みなさんこんにちは。
1月も後半、本格的に寒い毎日ですね。
朝起きて布団から出るのにも、ちょっとした勇気が必要になってきました。
中国の二十四節気で最も寒いとされる「大寒」が1月の20日頃だそうなので、
暦的には今が寒さの底ということでしょうか。
そして2月の終わりごろまでは、
朝、布団から出るたびに小さな戦いが繰り広げられるわけです。
それにしても「大寒」って字面は分かりやすく寒い。
漢字2文字だけでこんな寒そうなイメージを作りだすなんて、
寒いのが苦手な私にとっては、
あんまり嬉しくないです……。
こんなに寒いのにも関わらず、
先日北海道に住む親戚に誘われて、
なんとなく一緒に、ディズニーシーに遊びに行ってしまいました。
晴れた日だったので陽の差す時間帯は良かったのですが、
暮れはじめるとやっぱり寒い。
浦安のリアルシーをすぐそばに望めるゾーンに差しかかったときに
頬に受けた冬の海風はとくに強烈で、
それまでディズニーマジックで感じていたウキウキ感が
一瞬で吹っ飛びました。
こんなに寒いと、さすがに札幌人と函館人の親戚達も凍えているのではと思いきや、
「やっぱりこっちは過ごしやすいよね、雪もないしさ」とにっこり。
寒さに強いって、それだけで逞しいです。
そして自分は、あらためて東京モンのひ弱さを自覚しました。
冬のディスニーシー、
好みはあると思いますが、
空いていることだけは確かです。
そんな寒い時期に食べたい料理といえば、グラタン!
ほかほかのホワイトソースと、
トロトロの香ばしいチーズの黄金タッグは
苦手とする人を見つけるのが難しいぐらいの、万人に愛されるコンビネーション。
少し前に、某女性誌の料理ページのレシピを
過去30年に遡って調べる仕事をしたのですが、
30年間で最も登場回数の多かった料理の堂々一位は、
から揚げやカレーをおさえ、
グラタンでした。
やっぱりグラタンは、昔から不動の人気者なんですね。
私の好きなポルトガルにも、グラタンはあります。
たとえば既に第6回で御紹介している「ピポグラタン(Bacalhau a Ze do Pipo)」。
マヨネーズが隠し味の、鱈を使ったグラタンです。
そして、今回紹介するのはこちら。
カリッと焼いた鱈とじゃがいも、ほうれん草をホワイトソースで包みこんで
あつあつのチーズでこんがりと焼き上げた
「鱈とほうれん草のクリームグラタン」。
ポルトガル名は「Bacalhau com nata(バカリャウ・コン・ナタ)」と言って
バカリャウは干し鱈、ナタはクリームの意。
茹でたり焼いたりした干し鱈にホワイトソースをたっぷりかけて焼く、
非常にポピュラーな料理です。
もちろん日本じゃ干し鱈は手に入れにくいので、
甘塩鱈を使います。
ポルトガルではほうれん草を入れたグラタンはあまり見かけませんでした。
でも、私思うんですよ。
ソテーしたほうれん草の香ばしさと甘味は、
ホワイトソースと組み合わせると、
こんぶとかつおのうま味の掛け算並みに
お互いの良さを引き立て合っておいしさが倍増するって。
だからこのグラタンにもぜひ、ほうれん草を入れて欲しいんです。
ちなみに、今の時期ならほうれん草のイチオシはこれ!
12月から2月の寒い時期に出回る背丈の低いほうれん草で、
「ちぢみほうれん草」「寒締めほうれん草」などの名前で見かけます。
これ、甘さもうまみも通常のほうれん草よりずっと濃くて、
ソテーして初めて食べたときは
思わず「んっ!」と声を上げたほどでした。
生産者や農林水産省などのサイトを調べてみると、
このほうれん草は
「寒さにあたると凍結するのを避けるために葉がしまって肉厚になり、うまみや甘みが増す。この性質を利用したほうれん草の栽培方法を“寒締め”という」そう。
「寒さに耐えるため、葉は地面を這うように広がる」特徴を持ち、
「糖度が上がるだけでなくビタミン類の含有量も高くなり、甘みだけでなく濃厚な味になる」
ともありました。
寒いからこそ味わえる旬のほうれん草を、
グラタンに入れない手はないじゃないですか!
