、欧米の国々より日本で多くみられる正常眼圧緑内障に関連しているかもしれない」と考察している。
緑内障は「眼の成人病」といわれ、日本最大の失明原因になっている。40歳以上の約5%に発症し、潜在患者数は400万人とも推定されている。
グルタミン酸ナトリウムは、安値で手間をかけずに「うま味」をつけられる。食品メーカーにとってはたいへん便利な調味料だ。スーパーやコンビニで売られている多くの食品にもこれが添加物として使われている。日常生活から完全に排除することは難しいかもしれないが、なるべく「化学調味料無添加」のものを選ぶようにしたい。
<食品ジャーナリスト/郡司和夫>
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