みなさんこんにちは。
12月ですね。
日が暮れると、華やかなイルミネーションで街も一層賑やか。
彼女に、彼に、奥さんに、旦那さんに、友達に、子供に、
気になるあの人に渡すクリスマスのプレゼント、
もう決めましたか?
今年は予算厳しいなーとか、
毎年似た感じだから、変わったものにしたいなーとか、
そんな風に考えているあなた。
ちょっと気分を変えて、
手作りのお菓子に挑んでみてはいかがでしょう?
手作りってやっぱり特別。
買ってくるものとは何よりインパクトが違います。
手作りってなんか重くない? 上手くいかなかったら恥ずかしくない?
いえいえ、お菓子なら甘いからやさしい気持ちになるし、
食べちゃえばたちまち証拠隠滅。
でも、相手の心には大きな何かを残せます。
先日友人が結婚したのですが、
彼女が彼からプロポーズと一緒に渡されたのが、
手作りのドライフラワーのアレンジメントだったそう。
見た目はごっついガテン系の、理系頭の、女の子にものすごく不器用な、
恋愛では失敗多めの、女性からは叱咤ばかりされていた彼が、
そんなロマンティックなものを準備していたなんて。
夢にも想像していなかった彼女は、
プロポーズを受けながらそのアレンジを1人で作っている彼を想像して
とても感動したそう。
そして、そのロマンティックなプロポーズ話を聞いていた女性達は全員その場で
「いーなー、いーなー!(私達も欲しい!)」を合唱。
横にいた男性達は全員
「……………………(そんなことされたら立場ないじゃん俺ら!)」沈黙。
さらに「そういえばうち、ちゃんとプロポーズされてなかったよね」とか
各所でいろんな話に展開していき、
また別の盛り上がりを見せました。
というわけで、
やはり記念日やお祝いなどで渡される手作りもののインパクトは最強です。
今年のクリスマスに特別な思いを伝えたい人のために、
今週来週2週連続で思いの伝わる手作りお菓子のレシピを用意しました。
ご紹介するお菓子は、2つあります。
どちらも同じ種類の、ものすごく簡単な卵クリームを使って作りますが、
今回はサクサクの焼き菓子に、
来週はびっくりするぐらい簡単なのに、いい感じのデザートに仕上げます。
まず、今回ご紹介するのはこちら。
ポルトガルの国民的お菓子「卵タルト」です。
ポルトガル語では「Pastel de Nata(パステル・デ・ナタ)」と呼びます。
ナタはクリーム、パステルはタルトの意。
昔「エッグタルト」という名で流行ったお菓子がありましたよね。
あれも、この卵タルトが元祖です。
周囲はサクサクのパイ生地、
中はとろりとやわらかい卵クリームがたっぷり。
ほど良い甘さのやさしい味だから、
誰に食べてもらっても、笑顔が返ってきます。
ちなみにこの卵タルト、
渋谷区富ヶ谷の「NATA de Cristiano’s(ナタ・デ・クリスチアノ)」
という専門店の味がいま大人気。
お菓子好きの間では、ちょっとした話題になっている店です。
ここの卵タルトは、
もしかしたらポルトガル本国よりおいしいかも。
皮はバリバリ、クリームはほど良い甘さと卵の濃厚なコク。
自分で作ってみる前に、
一度散歩がてら、プロの味を確認するのもいいかもしれません。
お店の詳細は私のブログ
でもご紹介していますので、ご興味ある方はご覧ください。
さて、プロの味とは全く違う、
あなたが作る、あなたの卵タルト。
早速作っていきましょう!
