「上野東京ライン」に隠された数千億円規模の計画
実は大きな都市開発プロジェクトの一部
2014年6月、JR東日本は田町~品川間に新駅を設置し、その周辺の街づくりを進めると発表しました。
しかしこの新駅が設置され街づくりが行われる予定の場所には現在、車両基地があります。そのためこの車両基地をどかす、つまりそこに停まっている車両をどうにかしないと、土地が捻出できません。
そこで登場するのが「上野東京ライン」です。これまでその品川の車両基地に停めておいた車両を、「上野東京ライン」を使って宇都宮(東北)線沿線にある東京都北区の尾久車両センター、さいたま市の東大宮操車場へ移動。これによって品川の車両基地が空くため、そのスペースを新駅と都市開発にあてることができるようになります。
つまり田町~品川間の新駅と街づくりは、品川の車両基地を使っている車両を「上野東京ライン」で別の場所へ移動させることが前提になっているのです。逆に言えば「上野東京ライン」が開業しないと、新駅と街づくりができないことになります。そのため「上野東京ライン」には利便性の向上など以外に、品川の土地を捻出するという大きな目的があると考えられるのです。
報道によれば、「上野東京ライン」の建設費は400億円と伝えられています。巨額ですが、これによって品川の車両基地が空き、そこにおよそ13ha(130,000㎡、約39,355坪)もの土地が生まれる見込みです。
そう考えると、決して高い投資ではないのでしょう。2014年の地価公示において品川の車両基地付近、港区高輪2丁目は191万円/㎡。13haでは単純計算で2,483億円の価値になります。「上野東京ライン」、実は規模の非常に大きなプロジェクトなのです。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。
記事中に、宇都宮(東北)とありますが、宇都宮は関東です。
>記事中に、宇都宮(東北)とありますが、宇都宮は関東です。
「宇都宮線(東北本線)」を略して、「宇都宮(東北)線」としているのです。
「宇都宮線」は、東北本線の路線案内においての名称です。
東海道線は東京からの下りが始発だから乗車時間の長い湘南住民には助かっていたのですが、直通運転によりそれが叶わなくなり慢性的な混雑に不満が広がってます。そもそも東海道線乗客には東京以北に行きたい人はあまりいないのです。全くメリットがなく迷惑でしかありませんね…犠牲にされましたね。
東京以北の人もほとんどが東京近郊で降りる人で神奈川方面に行く人は少ないでしょう
ましてや湘南に平日に何しに行くのでしょう
東京以北の人や常磐線方面の人も座れない人続出みたいですが神奈川もベッドタウンなんですから犠牲がなんて言えた立場ではないでしょう
上野東京ラインが誕生してから4年半が経過しますが、やはり山手線や京浜東北線の混雑暖和には最適ですね。常磐線に乗る時も品川駅から乗れますから利便性が向上します。
上野東京ラインには本当に感謝です。
上野東京ラインはJR東日本にとってメリットいっぱい。品川の車両基地がいらなくなるからね。