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よくあるご質問 ① ゴーストライター説

幸福の科学脱会者や、またこの教団の問題に真摯な関心のある方とお話する機会には色々なご質問をお受けします。その都度、私が知る限りでお答えをさせて頂いていますが、よくある質問については、今後は適宜こちらにも記録しておくことにしました。今回はその第1回です。


Q:大川隆法には「ゴーストライター」が居たのではないですか?

A:少なくとも最初期から90年代半ばまでは、そのような事実はありません。


お答えするにあたっては、まず私の教団職員としての略歴などお話しなくてはなりません。

私は、91年8月に事務局秘書部警護課の職員として採用され、主宰の大川とその家族周りの世話に従事し、フライデー事件が勃発した最初の2週間は、大川の2人の実子(宏洋・咲也加)と4人の女性秘書(家事手伝)役を、秋田の恭子の実家に疎開させたりしていました。

そして91年10月下旬から会員サービス部に転属して都内の3支部をたらいまわしにされた後、92年3月に秘書部に再招集されて顧問付として徳島に派遣され、93年2月に名誉顧問秘書役交代に乗じて還俗し、そのまま脱会しました。

私が明確にアンチ転換したのは警護課に入って1ヶ月目、フライデー事件が理由です。

在家当時より、伝道や書籍、イベント動員の非常識なノルマや、またそうした事から、それまで会を支えてきた古参の会員さんが次々と離れて行き、成人して間もない自分のような者が、地区長や青年部長など拝命して運営を任されるような状況の異常さも含めて、組織に対する強い疑念がありました。総務局から職員採用の打診があった際に、転職してでもそれを受けようと考えたのは、職員になって、有志と合流して組織の健全化に寄与したいという思いがあったからです。

しかし、フライデー事件をきっかけに得心しました。「大本がおかしいのだから、健全化など達成される訳がない。今まで聖域だと思っていた所こそが実は魔界だった。自分は選択を誤った」と。

会員サービス部は、先に示した資料に見られる通り、大伝道の失敗とフライデー事件のダメージによって生じた教団の資金ショートの危機を回避するためのリストラ部門です。営業成績の悪い者から肩たたきが進められました。

しかし、とりあえず波風立てずにさっさと辞めたいと思っていた私にとっては渡りに船の展開だったので、大川本の販売促進など進んで行うことなく、時には運営をめぐって支部長や主任と対立するなどしながら、自分に声がかかることを待つ日々でした。

しかし、統括支部長が私を対象者リストに載せても、人手不足から秘書部に呼び戻したい本部の圧力が働いて、結果的に他の支部に放逐されるばかりとなっていました。

リストラされにくく、これでは辞表を出しても色々と面倒が予想されるなと思案していたところ、秘書部と理事の小澤利夫氏から本部で面談したいと連絡が入りました。内容は秘書部への再招集と徳島赴任の件です。

92年3月17日の午後、面談の際に小澤氏はこう話されました。

「もう分かっていると思うけど、主宰、補佐、顧問の家族関係は犬猿の仲、秘書長と補佐などは嫁姑のようなものだ。」

「前に顧問が出てきた時も、「宏洋は風邪だからって言って!!」って寄せ付けなかった。」

「顧問が沖縄に講演に行くのにも文句言って、私に「そろそろ隠居しろ」って言いに行かせた。」

「普段から許す愛だなんて言っておいて、正直ムカッとしたけど、肉体を持てば所詮そんなもの。」

「こんな体質は変わらない。10年くらいはかかる。たぶん(顧問が)死ぬまで続く。」

「今いる秘書役が婚約して、急に交代させたいと言ってきた。」

「君には本当は、僕のところで色々仕事して欲しかったんだけど、このことで他に頼める人がいない。済まないが行ってほしい。」

秘書部長からも同様の話があり、加えて顧問秘書役ではあるが、基本的には本部からの目付役であることを意識していて欲しいと念押しされました。要は、秘書役の交代を機に、顧問の影響力を嫌う大川のために顧問の動向を監視報告させて、その行動を抑制させる狙いで私を送り込もうというわけです。

私は二つ返事でお受けしました。還俗を願っているのに、こんな仕事を受諾するのは正気の沙汰ではないし矛盾していると思われますが、ひょっとしたら本部や地元からいったん離れた方が色々と活路を見出しやすいのではないかという予感と、徳島行きは教団のルーツに関わる関係者の全てに接触できて、自分の中に燻る疑問の回答を得られる千載一遇のチャンスだという動機から迷わず決断しました。

そして、よりによって私のような者を抜擢してしまうなんて、とんだ大霊能者も居たものだと、改めて呆れたものでした。

前置きが長くなりましたが、内偵する気満々で徳島に向かう私には、初めからいくつかテーマがあって、その一つに「ゴーストライターの存在の有無の確認」がありました。そして、その目標は簡単に達成できました。

八万町千鳥教会(内部配置)
元善川邸(現在は幸福の科学八万町千鳥協会)

