みなさん、こんにちは!
さあ、3月ですね。
やっと3月。
うれしいな、3月。
3月って書くだけで、もう春っぽさが出ます。
3月になっただけで、気分も明るくなります。
とにかく2月と3月じゃ、全然違う!
寒さも少しずつ和らいで、
暖かさが実感できるようになっていくのも
無条件にうれしい。
上着も軽くなるから散歩や寄り道、買い物も楽しくなって、
アウトドアで食べたり飲んだりの機会も増えますよね。
もっと暖かくなって街のあちこちで花が咲きはじめると、
風景に色が加わってぐっと華やかになって
同じ場所が全然違って見えてくる。
まだ春の始まりに立ったばかりですが、
3月はそんなうれしい予感に満ちた月です。
とはいえまだ寒い日も続くので
温かいものを食べたい気持ちもあり。
でも、同じ温かいものでも、
できれば春を感じるものが食べたいなあ。
今回は、そんな春を感じるほかほかごはんもので、
お酒も飲めちゃうメニューにしました。
「菜の花とソーセージの炊き込みごはん」です。
以前ポルトガル北部のレストランを取材したときに
賄いごはんで食べた
「arroz com chourico e grelos(アローシュ・コン・ショリッソ・イ・グレロシュ)」
をもとに、
簡単なレシピにしました。
ショリッソは腸詰、
グレロシュはポルトガル料理では定番の菜花で、
かぶやキャベツ、ブロッコリーといった
アブラナ科の植物の花芽の部分を摘んだものです。
うまみと独特のほろ苦さが特徴。
ちなみに、ポルトガルで食べた賄いごはんはこちら。
ドーンと迫力たっぷり。
この長皿は横幅が40㎝で、
アローシュが溢れんばかりにてんこ盛りです。
いや、実際に溢れていましたね、
これで女性のお昼3人前です。
このときは米500g、つまり1人につき約1合半を炊いて食べた計算。
1膳半じゃなくて1合半ですよ、
お昼に一合半って、多過ぎでしょ!
でも、みんなペロリと食べるから、私も必死で食べました。
文字通り、必死でした。
写真の腸詰2種は黒い方が豚の血入り、
茶色い方はしっかり燻製をかけていて
まるで工具か何かのようながっしりした太さ。
かぶりつくとぎゅっと詰まった肉がはじけるほどたっぷりで
ジューシーなんてもんじゃないです。
腸詰ひと口で、
白いごはんがおかわりできるくらいの濃さでした。
その腸詰から出る濃いうまみが、
この炊き込みごはんのだし代わり。
これはあくまで賄い料理なので、
正式なレシピなんてありません。
米+αのありもので成立するので、
腸詰がなければハムやベーコン、
豚や鶏肉でもいいし、
魚介類でももちろんOK。
お米さえあればいろんなバリエーションができるので、
自分の好きなもので楽しめます。
でも、なんといっても手っ取り早い食材は腸詰ですね。
日本のソーセージでもちゃんとおいしくできます。
野菜は春なので菜の花を選びましたが、
小松菜やほうれんそうなどでも大丈夫。
では早速作っていきましょう。
材料はこちらです。
2人分
- 米 1カップ
- ソーセージ 2~3本
- 玉ねぎ 中1/2個
- にんにく 1片
- 菜の花 1/2束
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩 適宜
- お湯400~450㏄(米の水分具合で調整)
- ブイヨンキューブ 1個(4g)
菜の花は半分に切っておきます。
玉ねぎとにんにくはみじん切りし、
ソーセージには適当に切れ目を入れておきます(細いものはそのままでも)。
ちなみに菜の花って、
大抵は四角いブロック状で売られていますよね。
こんな感じで。
薄紙にくるまれてギューっと縮まっている菜の花は、
包みを開くと花も葉も茎もしおれてクタクタ。
