全席グリーン以上、新「踊り子」はここがスゴい

青く輝く「サフィール」2020年春デビュー

車内に足を踏み入れれば、まったく新しいデザインであることに納得がいく。大きな窓だけでなく、その上部にある天窓からも明るい太陽光が注ぎ込む。1号車のプレミアムグリーンの座席は、新幹線のグランクラスのようなバックシェルシート。しかも思いっきり窓方向に向きを変えることもできる。

2~3号車はグリーン個室。4人用と6人用の部屋がある。落ち着きを感じさせる木目調のデザインが特徴だが、JR九州の観光列車でおなじみのゴージャスな装飾はどこにもない。一足先にデビューしたJR東日本の観光列車「海里」もすっきりとした内装を特徴としていたので、これがJR東日本の傾向のようだ。

なお、車両のトータルデザインを監修したのは奥山清行氏。フェラーリのデザインで世界的に名高く、JR東日本のクルーズトレイン「トランスイート四季島」も手がけている。

今回は公開されなかったが、5~8号車は通常のグリーン車となっており、従来の特急車両よりも広いシートピッチが特徴という。

あえて軽食「ヌードルバー」の狙い

そして、4号車は「こだわりの麺を目の前で調理する」というヌードルバー。車両形式には食堂車を示す「シ」が付けられているが、あえて麺という軽食にした理由は、「地元の食事をぜひ現地で味わってほしい」(菊地所長)から。その意味で、サフィール踊り子はJR東日本の観光列車のコンセプトである「乗って楽しい列車」というよりも、観光地へのアクセス特急という位置づけのようだ。

特急踊り子についても、これまでの185系に代わって、中央線や内房線、外房線などで使用していたE257系をリニューアルして、2020年春ごろから投入する予定だ。デザインのコンセプトは普通車が「スタンダードでありながら奥行き感のある現代的な空間」、グリーン車が「リッチで高品質感のある現代的な空間」とされており、こちらも快適性にこだわっていることがうかがえる。

ザ・ロイヤル・エクスプレスは2020年8月に北海道に遠征してクルーズを行うことが決まっている。いっぽうで、JR東日本は伊豆クレイル、リニューアルのE257系、そしてオールグリーン車という新たな列車で伊豆エリアに大攻勢をかける。JR東日本のコーポレートカラーでもあるグリーンが今後の伊豆を大きく盛り上げることになりそうだ。

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