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【今は昔】転生!かぐや姫【竹取の翁ありけり】 作者:七師

第2章「かぐや姫」

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陸拾漆.多分同じくらい苦しい

 俺『まあ、クイズみたいなものかな。で、その時天照はなんて言ってたんだ?』


 俺は月☆読から有意義なアドバイスを受けることは早々に放棄したものの、意味深な天照の発言の方には興味を持った。


 月☆読(今あなたが言ったのと同じ事ですよ。どういう意味か聞いてみたのですが、それ以上は笑って取り合ってくれませんでした。そういう不思議な言動も、お姉さまの魅力なのですよ。最近、こういうのをなんて言うか覚えたんです。「天然」ですよ。天然萌えですよ!)


 俺は思った。絶対、この知識は天照が植えつけたのだ。間違いない。


 とにかく分かったことは、月☆読はバカだということと、これ以上月☆読と話しても何も得るものはないということだ。


 俺『わかった。ありがとう、月☆読。もう天照のところに帰っていいよ』

 月☆読(おっ、もう悩みは解決しましたか?)

 俺『まあ、一応…』


 全く解決していない。


 月☆読(それじゃあ、これで私は帰ります。お姉さまが待っていますから)

 俺『はいはい』

 月☆読(あ、ちょっと待ってください。預かり物があるんでした)


 そう言うと、月☆読は巾着袋のようなものを渡してきた。


 月☆読(では、これで)


 月☆読はそう言いながら空中に浮かんで、来た時の逆回し再生のように流れ星が空に吸い込まれるようにして去っていった。


 (はあ。どうしようもないバカだな)


 俺はため息を1つついて宙に浮くと、月のない夜空に舞い上がった。夜風が肌に気持ちいい。


 (まあ、でも、多少は気が晴れたかもな)


 やっぱり明日はちゃんと雪と向い合ってみよう。もしかしたらそれで雪との関係も終わっちゃうかもしれないけど、そうなったらとても悲しいけど、でもこのままの状態が続くのは多分同じくらい苦しい。それに、きっと雪はわかってくれるはず。…、と思う。


 星明りに照らされる平安京を見ながら、そう、俺は心に決意した。


 (あと、帰ったら墨の猫耳を拝借しよう)


 べ、別に泣いてるわけじゃないんだからね。夏で暑いから汗が出てるだけなんだから。

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