では早速、このほうれん草を使った
「鱈とほうれん草のクリームグラタン」、
作っていきましょう。
材料は1~2人分です
(直径16㎝の浅いグラタン皿1枚分。2人でならつまみ、1人ならおかずのサイズ)。
・甘塩鱈 1切れ
・じゃがいも 1個
・ちぢみほうれん草 1株(普通のほうれん草なら1/3束)
・牛乳 200㏄
・バター 大さじ1と1/2+1
・チーズ(溶けるタイプ)好きなだけ
・小麦粉 大さじ1
・塩、こしょう 各適宜
ほうれん草(1株)は葉を1枚ずつに分け(根元からはずすと簡単です)しっかり洗います。
葉をまとめてラップでくるんだら
電子レンジ(600W)で30秒加熱し[D1] (直後は熱いので注意)、
冷水にさらして水気を絞り、
ひと口大に切ります。
レンジがない人やレンジが苦手な人は、お湯で数十秒さっと茹でてください。
じゃがいも(1個)はラップでくるみ、
電子レンジ(600W)で3分~4分加熱し、
1~2分蒸らしたら皮をむいて粗くつぶします。
レンジがない人やレンジが苦手な人は、かぶるくらいの水で普通に茹でてください。
甘塩鱈(1切れ)は水でさっと洗ってしっかり水気をふき、
3等分して塩、こしょうで下味をつけ、小麦粉(分量外)をまぶします。
こなをまぶすときにポリ袋を使うと、
粉も少なくてすむし、洗いものも出さないので便利。
袋に下味をつけた鱈の切り身と粉を入れたら口を閉じ、
袋を上下左右に軽く振るだけ。
手を汚すことなく鱈の表面に粉をまんべんなくまぶせます。
下準備が終わったら、
鱈から焼いていきます。
フライパンにバター(大さじ1/2)を入れて中弱火で熱し、
溶けてきたら弱火にして鱈を皮目から並べます。
弱火でじっくり4分ほど焼いたら、
裏返して1分焼き、取り出します。
次に、鱈のうま味が残っているそのままのフライパンに
バター(大さじ1/2)を入れて弱火で溶かし、
じゃがいもを焼きます。
弱火で3~4分ぐらい焼いておいしそうな焦げ目をつけ、
塩こしょうで味を調えます。
じゃがいもを取り出したら、
さらにバター(大さじ1/2)を加えて弱火で溶かし、
ほうれん草を香ばしく炒めます。
塩こしょうで味を調え、
全て焼き終わったら、皿にバランス良く盛ります。
次にホワイトソースを作ります。
少量のときは、電子レンジ(600W)であっという間にできるこの方法が便利。
耐熱ボウルなどに小麦粉(大さじ1)とバター(大さじ1)を入れ、
ラップをせずに1分加熱します。
取り出したら溶けたバターと小麦粉をよく混ぜ、なめらかにします。ダマにならないように、しっかり混ぜましょう。
そこに牛乳を少し加えてよく混ぜ
ダマのないクリーム状にします。
さらに牛乳(冷たくても大丈夫)の半量を加えて泡立て器などでよく混ぜ、
なめらかになったら電子レンジ(600W)で2分加熱。
取り出したらすぐに残りの牛乳を加えて混ぜ、
なめらかになったらもう一度電子レンジで2分加熱します。
取り出して塩、こしょうで味を整え、混ぜたら完成。
シンプルな塩味のホワイトソースができ上がりです。
ちょっと味が物足りないなあと感じる場合は、
顆粒コンソメ少々(分量外)を加えてください。
このホワイトソースを具をのせた皿にまんべんなくかけ、
仕上げに好きなだけチーズを散らします。
あとはオーブンかトースターで、
おいしそうな焦げ目がつくまで焼きます。
はい、できあがりです。
いい眺めですよねえ。
チーズのこんがり焼けた見た目や香りって、
どうしてこんなに食欲をそそるんでしょうか。
お腹が空いている人、ごめんなさい。
中を割ってみるとこんな感じ。
ふっくらした鱈とほくほくのじゃがいも、
甘くて香ばしいほうれん草が、次々に顔を出してきます。
ソースがからんでいるので、結構ボリュームもあります。
温かい部屋の中で、
あつあつのグラタンと冷たいビール、
白ワインもいいですね。
フルーティな赤も合いそう。
もっとおつまみっぽくしたいという方は、
鱈やじゃがいも、ほうれん草を炒めるときに、
刻んだにんにくを加えてみてください。
パンチがきいて、お酒が進みますよ。
さて、次回は何を作ろうかな。
寒い時期を楽しくするメニュー、
グラタンを食べながら
考へほっと(あちち)。
ハフホフッ!