大丈夫、いざ作ってみると拍子抜けするほど簡単。
やっぱり手作りは簡単じゃないとやる気が起きませんからね。
材料はこちらです。
材料(作りやすい量) 6個分
・卵黄 2個
・コーンスターチ(または薄力粉) 大さじ1と1/2
・牛乳 1カップ
・砂糖 大さじ3
・冷凍パイシート1~2枚
・シナモンパウダー、粉糖(あれば) 各適宜
それから、これには型も必要です。
・直径7~8㎝程度のタルト型 6個
型は2㎝程度の深さのある丸いものであればOK。
100円ショップや製菓コーナーなどを覗いて探してみてください。
型の傾斜は緩やかな方が作りやすいと思います。
私が使ったのは直径7.5㎝、底の直径3.5㎝、深さ2㎝のタルト型です。
型がないときはどうすればいいか、ちょっと考えたのですが、
たとえば家にある深めの小皿などを代用してみるのはどうでしょう。
オーブンで焼くことができるものであれば、
何でも構いません。
作り始める前に、オーブンは240℃に予熱しておきます。
ただし、オーブンと電子レンジが一体型の物をお使いの場合は、
先に卵クリームを作り終わってから、
予熱を始めてください。
では、クリームから。
ボウルに卵黄(2個)と砂糖(大さじ3・グラニュー糖が溶けやすくておすすめ)を入れ、
泡立て器などでしっかり混ぜます。
混ざったらコーンスターチ(大さじ1と1/2)を加え、さらによく混ぜます。
次に牛乳(1カップ)を少しずつ加え、さらに混ぜます。
卵液がしっかり混ざったら、
味噌漉しや目の細かいザルなどで一度漉し、
不純物(卵の殻など)などを覗いて
耐熱性のボウルに移します。
漉すことで、クリームの口当たりもなめらかに仕上がります。
これを、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で2分半加熱します。
取り出して周囲の固まった部分をよく混ぜ、
もう一度電子レンジで2分加熱します。
取り出すと、卵液はフツフツと沸く卵クリームになっています。
これを泡立て器などでしっかり混ぜれば、
なめらかな卵クリームが完成。
このあつあつの卵クリーム、
このまま食パンに塗って食べてもおいしいのでおすすめ。
お好みで、小さじ1程度のリキュール(アマレットなど)や、
ポートワインなどの洋酒を加えると、
ぐっと大人の風味に変わります。
私はポートワインの赤をひとさじ加えました。
卵の香りにこだわりたい人はシンプルなままで。
卵クリームは、置いて粗熱をとります。
次は冷凍パイシート。
がちがちの冷凍状態から、板ガムぐらいの硬さまで解凍します
(時間があるときは冷蔵庫で30分ぐらい、急ぐ場合は室温で10分ほど置いて様子を見る)。
私の使ったパイシートは10㎝×18㎝でしたが、正方形のものでも構いません。
解凍したら、ラップで挟んで麺棒などで少し伸ばし、扱いやすくします。
伸ばしたら、1.5~2㎝幅の棒状にカットします。
カットしたら、くるくると丸めて行きます。
正方形で短い場合などは、もう1本つなげて、くるくる巻きます。
巻く目安は、直径3~4㎝程度。
まるめたら寝かせて型に入れ、
後ろの型に見えるような状態に生地を伸ばします。
どうやって伸ばすかというと……
親指を使います。
生地のまん中を親指で押し、ぐっと力を入れて外側に伸ばしながら
押し広げて型に添わせ、だんだんと丸く薄く伸ばします。
写真は片手で撮影しているので親指1本だけですが、
実際は左右の親指でぎゅぎゅっと押し伸ばします。
こうすると、焼き上がったときにパイの層が縦に広がり、
サクッとした食感になります。
生地が浮いてこないように型の端まで押し広げたら、
粗熱を取った卵クリームを入れます。
入れ過ぎると焼いたときにこぼれてしまうので、
7~8割が目安です。
240℃のオーブンで15~20分ほど、
こんがりいい色になるまで焼いたらでき上がり。
型からはずし(パイ生地からバターがしみ出るのでするっとはずせます)
お好みでシナモンパウダーと粉糖を
茶こしなどで上から振ります。
シナモンの香りが加わると、また違ったおいしさが発見できます。
冷めてもおいしいですが、
これはできるだけ焼きたてを食べて欲しい!
あつあつの卵クリームって、
なかなか食べる機会がないから初めて食べる人は結構感動するんですよ。
「わーっ、クリームあつあつだね」
みたいな感じで。
あつあつの卵クリームとサクサクの皮を、
大切な人や家族、友達と、
あるいはひとりで心ゆくまで味わって、
このシーズンを楽しく過ごしてください。
次回はクリスマス直前スペシャルということで、来週金曜日。
先程の卵クリームを使ってできる簡単デザートを紹介します。
お楽しみに!