洋にも和にも使える万能ツナ缶おつまみ![第10回]

今年は東京でも雪が降ったりと、寒い日が続きますね。だからなんだか買い物に行くのも億劫になりがちだし、料理をするのもちょっと体が動いてくれない……。今回は、そんな時にピッタリの手軽に作れるツナ缶を使ったおつまみをご紹介しちゃいます。お手軽なのに、何にでも使えて今年の冬はヘビロテ間違いなし!

みなさんこんにちは!
今年は寒いですねー。

冬だから寒いのは当たり前ですが、
東京では早々に雪も降ったりして、
歩いていると体が縮こまってしまいがち。
仕事帰りや休みの日に食材を買いに行くのも、
なんとなく億劫になりがちです。
でも、おつまみが買ってきたものばかりでは、
ちょっとつまらない。

というわけで前回に引き続き今回も、
超長期保存可能な缶詰めで
おつまみを作っていこうかと思います。

前回はオイルサーディンでした。
オイルサーディンを買うこと自体が初めてだった
という声もあったので、
今日はもう少し馴染みのある、
誰もが食べたことのあるものにしようと思います。

それは……
ツナ缶です。
ジャン!

ジャン、というほどのものでもない、
と言ったらツナ缶に大変失礼ですが、
この特別感のない感じ、
どうやって食べても大丈夫そうな、フツーな感じが安心です。
写真を見て「ん? 緑色の缶の方は?」
と気になっていただけましたか。

そう、この緑色の缶は
ポルトガルのツナ缶です。

前回のオイルサーディンのときにもご紹介しましたが、
ポルトガルは魚介類の缶詰め王国で
ツナ缶もバリエがいろいろです。
これはツナのオリーブオイル漬け、身も肉厚でしっかりしています。
崩してペーストにするよりむしろ、
身の大きさを生かしてサラダなどにそのまま添えたりするのがおすすめ。
トマト缶と一緒に煮込んでパスタのソースもいいですね。

このツナ缶は
「メルカード・ポルトガル」
で購入できます。

さて、国産のツナ缶の話に戻りましょう。
近所でツナ缶を調達するとき、
売り場に行ってみたら案外種類がいろいろあって
ちょっと迷ったことはありませんか?
実は、好みのツナ缶を見極めるにはコツがあります。
パッケージに書いてある文字にヒントがあるので、
よーく見てください。

たとえば、このはごろもフーズさんのシーチキン。
どんなヒントが書いてあるのでしょう。
それは、右上にある
「まぐろサラダ油漬け」という文字です。

まぐろ
油漬け

この2つがポイント。
なーんだ、そんなの全部そうじゃんと思ったあなた、甘い!
ツナ缶業界はそんなに甘くないのです!
熾烈な戦いでツナ缶はさまざまに細分化され、
ツナ缶はいまや「まぐろサラダ油漬け」だけじゃないんです。

一番大きなポイントはまぐろか、かつおか、です。
マグロは英語でツナですが、
実はツナ缶の棚には、
同じようなパッケージなのにかつおを使ったものがあります。
もちろん、好みなのでかつおじゃダメなんて言いません。
カツオの特徴は味の濃さ。
でも、ツナ缶を求めるなら、
やはりまずはマグロかと思います。

これはあくまで主観ですが、
マヨネーズやクリームなどの油脂類と混ぜるときは、
マグロの方が合うと感じます。
カツオのクセの強さでしょうか。

それからもう1点。
油漬けかどうか。
ヘルシーやライトを謳うものには、
塩水系や調味スープに浸されたものがあります。
特徴はさっぱりしていること。

たとえば高級スーパーなどのオリジナル商品には、
まぐろ自体の素材から調味スープにまでこだわったものがあり、
スープ漬けでもとてもおいしいものがあります。
でも、ツナ缶を買いに高級スーパーにいくという展開は
現実的じゃない。
ツナ缶はやっぱり安いからこそ親しみが湧くわけで、
コンビニや近所の大手スーパーで、
何かのついでにポンと買うのがツナ缶。

