簡単レシピでクセになる「ポルトガル風プリン」でおもてなし[第40回]

今回のバダサオリさんのレシピは、みんな大好きなデザート・プリンです。といっても、もちろん普通のプリンではありません。実はバダさんの大好きなポルトガルはプリン王国。レストランのメニューには必ずといっていいほどプリンがあります。そんな「本場」でバダさんが出会ったプリンを元にした「ポルトガル風プリン」のレシピです。独特の風味がクセになる大人なプリン、ぜひおためしください!

みなさんこんにちは。

もうすぐGWですね。
お休みのご予定はいかがですか?

あれ、ヘアサロンでシャンプーされているときの
会話みたいになっちゃった。

おでかけ、旅行、飲み会、キャンプと楽しい予定がある人も、
いやいや、GWこそ忙しいんだよねーの仕事三昧な人も、
いつもとちょっと違う、
少しふわふわした空気を感じながらの
2週間が始まりますね。

今年は休みが離れているから、暦通りの人も多いご様子。
ってことは、
遠出はしないけど家に人を呼んだり。
あるいはのんびりと家でくつろいだり。
そんなat homeな方も多いのかな。
ということで、
GWを家で過ごす人におすすめの1品を考えてみました。

すぐに思いついたのがこれです。

プリンです。

あれ、これお酒のつまみ連載じゃなかったっけ?
と思った方。
そうですよね、鋭い!

プリンはつまみです、とはなかなか言いにくい。
つまみにできなくはないですが、
普通に考えればデザートまたはおやつです。

でもですね、プリンはすごいんです。
お酒が好きな人にも、
お酒が苦手な人にも、
アダルトにも、
ティーンにも、
キッズにも、
メンズにも、
レディースにも、
卵、牛乳アレルギーをお持ちの方でない限り、
誰に出してもまずイヤな顔はされません。
いそうでいない、マルチな存在です。

家にみんなで集まって飲もうよ、というようなときも、
お酒が苦手、体質的にダメ、体調的にダメ、年齢的にまだダメ、という人、
案外少なくなかったり。
そんなときは、お酒以外のものに期待することも
あるんじゃないかなあって。
ということで、
プリン登場です。

しかーし!
ただのプリンじゃありませんよ。
ほんのちょっとだけ、
私の好きなポルトガルのフレーバーを加えています。

ポルトガルのフレーバーとはなんぞや。
ポルトガルの定番という意味ではありません。
リスボンのとある食堂で食べた、思い出深いプリンが手本です。
その店は、
地元の人ばかりが集まるような飾り気のない店だったんですが、
ランチの後、デザートに何の気なしに頼んだプリンがちょっと面白かったんです。
ひと口食べると独特の風味がほんのり、
食べていると、だんだんとクセになる大人風味のプリン。
さりげなく、ある香辛料を使っていたんです。

実はポルトガルはプリン王国。
レストランや食堂のデザートメニューには必ずといっていいほどプリンがあるし、
オリジナルのプリンレシピもうなるほどあります。
もしもポルトガルにクックパッドがあったら、
プリンのレシピ投稿だけでものすごい数になるんじゃないかなあ。
オレンジやレモン、シナモン、かぼちゃ、ココナッツ、ハチミツ辺りのアレンジは
味の想像もつくと思うのですが、
変わったところではベーコンを使うものもあったり。
お菓子のヘンテコアレンジは、
かつてポルトガルの各地にあった修道院が、
お菓子のレシピの斬新さを競い合った果ての名残とも言われています。

あ、私のプリンにベーコンは使いませんのでご安心を。

では、材料はこちら。

材料(80~100ccの型5個分)
プリン
・卵2個
・牛乳 1カップ
・砂糖(あればきび砂糖) 大さじ5
・スターアニス(八角)1個
・バター 適宜

カラメルソース
・砂糖 大さじ5
・水 大さじ1+大さじ3

そう、大人風味のポイントはスターアニスです。
最近ではスーパーの中華食材コーナーなどでよく見かけますね。
苦手な方は、
もちろん使わなくてもシンプルでおいしいプリンができます。

