投げ銭、おひねり感覚とはちょっと違うかもペイパル寄付ボタン–PayPal Donation–
PayPalの「寄付ボタン」、ネットのどこかで目にしたことがある方もいらっしゃるかと思います。
このボタンはサンプルに作ったものですが、リアルに動作しますので無闇に押さない方が良いですよ。ポチっと善意の寄付を送ってくれたら私は嬉しいですけど…一口一万円となっております
PayPalの日本進出で「寄付ボタン」に興味を持っている方が多いのに驚きました。一体、何がそんなに魅力的なのか?もしかして過大な期待を持たれているのではないかしら?期待が大き過ぎて、後でガッカリにならないかしら?と少々心配になりましたので、その膨らんだ期待をぺしゃんこにするために、この記事を書こうと思います。
なぜか現在、日本のPayPalアカウントではDonationボタンは作れないようになっています(アカウントと紐付けしなければ作れます)。これは資金決済法の認可の関係でペイパルが個人間の送金を停止しているからというのが理由として語られているようですが、それは本当でしょうか?
それでは、日本のアカウントで取引を伴わない個人間の送金ができるようになったとして「寄付ボタン」はどのようなシステムになるのでしょう?手数料は?匿名性は?安全性は?
手数料は?
パーソナルアカウントで手数料無しに寄付を受け取れた時代も過去にはありましたが、そんな古き良き時代の話は置いといて…現在のPayPalの手数料体系は、個人的な目的による送金か商用目的の送金か、その送金目的により手数料の有無が変わります。「Donation(寄付)」という事で、それは善意で行われるものであり商用目的ではないと思うかも知れませんが、PayPalでは寄付と言えども商用目的の送金と同様に扱われ、受取り側で手数料を引かれます。
アメリカなど個人間の送金がOKな国、昔も今も寄付ボタンが使える国でも現行そのような状況ですから、日本で寄付ボタンが使えるようになった場合も同じであろう事は容易に想像が付きます。
日本国内では基本の手数料は¥40+3.6%ですから、100円の寄付をもらっても、44円の手数料を引かれて実際に受取れる額は56円になります。1件当りの寄付の額が42円以下の場合、どんな多数の善意の寄付を受けても受取額は0円です。10円の寄付を1000回受けても0円なんです。
寄付ボタンを付けるなら、せっかくの気持ちが手数料で無駄にならないように金額を一律に設定するなど工夫が必要だと思います。小額の寄付が多いと想定されるなら、受取りのアカウントをMicropaymentsのレートが適用されるように設定しておくのも良いかも知れません。
受取る側の個人情報は相手に知らされる?
受取側のペイパル登録名は送金側に知らされます。
寄付と言っても何かの対価として支払われた報酬です。所得として申告も必要です。お金の行き先はハッキリさせないといけません。
ビジネスアカウントであれば屋号の登録ができるので、個人名ではなく屋号のみ知らせる事もできますが、屋号と同じ名義での銀行口座が必要など、ちょっとした寄付を受取りたいだけの個人にとっては少々難しいですね。
名前の他に相手に公開されるのは受取用のメールアドレス。主アドレス以外で受取の設定をしている場合でも、主のメールアドレスも相手に公開されます。
寄付する側の個人情報は相手に知らされる?
寄付と言う言葉から、私は足長おじさん的な匿名性に奥ゆかしさを感じてしまうのですが、デフォルト設定のDonationボタンからの送金は、住所・氏名の情報が必要です。これは送金時に新たに追加する事もできるので「匿名希望」とか「名無しさん」での送金も可能なのかしら?
受取側がボタンのカスタマイズを行えば、匿名の寄付が可能だったと思うのですが、今は日本のPayPalアカウントではカスタマイズができなくなっているので、検証はいつか機会があれば。
私は私利私欲なしで世の為人の為に寄付を募りたいのです!
非営利の慈善団体であっても、PayPalで寄付を募るには手数料の支払いは避けられませんが、通常よりは若干おトクな手数料で寄付を受取ることができます。
アメリカでの例になりますが、月当たりの受取額が$100,000以上であれば1.9% + $0.30、$100,000未満であれば2.2% + $0.30。お得と言っても、受取額が$10,000以上の場合はマーチャントレートと変わりありませんけど…
このおトクな手数料の適用を受けるには、非営利組織としてペイパルに認定されなくてはなりません。アメリカの場合は、慈善団体として免税措置を受けている事を証明する書類が必要です。
日本でもPayPalへの申請は可能なようですが、認定基準はどのようになるのでしょうね?
寄付金でチャージバックですとぉぉぉ?
寄付ボタンでは実体のある物の取引を伴わないので、PayPalのバイヤー保護で入金取り消しなんて事はなさそうですが、クレジットカードが資金だった場合、送金者がカード会社へ不正利用などを訴えてチャージバックの申請をする可能性はあります。そうなった場合、寄付として受取ったお金は縁がなかったものと諦めるとして、チャージバック処理の手数料1300円が受取り側に課金されます。何も受取っていなのに、1300円取られるって…これぞペイパルの醍醐味!
いかがでしょう?ペイパルの「寄付ボタン」について、理解が深まりましたでしょうか?
もちろん、銀行口座やクレジットカード情報を相手に知らせる必要がないというペイパル最大のメリットはありますし、送金側に手数料負担がないのも寄付という観点からすれば長所となるかも知れません。結局は、通常の商用目的の送金となんら変わりないのです。
だったら「寄付ボタン」じゃなく「Buy Now ボタン」で良いんじゃない?提供しているサービス・作品・アプリ…その対価として、支払いたい人がBuy Nowで払う事に何ら問題無いように思います。
日本に「寄付ボタン」が帰ってくるのを首を長くして待つ必要ってあります?
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Comments
6 Responses to “投げ銭、おひねり感覚とはちょっと違うかもペイパル寄付ボタン–PayPal Donation–”
マジで1万円だった・・・どうかしてるぜっ!!
じゃあ、幾らだったらポチる?
10回ポチっときましたよ~夢の中で。
現実でお願いします〜。
1回だけで良いから。
クリックしたいのに手が言うこと聞かない・・・なんでだろう?
お手伝いしましょうか(^o^)/