そんな状況から考えると、私はオイル漬けを選びます。
ツナのしっとり感をキープするのには、
やっぱりスープよりオイルだと思うのです。
でもあくまで好みなので、
スープ漬けVSオイル漬けが気になる方は
買って食べ比べしてみてくださいね。

さ、ツナ缶を買ってきたら、
早速おつまみをつくりましょう。
今日は2品3展開で紹介します。

最初は混ぜたら即完成! の、ものすごく簡単なペースト。
でも、ツナマヨではありませんよ。
ツナとマヨネーズの相性の良さは
もうみなさんおにぎりなどで御存じだと思いますので、
少し目先を変えます。

今日ご紹介するのは
「ツナクリーム」です。
こんな感じでパンに塗ったり、

餃子の皮に塗って、パリッと焼いてもいいんです。

では、早速つくっていきましょう。
「ツナクリーム」の材料はこちらです。

作りやすい量
・ツナ缶 1缶
・クリームチーズ 大さじ2~3
・カレー粉 大さじ1
・塩、粗挽き黒こしょう各適宜

ボウルにツナを入れ、クリームチーズを加えてよく混ぜます。

ここではチャンク(ひと口大)ではなく
さらに安いフレーク(小さくほぐしたもの)を使っていますので、
ゴムベラで混ぜるだけであっという間にペースト状になります。

このぐらいに混ざったら、半分に分けます。
片方にはカレー粉を加えます。
味をみて塩で調えたら、2種のクリームが完成!

バゲットのスライスに、
生のにんにくを直接こすりつけたガーリックバゲットを用意して、
たっぷりのせて食べるのがおすすめ。
辛いのがお好きな人は、上から黒こしょうを挽いてもよし。

もっと香ばしく食べたい人は、餃子の皮を食べる枚数分用意。
その上にペーストをまだらに塗って、
オーブンやトーストでこんがり焼きます。
べったり厚く塗ると焼き上がった時にパリパリ感が出ません。
まだらに薄めに塗るのがコツです。

こんな感じで、パリッと焼き上がったら完成。
チーズが好きな人はシュレッドタイプのチーズをのせて焼いても良いですね。
ビールにとてもよく合います。

さらにツナでもう1品。
「アボツナのゆずこしょう風味」です。
こちらはツナそのものの味を楽しみたいので
チャンク(ひと口大)の方が向いています。
材料はこちら

作りやすい量(2人分)

・ツナ缶 1缶
・アボカド1個
・レモン汁1/2個分
・ゆずこしょうだれ
 ・わさび、ゆずこしょう 各小さじ2
 ・ポン酢 大さじ1

ツナは、アボカドのクリーミーさと相性良し。
テッパンコンビです。

アボカドの種は、
こんなふうに包丁の角で刺してくるっとひねると
スポンととれます。
皮をむいて1㎝角に切ったらボウルに入れてレモンを絞り、
油を切ったツナを入れます。

さっと和えたら器に盛ります。
ここで、注意点がひとつ。
やたら混ぜ過ぎないこと!
やわらかい素材同士なので
あっという間にドロドロのクリームみたいになりますが、
それではおいしさ半減です。
これはツナとアボカドの食感や風味がそれぞれに残っている方が
おいしくいただけます。

別の小皿にはゆずこしょうだれを準備。
ゆずこしょう、わさび、ポン酢を混ぜて完成。

食べる直前にゆずこしょうだれをざっとかけ、
スプーンですくっていただきます。
焼き海苔を4つ切りにして、
くるりと巻いて食べるのもおすすめ。
これならビールはもちろん、
日本酒もいけますね。
ゆずこしょうだれは、ちょっと辛いくらいの方が
味にメリハリがつきます。

いかがでしたか?
今度ツナ缶を買うときは、
ついでにクリームチーズやアボカドなども買って、
ぜひトライしてみて下さい!

ケイクス

この連載について

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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    macerino 今日のおつまみレシピめも: https://t.co/9Mgkbx6h1M 約7年前 replyretweetfavorite