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石川トキ飛び交う能登半島に 穴水で捕獲50年 節目
能里の会 絵はがき展を計画穴水町で本州最後のトキ「能里(のり)」が捕獲されてから五十年を迎えた。半世紀前の出来事を知る人が減る中、市民団体「いしかわトキ能里の会」(金沢市)は四月以降、同町内で、能里などのトキを写した写真をデザインした絵はがきの展示会を検討している。町内の公共施設に加え、小中学校での開催も視野に入れる。岡本孝二代表(75)=同市利屋町=は「現在の小中学生が大人になった時に多くのトキが能登半島を飛んでほしい」と願う。(田井勇輝) 特別天然記念物のトキを保護しようと、文化庁や県教委などは一九六七年度から捕獲に乗り出した。本州唯一だった能里は七〇年一月八日、穴水町乙ケ崎の田んぼでえさを食べている際に捕獲された。繁殖のため、新潟県の佐渡トキ保護センターに移したが、翌年死んだ。 能里の会は二〇〇九年、トキの野生復帰を願い、元美術教諭の岡本代表が同僚ら知人に声を掛けて設立。現在は県内の二十五人が所属する。能里の捕獲から四十年に当たる一〇年に、能里をPRする特製のぼり旗をのと鉄道穴水駅(同町)に展示。捕獲から四十五年の一五年にはのぼり旗と、能里や別のトキを六一~七一年に写した写真を使った絵はがきを町内の公共施設で飾った。 会の活動暦が長くなる一方、能里を知る町民が減っているのが課題。特に若年層の認知度に不安があるという。「五十年の節目だからこそ、地域にゆかりのトキを学ぶ機会をつくりたい」(岡本代表)と、のぼり旗や十五枚ほどの絵はがき、能里を紹介する紙芝居を、町内の公共施設に加え、初めて小中学校での展示も検討する。さらに、小中学校にはトキの生態や特徴をまとめた児童書や絵本の寄贈も計画している。 岡本代表は今後、町の教育関係者と協議するとし「トキへの関心を高めるだけでなく、自然保護の問題にも目を向けるきっかけになれば」と語る。会は金沢市内でもトキに関する企画を検討している。
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