プリッ、シャキッ、カリッの食感がおいしい「たことセロリのガーリックマリネ」[第23回]

身近な食材で、ポルトガル料理を独自にアレンジした料理を紹介するバダさんの連載。今回は「たこ」を使った料理です。欧米ではあまり食されないなんて話も聞きますが、実は地中海沿岸部では意外な人気食材。相性抜群のセロリとニンニクを使って、今が旬のマダコを意外な味のマリネにしあげます。ぜひお試しあれ!

みなさんこんにちはー。

ほんとあっついですねー。
今週はとくに暑いし、
しかも雨が攻撃的。
朝から土砂降りかと思えば突然カンカン照りになったり、
と思ったらまた、容赦なくザーッと降ったり。
1日に濡れたり乾いたりの繰り返しで、
なんだか自分が洗濯物になった気分でした。

お盆休み前で仕事も立て込みがちな今日この頃、
夏の暑さも手伝って、
疲れが溜まってきていませんか?
そんなときは、いまが旬のたこがおすすめ。
なんといっても、たこはタウリンが豊富です。
栄養ドリンクのCMなどで「タウリン○×ミリグラム配合!」と高らかに謳われている、
あのタウリンですね。
肝臓の機能も高めてくれるというから、
お酒好きにはなおさらありがたい。

たこと言えば、
まずは刺身やたこわさなどの和食系料理がパッと浮かびますが、
実はワインのつまみ系だって得意。
地中海沿岸のイタリアやフランス、スペインなどでもよく食べられているし、
私の好きなポルトガルでもたこは人気食材です。
ポルトガルでは、以前第11回の連載でもご紹介した「たこごはん」や、
天ぷら、オーブン焼き、サラダなどが定番たこメニューです。

ポルトガルの「たこサラダ」は、
ゆでたこのぶつ切りにたまねぎのみじん切りやひよこ豆、
イタリアンパセリなどを合わせ、
たっぷりのオリーブオイルとワインビネガーで
マリネするというシンプルなもの。
それはそれで好きなんだけど、
私はたこには、にんにくとセロリを合わせるのが大好き。

たとえば「たことセロリのガーリックマリネ」なんかが、
簡単でおすすめです。

たこ×にんにくのうまみとセロリの爽やかな香り、
たっぷりのレモン果汁の酸味、
それにプリッ、シャキッ、カリッという三者三様の食感も面白くて
夏はとくに食が進むし、ビールにもワインにも合うんです。

というわけで、
今日はこちらの「たことセロリのガーリックマリネ」
をご紹介します。

材料はこちらです。

材料は2人分です。

  • たこ 100g
  • セロリ(葉付き) 1/2本
  • にんにく 1片
  • レモン 1/2個
  • オリーブオイル 大さじ3
  • 塩 適宜


まず、洗って水気を拭いたセロリ(1/2本)の葉をちぎってお皿に並べます。
葉は無理に全部並べる必要はありません。

その上に、筋を取って薄切りにしたセロリ(1/2本)と、
5㎜程度の薄切りにしたたこ(100g)を重ねて並べます。

そこに、塩少々をパラリと振ってしばらくおきます。

にんにく(1片)は薄い輪切りにしてまん中の芯をとり、
フライパンに並べてオリーブオイル(大さじ3)を加え、弱火にかけます。

じっくり火にかけ、にんにくを香ばしく揚げましょう。

カリッと揚がったら、このにんにくをオイルごと全体にザーッとまわしかけます。
オイルにはもちろん、にんにくの香りやうま味も移っています。

このとき、結構いい香りがするんです。
お客さんがいるときは目の前で回しかけて見せると、
ちょっと盛り上がるかも。

さらに、レモン(1/2)を全体に絞ります。

レモンを絞るとき、縦横どちらに切っていますか?
なんとなく横半分に切りたくなりますが、
実は縦半分に切って絞ると
種がパラパラと料理に入ることも少ないし、
果汁も飛び散りにくいので絞りやすいんです。

レモンは1/2個が目安ですが、
好きな方は1個分たっぷりしぼってもOK。

この状態ですぐに食べると、
レモンの爽やかさが立ってフレッシュな感じです。
が、私は15分以上マリネしてから食べるのが好き。
たこもセロリもオイルがじっくりしみて、
かなり味の様子が変わります。

食べるときは、
セロリの葉、セロリ、たこ、にんにくを同時に口に入れましょう。
ものすごくかんたんなのに「!」と思う印象的な味です。
とくに、セロリの葉がいい仕事をするんですよ。
しんなりガーリックオイルの絡んだ葉は、
茎の部分よりおいしいかも。

そして飲み物の方ですが、
今回はちょっと気分を変えて
真夏にピッタリのワインのカクテルを合わせました。
ポートワインの白をソーダで割った「ポートニック」です。

ポートワインとは、
ポルトガルのドウロ地方で作られている酒精強化ワイン。
アルコール度数が19~22%と通常のワインより少し高めで、
ひとことで言うと、
ブドウの天然の甘みやうま味が凝縮したワインです。

酒精強化とは、
ブドウ果汁の糖分が発酵して
アルコール(ワイン)に変化していく途中で蒸留酒を加え、
わざとアルコール度数を急激に上げて酵母の活性化を抑え、
発酵を強制的に止めるという製法のこと。
その結果アルコール度数は上がり、
発酵しなかったブドウの糖分がワインにたくさん残って
自然な甘味やうま味がより強い、
凝縮感のあるワインになるのです。

ポートワインはそのまま飲むのが定番ですが、
夏はソーダと1:1ぐらいで割って、
甘く爽やかなカクテルにするのもおすすめ。
レモンやライムを絞ったり、
ミントなどを浮かべるとさらに清涼感が増します。

ポートワインは
ポルトガルのワインの中では
日本国内で比較的扱いが多いものなので、
気になった方はデパートや大きな酒店、ネット上でなど探してみてください。
いろいろなメーカーのものが売っていますよ。

ポートワインは庶民派のカジュアルラインと年代物の高級ラインがありますが、
カジュアルなものは基本的にルビー、タウニー、ホワイトの3種類。
ポートニックにおすすめのポートワインは
白ワインから作られるホワイトです。
2000円台からあって、一度栓を開けても1ヵ月から数ヶ月楽しめますから
夏中楽しめてかなりお得。
ソーダ以外にも、ジンジャエールで割っても楽しめるんです。

さて次回は、
引き続き夏の味方のたこ+セロリ+にんにくの組み合わせで、
全く違った料理をご提案したいと思います。

よーし、今日は仕事終わったら、
ポートニック飲むぞー。

ケイクス

この連載について

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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