クリスマスデザート第2弾! あまーいクリームを使った「フルーツグラタン」[第32回]

好評を博した前回の「卵タルト」に続き、今回もクリスマスにぴったりのデザートをご紹介します! その「卵タルト」で使ったクリームを応用して、もっと簡単に、全く別のおいしさをもった「フルーツグラタン」ができちゃいます。恋人や友達や家族に、このクリスマスはぜひこの「フルーツグラタン」をごちそうしてあげましょう!

みなさんこんにちは。

クリスマス直前、
もう年の瀬ですね。

年の瀬はいつも、妙にセンチメンタルになるのは
私だけでしょうか。
街はなんとなくそわそわ、
つられて自分もそわそわ。
楽しいような、寂しいような、
充実しているような、取り残されてしまったような、
見えない何かにせき立てられているようで、
いつも胸の奥になんともいえないザワザワを感じます。
あと少しで今年も終わってしまうなあ、
それなのに、あれもこれもやり残しちゃったなあ。
そんなちょっと後悔にも似た気持ちが
この寂寥感を呼び起こすのかなあ。

そんな気持ちをかき消すかのように、
年末年始は行事もいろいろ、
人が集まる機会も増えます。
これからの週末は、家族や友達で集まって
家でパーティや忘年会という人もきっと多いはず。

そんなとき、食事の最後にデザートがあると場が盛り上がります。
しかも手作りならなおさら。
デザートをさっと出せる人って、
“できる”感じがするから不思議です。
料理が苦手な人でも、
デザートでおいしいとこ取りは十分可能。
今年はちょっと、作戦でも立ててみますか?

そんな即席できる感を演出したい人にも役立つのが、
今週ご紹介するデザート。
なんと、先週の卵タルトよりさらに簡単です。
以前ポルトガルにホームステイした際に習った、
あっという間にできる1皿。
リンゴを使って、ちょっと見栄えのするアレンジの1皿もご紹介します。

まずは、先週ご紹介した卵クリームに、
砂糖を振って軽く焦がしキャラメリゼした「レイテ・クレーム」から。
レイテは牛乳、クレームはクリームの意。
牛乳と卵黄、砂糖、粉の4つでできる素朴なデザートです。

ヨーロッパには似たようなデザートも多く、
たとえば生クリームを使ったフランスの「クレーム・ブリュレ」や
レモンやオレンジの皮でクリームを風味づけする、
スペインの「クレマ・カタラナ」などが有名です。

ポルトガルの「レイテ・クレーム」の一番の特徴は、
牛乳を使って気軽に作る点。
軽いクリームは、甘いものが苦手な人でも結構いけます。
できたてのあつあつを、ハフハフ言いながら食べるのがおすすめ。

ポルトガルでは、
トッピングの砂糖を焦がす仕上げは
ほとんどの家庭に常備されている、
鉄線をぐるぐると渦巻状にした焼きごてをジューッと砂糖にあてて行うのですが、
私達は焼きごての代わりに、オーブンやトースター、魚焼きグリルで仕上げます。

そして、リンゴを加えてアレンジしたものがこちら。

薄切りのりんごを砂糖とレモンでソテーし、
卵液を加えて軽く焼いたらでき上がり。
大皿に出せば、ちょっと見栄えもします。

では、早速「レイテ・クレーム」から作っていきましょう。
基本的なレシピは前回の卵タルトと同じです。
パイ生地が作れなくてあきらめていた人もぜひためしてみてください!

