たこのぷりっとした食感とさわやかな香りのパスタ[第24回]

まだまだ暑い8月後半。今回のバダサオリさんのレシピは、こんな時期でも食欲が湧いてくる、さわやかな香りのパスタです。前回の「たことセロリのガーリックマリネ」をベースにしているので、メインと付け合せとして一緒に作ったり、残った材料を使って作ったりもできます。たこのしっかりとした食感があるのに、肉のようなしつこさがなく、あっさり食べられるのでオススメですよ!

こんにちは。

8月後半、まだまだ暑いですね。
加えてこの1週間は、
お盆休みのまったりモードから日常ペースに戻すのが厳しかったー。
みなさんはどうでした?

夏休みは山形県に行きました。
小さな温泉地にある友達の実家に居候してきたのですが、
1000年以上も昔からあるごっつい岩風呂に浸かって、
米、酒、野菜と何を食べても何を飲んでも
うまいっす! うまいっす! うまいっす!
魚が泳ぐ渓流や、ほどよく空いている日本海でめいっぱい遊んだら、
真夏の太陽の光でほてった体を
ひんやりした畳の部屋に横たえてしばし昼寝。
日本人の醍醐味を味わう至福の時間でした。
PCPCも持たず携帯電話もほとんど見ない数日は、
いろんな事から解放されて、つかの間自由な感覚を取り戻せます。

と、こんな感じだったので、
なかなか仕事の感覚が取り戻せないわけです。

さて山形では1軒、
鶴岡にあるうわさのピッツエリア「緑のイスキア」
を訪問しましたので、ご紹介。
こちらはイタリアにある「真のナポリピッツァ協会」から
世界で296番目に認定されたというお店で、
東北では初の認定店。
お店のピッツア職人がイタリア・ナポリのイスキア島で修業されたことから、
店名にイスキアの文字があるのだそうです。

車で鶴岡方面に向かうと、やがて田んぼの鮮やかな緑が
前後左右にぐるり360度広がります。
こりゃ広い! 庄内平野ってどこまでも田んぼだらけ!
小学校の地理で習って言葉だけは知っていたけれど、
知っていると実際に見るとでは〝平野〟の意味合いが俄然違ってきました。
遥か遠くの山の麓まで延々と続いているんじゃないかと思うほど。
そんな広大な田んぼのど真ん中に、
やがて白い一軒家のレストランを発見。
はためくイタリア国旗が目印です。

予約を入れた午後1時にお店に向かうと、
店の周辺の木陰やテーブルには、
サービスの麦茶を飲みながら順番を待つ人が溢れていました。
その奥には、お店の自家栽培の野菜畑も広がっています。

店内は賑わうお客さんでいっぱい。
お盆用に特別に組まれたランチメニューは
自家栽培の野菜サラダ、ピッツア2種、パスタ2種、デザート、コーヒーで
1人2500円。東京ではありえないお得さに仰天です。
ピッツアはナポリの定番、
トマトソース+モッツアレッラ+バジルのマルゲリータと、
4種のチーズのクアトロフォルマッジを選択。
香ばしくふっくら焼けた生地は、縁はカリッ、ふかっ、
本体はもっちもち、チーズがとろけてどこまでものーびのび。
噛めばかむほど粉の風味とうまみが口いっぱいに広がって、
粉と水だけでどうしてここまでおいしくなるのか、マジックです。
クアトロフォルマッジにはクリームチーズが使われていて、
ちょっとやさしいクリーミーな取り合わせ。
周囲のテーブルでは、大人も子どもも一心にあつあつを頬張っていました。

もともとは地元産の野菜を食べさせる農場レストランだったそうで、
庄内産のもち豚や庄内牛なども使って地産地消を実践。
ピッツエリアとなってからも、
裏庭の自家栽培野菜をたっぷり使ったサラダや前菜も人気なのだそう。

と、山形でイタリアを味わった影響が大きかったので、
今回はポルトガルをしばし離れイタリア寄りでいきます!