あと、プリンの型がないという人は多いですよね。
その場合は耐熱のコップや茶碗などを使って下さい。
私は蕎麦猪口を使うことも多いです。

まず、先に牛乳(1カップ)スターアニス(1個)をポンと入れて香りづけしておきます。

その間に、カラメルソースを作ります。

小鍋に砂糖(大さじ5)水(大さじ1)を入れ、

中火で温めます。
砂糖が溶けてシロップ状になるまでは、
かき混ぜたり揺らしたりせず、火をかけたまま放置しておきます。
ここでいじると砂糖が白く固まって、
失敗の原因になります。

シロップが茶色く色づき始めたら
鍋を回しながら全体に煮詰めていきます。

茶色がだんだん焦げ茶色に変化して、
香ばしい香りが漂ってきます。

焦がし加減を見て、ぎりぎりのところでを少しずつ加えます。

水を加えるときはジュッとはねるので、
くれぐれもやけどに注意!

水を大さじ3杯分加えたら、
焦がしすぎないところで火を止めます。

カラメルソースができたら、
バター(分量外)を薄く塗った器に入れ、冷まします。

次に卵液を作ります。
スターアニスを入れておいた牛乳を弱火で温め、
砂糖(大さじ5)を加えます。

おすすめはきび砂糖。
白砂糖より甘さがまろやかです。
一番の違いは、サトウキビの糖蜜分が含まれているという点です。

牛乳に砂糖を溶かしたら、
ボウルに卵(2個)を割ってしっかりほぐし、
牛乳を少しずつ加えます。

よく混ぜて卵液が完成。

茶こしなどで一度漉してから、
型に入れます。

そして蒸します。
蒸し方は、蒸し器ありとなしの2通り説明します。

まず、蒸し器がある人の場合。
蒸気の上がった蒸し器に並べ入れ、

中弱火で8分ほど蒸し、
火を止めて予熱で5分ほど蒸します。

蒸し上がったら冷まします。

次に、蒸し器がない場合。
鍋にお湯をはって蒸します。

注意点が1つ。
ある程度重さのある器を使うこと。
軽すぎる器だと、火にかけている最中にぐらぐら揺れて、
中身がこぼれてしまうからです。

鍋に器を入れ、器の半分ぐらいの高さまでお湯をはり、

ふたをして中弱火で10分、
火を止めて5分以上蒸します。
このときふたを布で包んでおくと、
蒸気が水滴になってプリンに落ちるのを防げます。

蒸し器がある場合もない場合も、
器の容量によって火の通りに差がでるので、
蒸し上がりを竹串などで刺して火のとおりを確認すると安心です。

蒸し上がりました。

冷やして食べたい方は、
冷蔵庫に入れて冷やしてからどうぞ。
でも、そのまますぐのあたたかいプリンもなかなかです。

それから食べるときですが、
こんな風に出すとちょっと楽しいですよ。
これ、リスボンの食堂で出されたものを真似ています。

まず、皿に容器ごとのせて出します。

食べる人に竹串やスプーンの柄などで周囲を一回ししてもらい、

下の皿をひっくり返して器にかぶせたら

両手で皿と器を持ってそのまま逆さに軽く振ってもらいます。

すると器の中のプリンがポンと落ちて

完成!

あ、忘れていました。
このプリンにとくにおすすめなのが、
マスカルポーネチーズ。

生クリームよりコクがあって、
しかも泡立てる必要もなし。
スプーンですくって、さっと添えてください。

ほんのりスターアニスが香るプリンに
濃いめのカラメルソース、
やさしいコクのマスカルポーネの組み合わせは、
ありそうでなかった新定番です。

お試しを!

ケイクス

この連載について

初回を読む
ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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    コメント

    playerpiano ポルトガルプリン食べたい。 4年弱前 replyretweetfavorite

    droit_francais 作った。写真の見栄えは良くないけど美味しくできた。満足。 https://t.co/LGrQJw466n http://t.co/AeqDAucJhC 5年弱前 replyretweetfavorite

    STMK プリンの作り方の写真見て、茶碗蒸し思い出した。プリンも茶碗蒸も作ってないなぁ。子供の頃ってよく作ったよねプリン→ 6年弱前 replyretweetfavorite

    cuervo9 肝心のレシピは有料で読んでないのだが、それはともかく “変わったところではベーコンを使うものもあったり。” そっちのレシピが知りたい!甘しょっぱくて絶対おいしい! 6年弱前 replyretweetfavorite