研究が進み、新型コロナウイルスは空気感染することが分かってきた

 3月9日、「やはり」と言わざるを得ない内容の論文が米医学雑誌に掲載された。

 内容を端的に述べると、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の空気感染はありうる」というものである。

 研究論文を掲載したのは『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』という1812年に創刊された世界で最も権威があると言われる医学誌である。

 執筆者は米国立衛生研究所(NIH)やプリンストン大学、米疾病対策予防センター(CDC)などに所属する計13人の研究者で、実際にコロナウイルスを使用して実験を繰り返し、空気感染によって感染は起こりうるとの結論を出している。

 同誌に論文が載ること自体、信憑性の高さを示しているが、執筆者は他の研究者によるさらなる検証を促すなど、医学者らしい慎重な姿勢を示している。

 これまでコロナウイルスの感染経路は主に接触感染と飛沫感染の2つが挙げられており、空気感染は考えにくいとされてきた。

 厚生労働省のホームページでも、「国内の感染状況を見ても、空気感染は起きていないと考えられる」と記されている。

 ただ、閉鎖空間や近距離といった環境下であれば、「感染を拡大させるリスクがある」としてきた。

 これは厚労省がまだコロナウイルスを使った感染実験による確かなデータを得てないということでもあろう。