これからのエンジニアには必要!CAD/CAM/CAEの違いとは?
機械設計の業務において、もはや必要不可欠のコンピューター。
しかしながら、それに伴って出てくるCADやCAM、CAEといった言葉が何なのか、いまいち理解できていない方も少なくないようです。
そういった方に向けて、それぞれどのような特性・機能を持っているかなど、具体例を踏まえわかりやすくご紹介して参りましょう。
CADは設計、CAMは製造、CAEは技術
まずCADソフトウェア(キャドソフトウェア)、CAMソフトウェア(カムソフトウェア)、CAEソフトウェア(シーエーイーソフトウェア)がそれぞれ何を指すのか説明していきましょう。
■ CAD
CADとは製品形状などのさまざまな設計データを基に、コンピューターを利用して製品・部品の設計・製図を作成するツールです。
図面はコンピューターグラフィックを使って描き起こします。
加工形状によって、2Dと3DのCADを使い分けます。
■ CAM
CAMとはコンピューターを利用して製品の製造をすることで、CADで作られた形状データから加工データを作るシステムです。
書き起こした図面を基に製造するNC工作機械の加工プログラム(NCデータ)を作ります。
CAMは、大きく分けると加工条件を細かく設定できる汎用と比較的すぐに使える全自動があります。
最近では3軸同時移動データに加え、回転軸のデータを出力する自由度の高い5軸加工(5軸同時制御加工)を実現するCAMや、CADシステム/CAMシステムというCAD機能とCAM機能の両方をあわせ持った精度の高いシステムに注目が集まっています。
■ CAE
CAEとはコンピューターを利用して製品の設計を工学的にサポートする技術のことです。
様々な状況下においてシミュレーションを行い耐圧、耐熱といった設計データの解析を行います。
もう一つ押さえておくべきCAT
CAD、CAM、CAEと共に「CAT」という言葉を目にすることがあると思います。
CATとはComputer A ided Testingの略で、コンピュータを使用して行う検査を指します。
CADやCAMと連携しながら、製品や試作品などが仕様や図面に沿っているかコンピューターを通じて自動的に検査するシステムが主流のため、CADやCAMと同時に導入する企業が多いです。
特に試作品では様々な検査が行われますので、CATを導入することによって大幅な時間短縮が可能となります。
こういったツールを使いこなすためには
CADとCAMに関してはトレーニングセンターや会社内でのトレーニングプログラムを積極的に活用すると良いでしょう。
CAEでは多角的なシミュレーションをすることから、複合的な知識が必要とされ、コンピューター以外にも工学全般、数値解析の知識も必要となります。
そのために計算力学技術者(CAE技術者)の資格を取得すると良いでしょう。
固体力学や熱流体力学など、すぐに使える知識が勉強できます。
単にソフトウェアのオペレーションができるというだけでは、解析結果が正しいのかさえわかりませんので、CAE技術者とは言えません。
これからのエンジニアには不可欠
ご紹介したコンピューターツールを駆使すれば、品質、コスト、納期の向上、つまりQCD向上につながります。
モノづくりの第一線で活躍することを目指すのであれば押さえておきたいスキル・情報でしょう。
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