特集記事

小池アンリ役・烏丸せつこさんインタビュー

2020年2月22日(土)

  • twitter
  • facebook

かつてヒロインオーディションを受けた"朝ドラ"
今になって出演依頼がくるとは思ってもいませんでした

小池アンリ役・烏丸せつこさんインタビュー -『スカーレット』に出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

「今まで"朝ドラ"とは違うジャンルで生きてきましたので、まさか出演依頼がくるとは思ってもいなかったのですが、地元・滋賀が舞台のドラマだということをお聞きし、地元への思いもあって、お受けしました。

実はデビュー当時、"朝ドラ"のヒロインオーディションを2回受けたことがあるんです。熊谷真実さんがヒロインの『マー姉ちゃん』(第23作・昭和54年度前期)と、山咲千里さんがヒロインの『鮎のうた』(第24作・昭和54年度後期)です。どちらも最終選考まで残ったんですよ。

当時の所属事務所の社長が『スカーレット』を見ていたら『今頃出ている!』とびっくりしているでしょうね(笑)」


お正月どころじゃないほどに緊張しました
-収録現場の雰囲気や印象について教えてください。

「2019年末から私の登場シーンの収録が始まったのですが、お正月どころじゃなかったです(笑)。セリフも完璧にしておかないといけないですし、それはどの作品でもそうなのですが、本当に『この緊張感はいったいなに?』と思ったほどです。週ごとに演出もスタッフも変わるという"朝ドラ"の現場は、私が今まで経験してきた現場とは勝手が違うので、正直なところアウェー感もありました。迷惑をかけてはいけないと思いつつ、頭が真っ白になってご迷惑をおかけしたこともありました。でもスタッフのみなさんが関西の方で、関西弁が飛び交う現場は居心地がよかったですね」


素の私とは全然違うのでどうしたものかと思いました
小池アンリ役・烏丸せつこさんインタビュー -小池アンリという役をどのように捉えて演じられましたか?

「出演をお受けした段階では、どのような役どころか正式には決まっていなかったんです。信楽の土臭いおばさんの役なのかと思ったら、意外にもセレブな元女優ということで(笑)。素の私とは全然違うので、どうしたものかと思いましたが、喜美子(戸田恵梨香)の前に全然違う世界の人が現れるわけですから、喜美子に刺激を与える役割なのかなと思いました。喜美子から見るとずいぶん年上ですが、貫禄はあまりなかったように思います(笑)。
小池アンリちゃんって名前はかわいいですよね(笑)」


彼女は戦う女。そして最後まで戦い抜くでしょう
小池アンリ役・烏丸せつこさんインタビュー -川原喜美子役戸田恵梨香さんの印象を教えてください。

「彼女は戦う女です。いろんな俳優さんと共演してきましたけど、ちょっといないですよ。私が少し相談したら『そうですね、(スタッフにも)言ってみましょう』と、自分のためではなく作品のために、そして私のような途中から入ってきた人たちのことも考えて動いてくれるんですよ。あの過酷なスケジュールの中で、実際ギリギリだと思うんです。でも彼女はそれを周りに見せないし、きっと最後まで戦い抜くでしょう。努力するし芝居もうまいしね。実は前から好きな俳優さんだったんですよ。演技が自然なところがいいなと思って。実際一緒に仕事をしてみて、彼女の根性に感動しました。今回の出演で得たものと言えば、そこです。これからちょっとした困難に遭っても、彼女の戦う姿を思い出したら、乗り越えられると思いました。もちろん、本人には伝えていませんよ。だから、このコメントを通して伝えてもらえたらと思います(笑)」


大島優子ちゃんも林遣都くんもええ味出してはります
小池アンリ役・烏丸せつこさんインタビュー -ほかの共演者のみなさんの印象はいかがですか?

「大島優子ちゃんは彼女が出演した映画を見た時からいいなあと思っていたのですが、もんぺみたいなズボンをはいて、すごいおばちゃん感を出してはるのがええなあと思いました。15歳のころから演じているのに、あのおばちゃんぶりはすごい(笑)。林遣都くんは同郷で、映画『バッテリー』の頃はきれいな男の子やなと思って見ていましたが、今やコメディもできるようになられて、ええ味出してはりますよね。

共演はしていませんが、個人的には荒木荘時代が特に好きでおもしろいなーと思って見ていたのですが、大久保さん役の三林(京子)さんが大好きです。
それから、フカ先生役のイッセー尾形さんも大好き。即興のように見えてすべて計算しているあの独特の芝居が好きです」


あんな芝居をしたのは初めてですし、なかなか出合わないと思います
小池アンリ役・烏丸せつこさんインタビュー -特に印象に残ったシーンを教えてください。

「『こうすると音が聞こえてくるんです』って言うてね。喜美子の作品を指でなぞるんですよ。『おかしなことゆうオバはんやと思てる?』というアンリ自身のセリフがありましたけど、そりゃあんなことを突然しだしたら、変なオバはんやと思いますよね(笑)。演じる側としては、笑わそうとしているのか、どうしたら正解なのか分からなくて。『ちょっとええこと言うたったわ』ぐらいのオチがあればやりやすかったのですが、それがなかったので、関西人としては少し恥ずかしかったです(笑)。こんな芝居は今までにしたことがなかったですし、なかなか出合わないと思うので、ある意味見どころではあったと思います。視聴者の皆さんはこのシーンを含め、小池アンリという登場人物をどんな風に見てくださったんでしょうか。ちょっと怖くもあるので、SNSは見ないようにします(笑)」


【スカーレット(緋色/ひいろ)にちなんで、好きな色を教えてください】
「緋色です。緋色のセーターをわざわざ買って現場に着て行ったのですが、誰もツッコんでくれないんですよ。ツッコミ待ちやったのに(笑)」