オーナー紹介インタビュー【和楽庵】
2019年6月28日

今回は京町家ゲストハウスの老舗、和楽庵のルバキュエール裕紀さんです!

ーそれでは改めていろいろ伺って参りたいと思います。
まずはホステルを立ち上げたいと思ったきっかけからお伺いできますか?

「私が開業した13年前は、京都にゲストハウスやホステルがまだ少なくて、なんでこんなにないんだろう?と思ったのがきっかけです。後は、自分が旅好きだからですね。」

 

ー和楽庵がオープンして13年ということですが、オープン当初はこの仕事をずっと続けたいといったような気持ちはあったんですか?

「はい。もしうまくいかなかったとしても、バイト掛け持ちしてでも『これはやろう。』と思ってましたね。ただうちも賃貸なので、いつか出て行かなくてはならない場合もなくはないのですが、それでも、小ぢんまりどっかでやって行きたいですね。建物や場所が変わったとしてもこの仕事をずーっとやっていきたいです。」

ー京都で開業した、というのはやはり思い入れがあったからでしょうか。

「そうですねー、学生時代を過ごした京都がやっぱり好きで。。。あとは、やるなら町家でやりたいなあ、とも思っていたので、京都でした。それから町家以外にも譲れないことが3つあって(コンサルっぽい!)。①京都駅から乗換なし30分以内、②バス停・最寄駅からのアクセスがよい、③有名な観光地が近い。あと、目指しているのは『おばあちゃんち』ですね。小さい宿ながらの暖かい感じは大事にしています。」

 

ー前職はコンサルタントということですが、具体的にはどんな仕事をされてたんですか?

「コンサルタントといってもいろんなものがあるんですが、私がやっていたのは“戦略系コンサルタント”です。例えば商品をどんなふうにマーケティングして売っていくかとか企業戦略どうするかみたいな、そういう感じでしたね。でも、今の仕事には何にも活かせてないですよ。笑」

 

ーそんなことないでしょう。そのお仕事は大学卒業後すぐに就かれたんですか?

「そうですね。実は法学部だったので弁護士をずっと目指していたんですけど、法律学があんまりにも面白くなくて。」

 

ー何が面白くなかったんですか?

「なんていうか、後追いだなーってすごく思っていて。つまり、すでに起こってしまった何かを、どのようにして法で解釈するかというのが弁護士の役目で。でもそこには新しく作る喜びとかがなくて、ワクワクしなかったんですよね。あとは法律自体が『細けぇなぁ…』っていう、性格に合わなかったのかなぁ、笑。それで、いっぺん就職しよっかなと思って、法律の勉強を辞めて、面白そうと思った会社でインターンで入って、そのまま就職しましたね。大学三回生の時でした。けどまぁ、元々親が自営業っていうのもあって、ワークライフバランスも良さそうだし、自分でお店をやりたいなぁと思うようになって。100%自己資金で開業するためにバリバリ働いていました。やっぱり旅も好きだったのでその後起業しました。」

ーなるほど。では、和楽庵といえば多くのスタッフが独立していることがとても印象的なのですが、そんな独立したスタッフの方達と今でもプライベートで遊んだり、ものすごく良い関係を築かれているというのが素晴らしいと思うんですが、人を雇う上で意識したり気をつけたりすることなどはありますか?

「はたから見たらどんどん育って、今でも良い関係築いてって見えるのかもしれませんが、あれだけ独立できたっていうのはあの時代だったからっていうのもありますよね。最近はもう全然いないです。今は無理でしょうねー。それから良い関係でいられるのは、そもそも一番最初の出発地点がやっぱり友達なんですよね。働いてる時に友達になってるんです。その友達が開業するんだったら手伝うし、その後も仲良くするのは元々友達だからというだけであって、シンプルな話です。最近では年の差が厳しいのはあるんですが(笑)、“上と下”ではなく、“横”にいようかなとは思ってますね。」

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ー横、ですか。しかし、教育や指導をしていると、どうしても上下関係になってしまうタイミングがあると思うんですが。

「それって“上下”ではないと思うんですよね。間違ってたら『違うよ、こうした方がいいよ』とか、『こんなんしたらお客さん喜んでくれたよ』とか、上から命令するわけじゃなくて、横の立場で指摘するだけで。逆に『スケベな話、奥まで聞こえてますよ!』って指摘されたりもしますし。笑。」

 

ーアカンですやん。笑。採用の際はどうですか?スタッフは日本人だけ?

「うちは年齢制限も国籍制限も全くないんですよね。履歴書もなくて、面接をしていいなと思えば決めちゃいます。」

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ーそうなんですね、失敗はしなかったんですか?例えば何度言っても掃除が雑だったり、仕事を覚えてくれない人とか。

「ほとんどいなかったですね。けど、もしそういうことがあるとしたら、本人にも問題あるかもしれませんが基本的には私に問題があるんです。教え方とか。そういうふうに思ってます。それである程度の水準まで達したらまぁいいかと。基本的にはこっちが頑張って教えていれば、向こうも頑張ってくれますしね。それと、根本的に上下関係を意識していないので、そんな中で友達のようになっていくんでしょうね。」

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ーお休みの日はどんなことをしていますか?

「子供と遊ぶか、ひたすら漫画を読んでいます。ゲストハウス辞めたら、漫画の編集になりたい位、漫画が好きです♡あとはバイクですかね。バイクに乗って風を感じるとリフレッシュできるし、それに歩行者や路面など、注意しないといけないことが多いので、イヤなことを考えるヒマがないのが現実逃避にピッタリです。」

ーでは最後に、最近仕事中に「嬉しい!」と思ったことはなんですか?

「毎日嬉しいって思っています。お客様がオススメしたところを喜んでくれたり、海外からのリピーターさんに久しぶりにお会いしたり、お客様がお土産下さったり、お客様がステキな写真見せて下さったり。そんな日々のお客様とのやりとりの一つ一つが楽しくてしょうがありません。」

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ー最高ですねー。ゲストハウスが好きというのがひしひしと伝わってきます。
ルバキュエールさんありがとうございました!では恒例の次のインタビュアー木音さんへ一言お願いします!

「木音さんはとてもステキなご夫婦のお宿です。夫婦で同じ仕事するのって難しいって思うのですが、二人は仲良しですねー。なんでだろう、、、その秘訣を教えて欲しいです。」

 

 

以上!和楽庵のオーナー、ルバキュエールさんへのインタビューでした!

 

話の中で今後の展望などについて伺った際に、「毎日が楽しくて幸せなので、店舗を広げたりすることより今のこの幸せを続けられる様に頑張りたいです。」とおっしゃっていたルバさん。

 

ゲストハウスで働くことが本当に好きで、“楽しい”と思える人だからこそ、これだけ長い年月を続けてこれたんだろうなぁと感じました。

 

次回は西陣のゲストハウス「木音」さんです!

木音さんのインタビューはこちらから!