挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
【今は昔】転生!かぐや姫【竹取の翁ありけり】 作者:七師

第2章「かぐや姫」

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
68/362

陸拾捌.玉の緒よ

 俺「キ、キャァァァァァァ」


 翌朝、俺は目覚めと共に絶叫していた。


 俺「ち、ち、ち」


 朝起きると、俺は血溜まりの中で寝ていたのだ。


 血はどうやら下腹部の方から出ているらしく、下腹部の奥のほうにズーンという重い痛みがある。他にも頭も痛いし全身がだるくて力を入れられない。


 (ああ、俺、死ぬんだ…)


 死ぬくらいなら、どうして昨日、雪に本当のことを言っておかなかったんだろう。そう思うと目から涙が溢れ出してきた。


 墨「姫さま?」


 墨が不思議そうな顔をして近づいてきて、頬を伝う涙をぺろぺろと舐めてくる。昨日までなら涙を流すところを見られたくなくてなんとかごまかそうとしたと思うが、今日はもうそんな気力すら起きなかった。


 俺「うっ、うっ、うぐっ」


 抑えきれない想いが溢れ出して、俺は気づかないうちにむせび泣いていた。こんな気持ちのままで雪とお別れなんて嫌だ。


 雪「竹姫さま、お目覚めですか?」

 俺「雪!?」


 と、俺が起きたことを察知したのか、雪が現れた。


 雪は俺の顔を見て一瞬驚いた顔をしたが、その後寝床の畳についた血のシミを見て、寝間着の小袖についた血を見て、何かを納得したような顔をして、嬉しそうな顔をして言った。


 雪「おめでとうございますっ!」


 俺はその雪の言葉に、頭を金槌で殴られたようなショックを受けて、我を忘れて声を上げて泣き始めた。


 (ひどい。ひどい。あんまりだ。俺は雪のことが好きだったのに、雪は俺のことを死んで欲しいと思うほど憎んでいただなんて。そんなことなら、どうして今まであんなに優しく俺に接してきたんだ。俺はこんなにショックを受けているのに、俺が死ぬのがそんなに嬉しいなんて)


 俺「うゎーん。ゆksぃえrのklだー」


 もはや自分でも何を言っているのか分からない言葉を泣き叫びながら、掛け布団に使っていた袿を雪に向かって投げつけた。しかし、それにも力が入らなくて雪の元に届く前に床に落ちてしまう。


 雪「竹姫さま、どうしたんですか?」


 雪が心配そうな顔をして駆け寄ってきたが、これも全部嘘なんだ。演技なんだ。もう騙されるもんか。


 手元にもう投げるものがないと分かると、俺は雪の顔を見たくなくてうつ伏せに突っ伏して顔を伏せた。


 雪「竹姫さま、お辛いのですね。腰のほうのマッサージをして差し上げましょうか?」


 雪はそう言って背中から腰にかけて少し強めにさすってくれた。その手は温かくて優しくて少しだけ痛みが楽になった気がした。


 雪「初めての生理は何もかもが初めての経験ですから大変ですよね。私のときもお母さまには本当にご迷惑をおかけしましたから」


 (へ? 生理?)

TSの定番ネタです。引っ張りに引っ張ってようやく消化しました。平安豆知識はもう少し後の話になります。

  • ブックマークに追加
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。
この小説は、一定の条件の下、改変、再配布自由です。詳しくはこちらをお読みください。

作者のサイトをチェック

― 感想を書く ―

1項目の入力から送信できます。
感想を書く際の禁止事項をご確認ください。

※誤字脱字の報告は誤字報告機能をご利用ください。
誤字報告機能は、本文、または後書き下にございます。
詳しくはマニュアルをご確認ください。

名前:


▼良い点
▼気になる点
▼一言
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。