材料はこちらです。

材料 4人分(16㎝の楕円の小皿4枚分)

・卵黄 2個
・コーンスターチ(または薄力粉) 大さじ1と1/2
・牛乳 1カップ
・砂糖 大さじ3+大さじ2
・シナモンパウダー、粉糖(あれば) 各適宜

まず、ボウルに卵黄(2個)砂糖(大さじ3・グラニュー糖が溶けやすくておすすめ)を入れ、泡立て器などでしっかり混ぜます。

混ざったらコーンスターチ(大さじ1と1/2)を加え、さらによく混ぜます。

次に牛乳(1カップ)を少しずつ加え、さらに混ぜます。

卵液がしっかり混ざったら、
味噌漉しや目の細かいザルなどで一度漉し、
不純物(卵の殻など)などを覗いて
耐熱性のボウルに移します。
漉すことで、クリームの口当たりもなめらかに仕上がります。

これを、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で2分半加熱します。

取り出して周囲の固まった部分をよく混ぜ、
もう一度電子レンジで2分加熱します。

取り出すと、卵液はフツフツと沸く卵クリームになっています。
これを泡立て器などでしっかり混ぜれば、
なめらかな卵クリームが完成。

前回も紹介したとおり、
このあつあつの卵クリーム、
このまま食パンに塗ってトーストしてもおいしいです。

さらにお好みで、小さじ1程度のリキュール(アマレットなど)や
ポートワインなどの洋酒を加えると、
ぐっと大人の風味に変わります。
卵の香りにこだわりたい人は、シンプルなままがいいですね。

これを小皿に流します。

少し皿をゆすったりして表面を均一にならしてから、
焦がしてキャラメリゼするための砂糖をまんべんなくふりかけます。
小皿1に対し、大さじ1/2が目安。

これを、オーブン(240℃)やトースター、
魚焼きグリルなどで強火で焼き、
表面の砂糖が溶けて香ばしく焦げたら完成。
オーブンだと15~20分が目安です。
好みで粉砂糖とシナモンを茶こしなどでふりかけ、
あつあつのクリームを楽しんで下さい。

さて、今回はここでおしまいではありません!
この同じ卵クリームに甘酸っぱいリンゴのソテーを加えて、
フルーツグラタンのようにもできます。
追加の材料はりんごとレモン汁のみ。
ただし、卵クリームは先程の半量にします。

材料 1皿分(26㎝の楕円の大皿)

・卵黄 1個
・コーンスターチ(または薄力粉) 大さじ2/3
・牛乳 1/2カップ
・砂糖 大さじ11/2+大さじ1
・りんご 大1/2個(小なら1個)
・レモン汁 大さじ1
・シナモンパウダー、粉糖(あれば) 各適宜

卵クリームは先程と全く同じように作ります。

好みですが、牛乳の代わりに生クリームを使うと濃厚な卵クリームになります。
その場合、コーンスターチは要りませんし、レンジで加熱する必要もなし。
生クリームを入れてよく混ぜたら、リンゴのソテーに加えて焼くだけです。

りんご(大1/2個)は洗って皮つきのまま軸や種を取り、5㎜幅のイチョウ切りにします。
フッ素樹脂加工などの焦げ付きにくいフライパンにりんごを並べ、
砂糖(大さじ1)とレモン汁(大さじ1)を振りかけ、
そのまま10分ほどおきます。

浸透圧でりんごの水分がじんわり出てから炒めると、
こげつきにくくなります。

軽く混ぜてフタをし、中火で5~6分ソテーしたら一度混ぜ、

またフタをし、全部で10分ほどソテーします。
最後の1分はフタを取って全体に砂糖を絡める感じで炒めます。
透き通った飴色になったら完成。

大皿に卵クリームを敷いて、ソテーしたりんごを散らします。

あとはオーブン(240℃)やトースターなどで
こんがり焦げ目がつくまで焼きます。
オーブンだと15~20分が目安です。

好みで粉砂糖とシナモンパウダーを茶こしなどでふりかけ、完成。

甘酸っぱいりんごと卵クリームの甘さが
やさしいデザート。
りんごの酸味があるので、赤ワインとも相性良しです。
ぜひ作ってみてください。

では、ちょっと早いですが
みなさんよいお年を。
お酒好きの方々は、
飲み過ぎにはくれぐれも気をつけてくださいね
(……ものすごく、自戒を込めています)。

皆さんにとって、
楽しく素敵な年末年始でありますように!

ケイクス

この連載について

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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    nananagai_jp フルーツグラタン大好き!おいしそ〜! 約6年前 replyretweetfavorite