伍拾伍.できることできないこと
(待てよ? この人が天照の弟なら、俺が現代に帰る方法を知ってるかも知れないな)
俺『なあ、月☆読って過去や未来に行ったりすることってできるのか?』
月☆読(神様でもできることとできないことがありますよ)
俺『なるほど。できないのか』
月☆読(まあ、できるかできないかで言えばできますけど、その後、力の使い過ぎで倒れてしまいます)
俺『倒れるって?』
月☆読(短くて数年、長くて数百年は自由に身動きが取れなくなりますね)
(そりゃ大変だ)
俺『あれ? それじゃ、天照はどうやって…』
と、その時、天からガンダムのビームライフルのビームみたいなものが飛んできて、月☆読の側頭部を直撃して、そのままビームは反射して空に帰っていった。後には首が曲がってはいけない方向に曲がった月☆読の残骸が残されていた。
天照『まったく。乙女の歳をばらすなんて信じられない』
背後から声がしてはっと振り向くと、天照がぷりぷりと怒っていた。天照のこういう表情って初めて見たような気がする。やっぱり弟が相手だからだろうか。
俺『お前、実は地球でも破壊できるんじゃないか?』
天照『大丈夫。手加減するから』
俺『できるのかっ!!』
やっぱりこいつは実は太陽神とかそんなものじゃなくて、本当は魔王的な何かなんじゃないだろうか。こうやって油断させておいて地上の征服を企んでるとか…
天照『…、そんな見つめられると、ちょっと恥ずかしいかも…』
(は?)
ゾクリ…。何この変態式神を相手にしているような流れ?
天照『隙ありー』
天照は瞬間移動で俺の背後を取って、後ろから胸のあたりに手を差し込んできた。
俺『ちょ、やめ…、あ、だめ…、胸は…』
天照『へへへー。やっぱり大きいとさわり心地が違うねー』
俺『この…、ん…、変態…』
月☆読(お、お姉さまが…、2人…)
どうやら気絶していた月☆読が復活したらしい。が、こちらに向けてくる目の色がなんだかおかしい。俺の第6感が警告する。あれは危険だと。
天照『チッ』
月☆読(お姉さまぁぁぁぁあぁぁぁ)
天照『うるさい』
月☆読(あぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁ)
月☆読が飛びかかってきたところに天照のカウンターが綺麗に決まって、月☆読は空の彼方へと飛んでいってしまった。ねぇねぇ、お姉ちゃん、月☆読はどこへ行っちゃったの? うん、きっとお空のお月さまになったんだよ…。