すし詰めの満員電車から降りたばかりの
お疲れサラリーマン状態なんですよね、ほら。
でも、切り口を水につけて水分を補うとこのとおり。
1時間もすれば収穫時の瑞々しい状態になり、
元気さも戻ってきます。
戻すと戻さないとでは食感が全然違いますから、
とくにシンプルに炒めるだけのときなどは、
水に漬けることをおすすめします。
今回は煮ちゃうので、時間がなければそのまま使っても大丈夫。
さて続けます。
火を使う前にあともうひとつ。
コップにブイヨンキューブを入れてお湯で溶かし、
米を煮るブイヨンスープを作っておきます。
ここまでで下準備完了。
普段はル・クルーゼなどの厚手の鍋を使いますが、
フライパンでもちゃんとできます。
今回は実際に、
ごく普通の焦げつきにくい加工のフライパンで作ります。
おこげをカリッと作りたい人は、
鉄製のフライパンがおすすめ。
それから、ごはんを煮たり蒸したりするので、
ふたはできるだけ蒸気が漏れにくいものを用意して下さい。
では炒めていきます。
フライパンや鍋にオリーブオイルを温め、
たまねぎとにんにくを弱火で炒めます。
透き通って香りが立ってきたら、
スペースを空けてソーセージを入れ2~3分軽く焼きます。
この間は中弱火。
強火だと玉ねぎやにんにくがすぐに焦げて苦みが出るので、
注意しましょう。
面倒でなければ、
先にソーセージを軽く焼いてから取り出し、
玉ねぎとにんにくだけを炒めて、
そこに焼いたソーセージを戻しても構いません。
ソーセージが軽く色づいたら、
続けて米を加えます。
米は洗っても洗わなくてもどちらでも結構。
全体を軽く炒め合わせたら、
溶かしておいたブイヨンスープを投入します。
ブイヨンの素が沈殿したまま注ぐと
薄いスープになってしまうので、
直前に一度かき混ぜてから注ぎましょう。
スープを全部注いだら、
上に菜の花を広げます。
で、ふたをします。
そして、炊きます。
最初は中火で4分。
その後弱火にして10分ほど煮ます。
食べてみてほぼ火がとおっていたら、
そのまま5分蒸らします。
火のとおりが足りないときは、
ちょうどいい感じになるまでさらに蒸らし時間をとってください。
また、炊く途中で混ぜるとごはんに粘り気が出てしまうので、
混ぜないように。
蒸らし終わったら完成。
器に山盛りにして、
さあいただきましょう!
ソーセージはプリッとジューシー、
やわらかく煮た菜の花もごはんとなじんで食べやすくなって、
おつまみ感覚のボリューミーな1皿。
ワインもばっちり合います。
軽めの赤やすっきりした白あたりがおすすめですね。
今回私が合わせたワインは、
ポルトガルのオーガニックなヴィーニョヴェルデの赤。
ビオディナミの製法で造られた
「アフロス ヴィニャオン2011」です。
ポルトガルの古典的な土着品種ヴィニャオンを100%使っていて、
ほんのりスパイシーなニュアンス。
上品なタンニンとベリー系の凝縮された香りで
つまみいらずでも飲めてしまうような、
穏やかかつ主張のあるワインです。
しかも微発泡の泡がタンニンをさらに柔らかく感じさせるので、
こういう肉系の軽い食事にぴったり。
このアフロスシリーズはラベルのデザインも洗練されていて、
テーブルに置くと結構絵になる。
ワインは味ももちろんですが、
ラベルがおしゃれだったり、
おもしろかったり、
個性的だったりすると、
数倍おいしく感じられてもっと楽しい。
お値段は1410円。
いいのかなあ、このおいしさでこんなに安くて!
購入は「ワインポルトガル館」
こちらからです。
ちなみに先程の水に漬けた菜の花は、
暖かい部屋に置いておくと
ちゃんと黄色い花が咲きます。
食べるまで冷蔵庫に眠らせずに、
コップに入れて置いておくだけで
春の雰囲気が味わえますよ!