挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
【今は昔】転生!かぐや姫【竹取の翁ありけり】 作者:七師

第1章「天照」

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
28/362

廿捌.奴は四天王の中でも最弱…

 天照『そういえば、魔法』

 俺『え?』

 天照『どうだった?』

 俺『ああ、感想か』


 そういえば、前に天照から魔法の本を渡された時、後で感想を聞かせろって言っていた。しかし、感想といっても何を言えばいいのか。


 俺『…、めんどくさい…』

 天照『へ?』

 俺『本は丁寧で分かりやすくていいんだけど、魔法を発動する手順がめちゃくちゃめんどくさいんだけど、あれはなんで?』

 天照『だって、そんな簡単に魔法が使えたら大変なことになるじゃん』


 (いや、それは正論だけど)


 俺『もっと、こう、例えば指を1本前に伸ばして「どどん」と言ったら光線が出るとか、そういうのないの?』

 天照『あたしはできるよ』

 俺『なんだ、できるのかよ!』


 (できるならなんで始めから書いておかないんだよ)


 天照『日本で一番偉い神様だからね! その気になったらなんだってできるのサ!』

 俺『…、ん? ちょっと待て、それってつまり、俺にはできないってこと?』

 天照『神様になったらできるけど…。そうだ! あたしと契約して神様になってよ』


 なんか、天照がいいこと言ったみたいな顔をして俺を見てくる。そんな純真無垢なつぶらな瞳で見つめられたらうっかりうなずいてしまいそうじゃないか。なんだこの耳毛の長い小動物みたいなセリフは。


 俺『神様になったら人間じゃなくなるだろ。俺は人間のまま21世紀に戻りたいんだ』

 天照『そうか。まあ、あたしの立場で強制はできないから仕方ないね』


 (こいつ、どこまで本気なんだ…?)


 俺『そういえば、お前は』

 天照『天照ちゃん!』

 俺『…、天照ちゃんは、どうやってこの部屋に入ったんだ? ここは防犯機能付きの結界が張ってあって、侵入者を自動的に撃退するようになってるんだけど』

 天照『日本一の神様にそんなのが効くわけないじゃん』

 俺『…お前って実は最強で無敵なのか? 八岐大蛇相手に無双とかしたりするのか?』

 天照『最強の一角であることは間違いないね! 大国主おおくにぬしがやられたようだな。ククク、奴は四天王の中でも最弱、みたいな?』

 俺『その例え、分かりにくいよ!!』


 (天照と大国主が四天王なら残りの2柱は誰なんだ?)


 いつの間にか、天照と少しだけ会話が成立するようになってきている。人間の慣れというのは素晴らしい。こんな支離滅裂の残念腐女子(未確認)相手でも、慣れると会話できるんだ。


 天照と上手く話すこつは、相手が年上だとか神様だとかだと思わないで、むしろ自分より年下の、例えば、妹みたいな感じで接するといいらしい。妹とかいないからよく分からないけど、イメージで。天照が突飛なことを言い出しても、まともに受け取らないで、「また天照ちゃんが馬鹿なことを言ってるwww」みたいな感じで流すといいみたいだ。


 (妹は天照大御神、とかどんだけwww)


 天照『まあ、最強でも無敵とは限らないんだけどね…』


 (あれ? 何か、空気重くない?)

大国主とは、天照の弟のスサノオの息子(あるいは6世の孫)で、未開の地だった日本の土地に国を作ったとされている神であり、今は出雲大社に祀られています。ちなみに妻はスサノオの娘のスセリビメだそうですが、近親相姦じゃね?


大国主は国を作ったのですが、その後、天照の支配する高天原の神々と戦った後、天照の子孫であるニニギに国を譲って隠居しました。そのニニギの直系の子孫が天皇ということになっています。

  • ブックマークに追加
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。
この小説は、一定の条件の下、改変、再配布自由です。詳しくはこちらをお読みください。

作者のサイトをチェック

― 感想を書く ―

1項目の入力から送信できます。
感想を書く際の禁止事項をご確認ください。

※誤字脱字の報告は誤字報告機能をご利用ください。
誤字報告機能は、本文、または後書き下にございます。
詳しくはマニュアルをご確認ください。

名前:


▼良い点
▼気になる点
▼一言
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。