みなさんこんにちは。
雨がザーザー降ったり、雹(ひょう)がゴンゴン降ったり、
かと思ったら、
急に陽が差してパーっと晴れたり。
最近の東京の天気は、
アップダウンの激しいジェットコースターみたい。
ちょっとスリリングな梅雨どきですね。
さて、突然ですが
半夏生ってご存知ですか?
はんげしょう、と読みます。
半夏生とは、夏至(今年は6月21日)から11日目をさす暦日で
今年は7月2日。
半夏という薬草が生える頃なのでこの名になったとか。
私もついさっき手元の辞書で知りました。
で、半夏生とやらがどうしたの?
ですよね。
これ、前回から推しているたこの話に繋がります。
関西には「半夏生にはたこを食べる」という習慣があるそう。
農家では昔から、
田植えは夏至を過ぎて半夏生までに終えるのが望ましいとされ、
田植えが無事終わったら、
稲が田んぼにたこの足のようにしっかり根付くことを願掛けして
たこを食べたのだとか。
こういった昔からの習慣は理にかなっているものが多く、
兵庫県の明石や熊本県の天草などのたこの名産地では、
まさに夏がたこ漁の最盛期。
半夏生近くのいまどきが、たこが旬を迎える時期でもあります。
旬のたこを食べて本格的な夏に向けて精をつけるという意味合いも、
きっとあるじゃないかなあ。
だってたこは、栄養ドリンクにも入っている
タウリンが豊富ですから。
で、じゃあどうやってたこを食べるかというと、
日本にはいろんなメニューがありますよね。
刺身、たこわさ、たこめし、たこ焼き、
私が最近仕事で行った天草にはたこきんぴらなるものもありました。
これはごはんによく合う、甘辛の味つけです。
そして、私の好きなポルトガルでもたこは人気もの。
前回紹介した、
オリーブオイルで焼く
「Polvo a Lagareiro(ポルヴォ・ア・ラガレイロ)」
だったり、
第11回でご紹介した
「たこごはん」
だったり。
そうそう、ポルトガルにはたこ天ぷらもあります。
こんな風に、足を丸ごと揚げるものや
太い足を縦に割いて開き、
蒲焼みたいに形を調えて揚げるものも。
手前のたこ天に添えてあるのは、たこごはんです。
これは、たこ料理専門店の人気のひと皿。
で、今回私がご紹介したいのは、
カリッと香ばしいひと口サイズの「たこの天ぷら」
「Filetes de polvo(フィレッテシュ・ドゥ・ポルヴォ)」です。
ビールを飲みながら、
衣にそのビールを混ぜてカリカリに揚げるのがポイント。
ポルトガルの揚げ物は、素材や衣に下味をつけるのも特徴です。
冷たいビールやワインが進みますよー。
では、
「たこの天ぷら」
「Filetes de polvo」
作っていきましょう。
材料(2人分)
・茹でたこ 200g
・天ぷら粉1/2カップ+大さじ2~3
・ビール1/2カップ
・ドライハーブミックス、揚げ油、塩、こしょう 各適宜
たこ(200g)はひと口サイズをイメージして薄切りにします。
余分な水分もしっかり拭いておきましょう。
次に、ボウルに天ぷら粉(1/2カップ)とビール(1/2カップ)を注ぎます。
余ったビールはもったいないので飲んじゃいましょう。
粉とビールをよく混ぜたら、ドライハーブ(適宜)を加えます。
ハーブは好みのもので結構ですが、
私はオレガノ、タイム、スイートバジル、パセリがミックスされた
GABANの「イタリアンハーブミックス」を使いました。
ここでクミンパウダーを加えれば、
ちょっとカレー風味のスパイシーなたこ天になりますよ。
薄切りのたこに軽く塩、こしょう(各適宜)をふったら、
まず天ぷら粉(大さじ2~3)をまぶします。
こうしておけば余計な水分が抑えられて油はねしにくくなるし、
衣もはがれにくくなります。
下味と粉をまぶしたたこを衣にくぐらせて
170~180℃の油でカラッと揚げます。
衣が色づいたら引き上げどき。
器に盛って、冷たいビールやワインを忘れずに!
下味がついているのでそのままはもちろん、
レモンを絞るのもおいしいし、チリペッパーも合いますよ。
冷めても下味がしっかりついているのでいけちゃいます。
簡単でうま味たっぷりの「たこの天ぷら」、
たこが旬のいまこそ試してください!
【お知らせ】
7月20日午後1時より、
紀尾井町「COOK COOP BOOK」にて
ポルトガルのワイン数種類と旅の話を楽しむイベントを開催予定です。
~ヴィーニョ・ヴェルデ(緑のワイン)を楽しもう!~
「ようこそポルトガル食堂へ」文庫版出版記念イベント
6年前の自著に、
2年前に廻ったヴィーニョ・ヴェルデの旅を大幅加筆したものが
幻冬舎文庫になりました。
7月3日より全国で発売になります。
このイベントの詳細についてはこちらをご覧ください。
緑のワイン・ヴィーニョヴェルデを味わおう! 「ようこそポルトガル食堂へ(文庫版)」(幻冬舎文庫)出版記念イベント