当時、善川三朗顧問(中川忠義)が居住していた徳島市八万町千鳥の住居の一角には増築した書庫があって、大川隆法に関係する様々な資料が保管されていました。霊言にかかわるものは数箱のクリアケースに整理されて、定期的にその中の除湿剤を取り換えるのが仕事のひとつでした。

最初の内は、要領もあって善川と共に作業を行っていましたが、書庫は狭く、夏暑く冬寒い環境で、老齢の善川には重労働であったことなどから、途中からは私一人で任されたので、おかげさまで十分に見聞させて頂くことができました。

その結果、最初期からそれまでに出版されてきていた書籍類の、大川筆跡の原稿や、大川の声による音声テープの存在を確認しました。書籍と突合する文書や音源があって、逆に突合しない証拠がない以上、少なくともこの頃まではゴーストライターは存在していないというのが事実と言えると思います。

90年代の初めには、一部の週刊誌でもゴーストライターの存在を疑われ、実際にその疑いをかけられた方もいらっしゃいました。そうした方のお一人と接触し、お話を伺ったこともありますが、ご本人は大変に迷惑していて酷く憤慨していらしたのを憶えています。

証拠がない以上、ゴーストライターの存在は否定するのみですが、だからといって、別に大川隆法を擁護するつもりなど毛頭ありません。

ゴーストライターの存在が疑われる要素には、書籍化されるスピードという観点や、その内容に対する評価などがあると思います。

短期間の書籍化については、幸福の科学立宗以前から本格的活動を始めるまでの準備期間にストックもあり、もともと大川の著作は殆どが音声収録によるものですから、原稿起こしを行う者の苦労はあるものの、本の虫の大川が、読後のアウトプットに得意の独り言をダラダラと重ねただけのものが書籍化されていっただけです。

己を救世主と妄想したことから生じたバイタリティーは認め、その狂気は驚きに値するものと思いますが、当時の出版スピードに対する評価は、多分に外形の印象に影響されたものと思います。実際、大川の精神的なコンディションによって出版スピードは如実に変化していますし、脂の切れた今日では、すっかりやっつけ仕事になっていますよね。

そして、内容に対する評価という観点ですが、これは書籍の内容の良し悪しによって、とても同一人物によるものと考えられないという考えから、ゴーストライターの存在を疑う傾向です。

私は、こうした考え方が生じること自体は人情として理解できるのですが、この考え方の根拠になっている部分について、それは前提として適切ではないように感じています。

事実関係に決定的な誤りがあるものや破廉恥で非道徳的な内容の書籍、また薄気味悪い詩集などが、一方で信者全般的に評価の高い書籍類と対比されて、善川三朗や富山誠(中川力)、またそれ以外の手によるものと疑われます。

でも、これは私個人の考え方ですが、そもそも対比される側の大川の著作らが、本当にそれほど素晴らしいのでしょうか??

大川の著作としては、確かにマシな部類に入るのだろうとは思いますが、果たしてそれほどのものなのかと、個人的には疑問に思っています。それぞれの文体も、甘ったるくしつこい繰り返しが散見されて、関係者個々と直接対面してきた実感を根拠にした時、結局どれも大川のパーソナリティ以外の何ものではないと感じています。

例えば、中川隆詩集で、グロくキモいものがクローズアップされる中にも、教団の基本書とされ信者の中でも評価の高い「太陽の法」に収められたものもあったりします。私は特に感嘆するほど良いとは思いませんが、本人にとっては自信作だったのが分かります。

中川隆詩集の醜い面が、他の良書とされるものと比較して別人の可能性を疑うよりも、むしろ私はこの詩集に見られるような両極性、二面性こそが大川隆法の気質なのではないかと思っています。

大学生になって劣等感に苛まれ、社会人になってからも環境に適応できず、自己イメージと現実のギャップに引き裂かれそうになりながら、内なる聖と淫の狭間で葛藤を続ける中で、時に内から漲ってくる創造的な感覚があったからこそ、それが本人の万能感を増長させ、人間をやめて神になろうとさせたのではないでしょうか。

しかし、神になったところで、脆弱な自意識が躁的になっているに過ぎず、大川隆法になったところで、中身は相変わらず中川隆でしかありません。

そんな自分を支えるためには、自分を映す道具として多くの承認者を必要とし、根拠が不明瞭でも、その必死で訳の分からない自信たっぷりな姿に、メランコリー的な人が引き寄せられたのがこのセクトの構図ではないかというのが、調査研究を通じた現時点での私の幸福の科学と大川隆法への評価です。

客観的な事実に先立って、いかなる推理を巡らせても、それは無意味だと思います。

ゴーストライター等の問題については、対象の「良い面」と「悪い面」を分裂させて認知しようとする趣も若干感じられるところがあって、ひとつの過程としてなら分かるのですが、そうしたことが習慣化、固定化するのはあまり健全とは思えません。私の要らぬ杞憂で済めば良いですが、一応ご注意は申し上げておきたいと思います。
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アルゴラブ

Author:アルゴラブ
セクトの犠牲者である家族と個人を支えるネットワーク
「RSFI MAIKA」代表

日本脱カルト協会
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「幸福の科学」の問題を中心に、セクトについて考えていきます。

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