拡大する写真・図版人影もまばらな観光名所のブランデンブルク門=2020年3月16日、ベルリン、野島淳撮影

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 ドイツメルケル首相は16日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国に適用する行動制限措置を発表した。大半の商店やバーなどを閉鎖。休暇目的での国内外の旅行の自粛も求めた。メルケル氏は記者会見で「経験したことのない抜本的な対策だが、人々の接触を減らすために今、必要なものだ」と述べた。

 食料品店や銀行、薬局、ガソリンスタンド、新聞販売所、レストランなど生活に必要な店舗を除き、大半の商店が閉鎖される。レストランの営業も午後6時まで。宿泊施設は観光目的では利用できない。

 このほか、人が多く集まる劇場や映画館、博物館、バー、クラブなどが閉鎖されるほか、教会やスポーツ・教育施設などでの会合も禁止される。

拡大する写真・図版ベルリンで16日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた対策を発表するドイツのメルケル首相=AP

 実施時期は州ごとに決めるが、ベルリンの場合は18日から。再開時期は未定だ。メルケル氏は「規制を守る人が増えれば、早く終えられる」と語った。

 ドイツは16日から、国境を接するフランスなど5カ国との間で国境管理を始め、物資の移動や通勤を除き、移動の自由を制限している。国境管理には消極的だったが、感染者数の拡大ペースが上がり、方針転換した。すでに学校や保育所は大半が閉鎖されている。

拡大する写真・図版営業はしているが、客が少なく、がらんとしたショッピングモール=2020年3月16日、ベルリン、野島淳撮影

 16日時点のドイツの感染者数は6012人と、1日で約1200人増加。死者は13人となっている。(ベルリン=野島淳)

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