みなさんこんにちは。
すっかり秋ですね。
おいしいものがたくさん出回る季節ですが、
旬のさんまはもう食べましたか?
そうそう、
先日こんなさんま話を聞きました。
某私立小学校受験の面接での話です。
そこは人気の小学校だそうで、
受験生の間では面接の過去問も出回っていて、
そのなかに
「きのうの夜はお家で何を食べましたか?」という質問があったそう。
ちなみに模範解答は「さんまの塩焼きと栗ごはん」。
そして11月の面接本番、
既に過去問にしっかり目を通していた大半の子供が、
実際この質問に「さんまの塩焼きと栗ごはんです」と答えたそう。
子供の家庭で、旬を意識した食事をしているかを探る質問だったようなのですが、
面接官が質問するたびに、
どの子供からも判で押したようにまったく同じ答えが返ってきたらしい。
これってもう、コントじゃん!
大体意味があるのかなあ、こんな質問。
だって、栗ごはん炊くのって大変なんですよ!
親が働いてたら平日はまず無理だし、
それに第一、親が料理が苦手だったらどうするの。
わからないなー、こういう質問。
当然、この質問はすぐになくなったそうです。
そして、こんな他人さまの面接話で熱くなってる私もどうしたっていうんでしょう。
昔、栗の鬼皮(外)と渋皮(中)むきが大変過ぎて大嫌いだったというだけで、
つい熱くなってしましました。
栗ごはんはおいしい和食屋さんでいただくのが一番だと、
今でも固く信じております。
さて、秋の旬の味として
模範解答にもなってしまうほどのさんまですが、
おいしいとはいえ塩焼きばかりではちょっと飽きちゃいます。
さあ旬のさんま、どうやって食べましょう。
私のおすすめは「さんまのポルトガル風南蛮漬け」。
ついでなので、今が旬の秋鮭も一緒に漬けました。
ちなみに南蛮と名のつく料理は、
室町末期から江戸初期にかけて南蛮貿易が盛んだったころ、
南蛮人と呼ばれたポルトガルやスペインの人々がよく食べた
唐辛子やねぎを使った料理を指します。
私達の知る“南蛮漬け”はもともとはポルトガルではエスカベシュと呼ばれる、
昔からの定番料理。
ワインビネガーと唐辛子、ニンニクやローリエ、ハーブなどで、
揚げた肉や魚を漬けこみます。
たとえば、こんな感じ。
ちなみにポルトガルのエスカベッシュは甘くありません。
砂糖などを加えるアレンジは、
酸味が苦手だった日本人が独自に思いついたものなんじゃないかなあ。
写真の漬けだれの色が濃いのは、
赤ワインビネガーのせいです。
今回の「さんまの南蛮漬けポルトガル風」は
そんなポルトガルの味を取り入れて、
ワインにもごはんにも合うレシピにしました。
もともとはポルトガルからやってきた南蛮漬けに“ポルトガル風”とつけるのも
ちょっとヘンかもですが、
日本の南蛮漬けとは少し違う、
ポルトガルオリジナルに寄せています。
材料はこちらです。
材料は2人分です。
- さんま 2尾
- 玉ねぎ 1/2個
- にんじん 1/2本
- セロリ 1/5本
- にんにく 1片
- 赤唐辛子 1本
- レモン(輪切り)3~4枚
- オリーブオイル、塩、こしょう、片栗粉、揚げ油 各適宜
南蛮だれ
- 白ワインビネガー(なければリンゴ酢か米酢を)大さじ3
- 水80~100cc
- 砂糖 大さじ1
- ローリエ 1枚
まずは南蛮だれを作ります。
にんじん(1/2本)とセロリ(1/5本)は細切り、玉ねぎ(1/2個)は繊維に添って薄切りにします。
フライパンにつぶしたにんにく(1片)と種を取った唐辛子(1本)、オリーブオイル(適宜)を入れ、
弱火で加熱します。
にんにくの香りが立ったら野菜を投入。
さっと炒めて油が軽くまわったら塩少々(分量外)を振り、
南蛮だれの材料(ローリエ1枚、白ワインビネガー大さじ3、水80~100cc、砂糖 大さじ1)を加えて中火で煮ます。
野菜がくたっとして2/3ぐらいのボリュームになるまで。
5分ぐらいが目安です。
途中で様子を見ながら水分を調整しますが、
野菜からたくさん水分が出るので、ひたひたに満たないぐらいでちょうど良い感じ。
でき上がったらふたをして、さんまの揚がりを待ちます。
次にさんま(2尾)を揚げます。
さんまは頭と尾を落とし内臓を取って中をよく水洗いし、
4㎝幅の筒切り(ぶつ切り)にします
魚の下ごしらえが苦手な人は、
スーパーや魚屋さんで下処理してもらいましょう。
さんまの水気をしっかりふいたら、
塩とこしょうを振って下味をつけます。
さらに両面にまんべんなく片栗粉(適宜)をまぶします。
(ちなみに写真にはありませんが、今回は秋鮭も同じ大きさに切って下味をつけ、粉をまぶしました)。
フライパンに3~4㎝を目安に油を入れ、
170℃(箸の先を入れて細かい泡がシュワシュワ出るくらい)ぐらいに温め、
さんまの余分な粉をしっかり払ってから油で揚げていきます。
一度に全部揚げると油の温度が一気に下がってカラッと揚がらないので、
1尾分ずつ揚げます。
時間は4~5分が目安です。
揚がったら網やざるなどに揚げ、
余分な油を切っておきます。
ちなみにおまけの話ですが、
南蛮漬けは当日より半日以上経った翌日以降に食べる方が断然おいしい。
酢の角がとれ、野菜のうま味が全体にしっかり馴染むのです。
このレシピも半日寝かせるのが前提です。
作りたての南蛮漬けってまだ酸っぱ過ぎるし、味の染み方も中途半端です。
でも、料理を作ったその日に食べるものが何もないのもちょっと悲しい。
せっかく新鮮なさんまを手に入れたなら、
なおさらすぐ食べたいってもんです。
そこで提案。
作ったその日にやっぱりさんまを食べたいという人は、
さんまを1~2尾多めに買い、
当日はまずこの揚げさんまを食べます
(そのままはもちろん、ゆずこしょう+ポン酢+マヨネーズのソースも合います)、
南蛮漬け用のさんまは、翌日以降1週間ぐらいは食べられますので、
好きなタイミングで楽しむといいと思います。
さて料理に戻ります。
さんまが揚がったらバットや平たい皿に移し、
南蛮だれをしっかり温め直してから揚げさんまにざっとかけます。
あつあつだれを、あつあつさんまにかけるのがポイント。
味がしっかり入ります。
さらにレモンの輪切り(3~4枚)もプラスして、
爽やかな酸味も加えます。
しばらく置いて粗熱を取ったら、
保存袋などに移して冷蔵庫で寝かせます。
この間に野菜とさんまのうま味や酸味、辛みなども混ざり合って、
勝手においしくなってくれます。
半日以降、どんどんおいしくなっていきますよ。
1週間は余裕です。
お弁当にももちろん便利。
野菜の味付けはピクルスとほぼ一緒だから、
お酒のつまみにもぴったりです。
一度作ったら、
今度は酸味や辛み、甘さを自分好みに調整して、
オリジナルを作ってみてください。
砂糖をきび砂糖に変えたり、はちみつにしたりしてもいいですし、
酢大さじ1の代わりにオレンジジュース大さじ1を使うのもおすすめ。
さらに南欧風の仕上がりになります。
さんま+ビール!
さんま+新米!
さんま+ワイン!
さんま+泡ものワイン!
んー、秋は楽しい!