渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ヤマハSXR700

2019年05月13日 | 公開情報



フィールドエアソフトゲームの先輩とは
昨日初めて一緒にモーターサイクルで
走った。楽しかった。

先輩が言うには「今めちゃくちゃカッコいい
と思っているのはXSR700!」なのだそう
だ。
1台いっとく?(笑)

私自身も、とても良いデザインだと思う。
そして、3発900よりも2発700のほうが
ヨーロッパでは絶賛されている。
900と700は製作者も違うし、方向性と
味付けが全く異なる。

ただ、XSR700を作った開発総責任者の
ヤマハのタツオさんは、私もよく知るが
彼自身に合わせて作りたいようにオート
バイを作ったのでは、という印象がある。
まずXSRの唯一の欠点として、シート高
がかなり高いのだ。
タツオさん自身、かなりの長身なので、
「自分に合わせて乗りたいバイクを
作ったんじゃないのお?」という感が
多少ある(笑)。

デザイン的には、RZの1型のデザインを
モデファイしつつ、映画『大脱走』での
ドイツ軍バイクとして使われた英国
トライアンフのシルエットイメージを
どのように違和感なく挿し込んで行くか
という点に傾注したという。
う~ん。そういえば、サイドカバーが
よく盗まれたRZだったが、サイドカバー
を持っていかれた後のRZのサイドビュー
にも似ている(笑)。
私のRZ350なんて一体何セットのサイド
カバーが盗まれたか分からない。タイ
ラップでロックしていてもニッパーで
切って盗んでいくのだから、困ったもの
だった。

また、XSR700は目線ができるだけ高く
なるよう
に、走行中に全体風景を俯瞰
できる
ような構想にまとめて行ったの
だそうだ。
なので「私が購入したら即カフェレーサー
に改造する」と開発総責任者本人に言っ
たら、「まずはノーマルで」と釘を刺され
てしまった(笑)。

これらの開発コンセプトや車作りへの
製作者自身の思いは、すべて本人から、
このモデル
製作にあたっての開発意図と
経緯を
私自身が直接聞いたことである。
そして、中心幹たるこのXSR700のコンセ
プトは、
日本刀が親から子へと受け継がれ
いくような、そうした不朽性の命を持つ
オートバイを作りたい、乗り捨てではない、
ずっと人と共にあるオートバイを作りたい
という
ことだったのだそうだ。
そのコンセプトの中に日本刀についての
取り組みをする私の存在があったのだ
という。
「重ね重ね言うが、最初から最後まで実に
多くのヒントをもらった」と私に彼は言う。


しかし、いくらコンセプトや造形デザ
インが良くとも、見かけ倒しになっては
駄目だ。
ヤマハXSR700がヨーロッパで絶賛され
ているのは、その走りにこそあるだろう。
どこまでも一緒に走っていける相棒。
XSR700を作ったタツオさんは、私に
そんなことを言っていた。
二人でワインをしこたま飲んでいる時、
タツオさんがそう語った瞬間、私の脳裏に
トライアンフで緑の草原を大ジャンプ
するマックイーンの姿が浮かんだ。



 

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