インフルエンザの疑いがある発熱。「市販の解熱剤」を飲まない方がいい理由
- インフルの疑いがある発熱の際には市販の解熱剤は飲まない方がよい
- インフルエンザ脳症を発症するリスクが高い
- 病院に行けない場合の対処法を薬剤師に聞いた
インフルエンザの患者が急増、警報レベルに
インフルエンザの患者が急増している。
厚生労働省は18日、1月7日~1月13日までの1週間に全国約5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザ患者が1医療機関当たり平均38.54人に上ると発表した。
大流行の発生・継続が疑われる「警報レベル」とされる30人を今季初めて上回った。
前週の18年12月31日から19年1月6日までの報告数が16.30人だったのと比べて2倍以上の増加。
全国推計で約163万人の患者が医療機関を受診したとしている。
このようにインフルエンザが猛威を振るう中、注意してほしい点がある。
高熱がある場合でも、病院で検査をしてもらわない限り、インフルエンザなのか、発熱を伴う風邪なのか、見分けることはできない。
そういう時、忙しいなどの理由で病院に行くのを後回しにし、常備している解熱剤や解熱剤を含む風邪薬を飲みたくなるものだが、もしインフルエンザに感染していた場合、命にかかわる病気を引き起こすリスクがあるのだという。
そのリスクや、どうしても病院に行けない場合の対処法について、薬剤師の宇多川久美子さんに聞いた。
インフルエンザ脳症を発症するリスクが高い
――インフルエンザの疑いがある発熱のとき、市販の解熱剤は飲んではいけない?
まず、前提として、発熱をしたときに解熱剤を飲む必要があるかどうかを考える必要があります。
熱が高いと、下げないといけないと考えてしまいますが、熱が高くなることには理由があるんです。
インフルエンザウイルスには免疫力を高めないと戦えません。
免疫力を高めるためには体温を上げる必要があり、39度まで体温を高めて、インフルエンザウイルスと戦える状態にしています。
そのため、熱が高くても、そのまま高くしておいた方が、解熱剤を飲むよりも治りが早いんです。
だから、解熱剤を飲むことはおすすめしません。
そして、基本的には、市販の解熱剤は飲まない方がよいです。
――それはなぜ?
市販の解熱剤の多くは、NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)に分類され、これは、発熱の原因がインフルエンザの場合、インフルエンザ脳症を発症するリスクが高いと言われているからです。
――やはり、インフルエンザの疑いがある発熱のときは、まずは病院に行くべき?
そうですね。
薬局ではインフルエンザかどうかの判定はできませんから。
どうしても病院に行けない場合の対処法
――では、どうしても病院に行けない場合はどうすればいい?
薬局の薬剤師に、「インフルエンザかもしれないけれど、何を飲めばいい?」と聞いてください。
そうすると、「タイレノールA」や「ラックル」などの安全性が高い「アセトアミノフェン」製剤を出してくれますので。
インフルエンザの疑いがある発熱の際には、慌てて市販の解熱剤を飲まずに、まずは病院へ。
どうしても病院に行けない場合は、市販の解熱剤でも「アセトアミノフェン」製剤のように安全性が高いものはあるが、自分の判断で買うのではなく、薬局の薬剤師に相談してから買ってほしい。