素材は前回に引き続きたこ+セロリです。
イタリアの南では、たことトマトのラグーソースをよく見かけましたが、
私はトマトなしのたこ&セロリであっさり作るほうが好き。
なので今回は「たことセロリのラグーパスタ」をご紹介します。

トマトソースがなくても、
たこと香味野菜だけで十分においしい。
材料はこちらです。

材料(2人分)

  • スパゲッティ(1.4㎜) 80g
  • たこ 100g
  • (あれば)ベーコンの脂部分 大さじ1
  • セロリ 1/2本
  • たまねぎ 小1/2個 
  • にんにく 1片
  • 唐辛子 1本
  • オリーブオイル 大さじ1
  • ブイヨン(顆粒)小さじ1
  • 塩、湯 各適宜


スパゲッティの太さは好みですが、
私は細めを合わせます。
パスタが細い方が、たこを食べている感じがして好きなんです。
今回はディチェコの1.4㎜(ゆで時間6分)を使いました。

まず、パスタをゆでる湯を沸かします。
沸いたら塩(適宜)を加え、パスタを袋の表示より1分早くゆで上げます。
ゆで終わる少し前にたこソースができ上がるとちょうどいいので、
ソース作りと並行してタイミング良く進めて下さい。

たこソースは、
たこ(100g)、セロリの茎(1/2本)、たまねぎ(小1/2個)をみじん切りにします。

フライパンにオリーブオイル(大さじ1)とつぶしたにんにく(1片)
あれば刻んだベーコンの脂部分(大さじ1)、種を取ってちぎった唐辛子(1本)を入れ、
弱火にかけます。

ベーコンの脂のうま味が加わると、
たこのおいしさをさらに盛り上げて奥行きが出ます。
でも、なくてももちろん大丈夫。
香味野菜が味を引き立てます。

じっくり熱しながら、
それぞれのうま味や香りをオイルに移します。
いい香りが立ってきたら、
刻んだ野菜を加えて中火で炒めます。

野菜がしんなりしたらたこを加えてさらに炒め、

2分ほど炒めたら、
顆粒ブイヨン(小さじ1、固形を刻んでも)を加えてさらに炒めます。

ブイヨンがまんべんなく溶けたら炒めは終了。

ここにゆで上がったパスタを加えます。
ゆで汁を少しずつ加えながら炒めて、
具のうまみをパスタに絡めます。

味を見て塩で調え、
お皿に盛ったら好みでセロリの葉などを飾り、
粗挽き黒こしょうをたっぷりと振って味を引き締め、完成。
セロリの葉が好きな方は、
数枚をちぎって散らしてもいいですね。
和風パスタの大葉的存在で、爽やかさがアップします。

このパスタ、
みじん切りのたこのプリプリ感がちょっとお肉っぽくもありますが
お肉よりあっさり食べられます。
食欲がないときでも案外食べられる軽さがいい。
たこのうまみにたまねぎとセロリの甘さが合わさって、
たこ嫌いの人でも比較的食べやすいのではと思います。

タウリンたっぷりの
「たことセロリのラグーパスタ」
8月後半の暑さも乗り切っていきましょう!

ケイクス

この連載について

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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    コメント

    ogaogaogaogaoga 休日ランチ。タコとセロリのラグーパスタに余ったエビを投入。レシピはこれ→ 6年弱前 replyretweetfavorite

    pemaya おいしかった・・・(ため息) >> タコとセロリのラグーパスタ 【第24回】 6年以上前 replyretweetfavorite

    bbeams07 “【第24回】 6年以上前 replyretweetfavorite

    04deshi タコとセロリのラグーパスタ馬過ぎ。バダさんレシピ馬過ぎ。https://t.co/9foczzXmon http://t.co/xD2ozIG3w8 6年以上前 replyretweetfavorite