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「もうカタギさんには迷惑かけません」

ウイルス除去や無料マスク…相次ぐ“コロナ詐欺”の悪質手口

 最後は大阪府警関係者にこう「反省の弁」を述べたという。

 大阪府内の居酒屋で懲役刑を終えた祝い、いわゆる「放免祝い」をしたとして、府公安委員会は4日、6代目山口組傘下組織の40代幹部と70代の女性居酒屋経営者を府暴力団排除条例違反に基づき、指導した。

 幹部は大阪で抗争相手の組事務所にトラックで特攻をかけ、服役。昨年、出所にあたり、幹部の妻から経営者に「旦那が出てくんねんけど、40人くらい何とかならへん。店貸し切りにするから」と連絡があった。経営者は「家族だけならええんやけど、近所の目もあるし、それにウチは40人も入られへんから」と断った。それでも極妻は引き下がらず「それやったら1回20人ずつ、2日に分けてお願いでけへんかな。迷惑かけへんから」と再度、頼み込んだ。極妻家族は常連客だったため、経営者も断り切れなかった。

 昨年7月、2日にわたって開催され、1人3500円飲み放題で、計14万円が店側に支払われた。

「貸し切りになっとることを知らん常連客が、いつものようにドアを開けた瞬間、その筋らしき連中で店内が埋まっとったもんやから、<こんな人たちを入れとるんかいな>とえらい驚いて、それっきり店に来んようになってしまったんや。おかみさんも<大切なお客さんを失ってしもうた>いうて肩を落としとったわ」(知人)

 昨年8月、警察に情報が寄せられ、発覚した。

「幹部は祝いの席で刑務所生活や功績を報告すれば、極道としての株も上がると考えたようや。本人にしたら、渡世の義理を通し、組のためにカチコミをかけ、“おつとめ”を果たした。胸を張って出所しようと思うとったそうや。宴席で<おめでとう><ごくろうさん>とねぎらわれ、<懲役は無駄やなかった><株が上がったのを実感できた>と、すっかり“その気”になっとった」(捜査事情通)

 本人が満足するのは勝手だが、断るにも断り切れず、大事な常連客を失った女性経営者はちょっと気の毒だ。