かんたん、カラッと、一口サイズのたらのコロッケ[第7回]

ケイクス第2・4金曜日のお楽しみ! 一週間の疲れをぶっ飛ばす最高のお酒とつまみを紹介いたします! 今回は今みたいなさむーい時期にピッタリの、こんがり揚がったほくほくコロッケ。しかもただのコロッケじゃありません。ポルトガル料理を元に、たらを使った簡単レシピ。今日のお酒のお供はこれで決まりです!

みなさん、お疲れさまです!
あっという間に12月も半ばですね。
1年の締めのこの時期、
きっとみなさんもエンジン全開でお仕事かと思います。

ただでさえ忙しいうえに夜は忘年会も入っていて、
なかなか仕事が進まない、
なーんてこともよくありますね。
「忙しいのに飲み会なんて、ホント迷惑なんですけど」
とかつぶやきたくなる、
若手~中堅社会人の方もいるかもしれません。

私もかつて会社員だった頃、
気合を入れて残業をしなきゃいけない、ってときに限って
部署内全員強制参加の忘年会などがあって不満プリプリ、
その勢いでお酒をゴクゴク飲んで、
結局次の日は見事に二日酔いという
絵に描いたような自業自得の経験もありました。
……若気のいたりでした。

はっ、どうでもいい話!
忙しい12月の苦い思い出のせいで
話がちょっとそれました。

つまり、12月は残業や外飲みが続くことが多いから、
せめて週末は好きな酒とつまみでのんびり過ごしたり、
気の合う仲間や家族と気楽に飲みたいですよね、
と言いたかったのです。

そんなのんびりしたい週末におすすめなのが、
コロンとかわいいひと口サイズの
「たらのコロッケ」です。

これ、外はカリカリ、中はふんわり。
たらのうまみとイタリアンパセリのすっきりした香りが楽しい
ひと口サイズのコロッケです。
小さいから、ひとりで4~5個はいけちゃいますよ。

あれ、前回もたら使ってなかった?
そう思ったあなたはするどい! 
そうです、
今回もたらが主役です。

寒いこの季節、
なんたってたらはおいしいんです。
旬でたくさん取れるからこそ値段も安いし、
骨も少なく扱いも簡単、
だから、家飲みつまみの素材に欠かせません。
ラブ、たら!
ビバ、たら!
たらちり鍋以外でも、もっとたらを食べよう!

これはポルトガルのおつまみ
「pstais de bacalhau(パシュテイシュ・ドゥ・バカリャウ)」
簡単にアレンジしたものです。
ポルトガルでは干しだら(バカリャウ)を使って作るのですが、
私は手に入りやすい甘塩のたらで作ります。

しかもこのコロッケ、
卵にくぐらせたりパン粉をつけるといった必要が一切ナシ。
ポテトサラダのように具を混ぜ合わせたら、
スプーンでツミレを鍋に入れる感じでポンポン油に入れて揚げられる、
衣レスなコロッケなのです。
油少なめでもカラリと揚がるから片付けもラク。
揚げたてをその場でハフハフできるのも、
家飲みならではの楽しみですよね。

では、早速つくっていきましょう。
材料はこちらです。

作りやすい量 約20個分

  • たら(甘塩) 切り身1枚(100g以上のもの)
  • じゃがいも 2個
  • 玉ねぎ(みじん切り) 1/4個
  • 白ワイン(なければ日本酒でも)大さじ2
  • イタリアンパセリ 1~2枝
  • 卵 1/2個
  • 塩、揚げ油 各適宜


たらは、すでに塩がしてある甘塩のものを使います。
買ってきたらさっと洗って水気を拭き、
耐熱皿にのせて表面にワイン(または日本酒)をふりかけ、
ラップをして5~10分ほど冷蔵庫に入れます。
こうしてお酒を馴染ませつつ魚の臭みをとり、
うま味もプラスします。

取り出したら電子レンジへ入れ、
600Wで1分半ぐらい加熱。
熱のとおりが足りなかったらひっくり返し、
さらに加熱してください。
たらに火がとおったらそのまま置いて粗熱をとり、
皮と骨を取り除いて身をほぐします。
たらのスープも出てきますが、
後で具に混ぜますから捨てないで下さいね。

玉ねぎはなるべく細かくみじん切りにし、ボウルに入れます。

じゃがいもは皮つきのままよく洗って、
ひたひたの水から鍋でゆでます。
竹ぐしや、なければ先の細い箸などで刺して、
中まですっと通ればゆで上がり。
電子レンジなら1個ずつラップでくるんで、
大きさにもよりますが600Wで2~3分ほど加熱し、
足りなかったらさらに少しずつ加熱してください。

ゆで上がったら熱いうちに皮をむき、
玉ねぎの入ったボウルに入れてしっかりつぶします。

混ぜながらたらもできるだけ細かくほぐして加え、
たらのだしも加えてなめらかなポテトサラダのようによく混ぜます。
そうすれば、コロッケの食感もふんわりとやわらかくなります。
たらの水分が多くてべチャッとした感じになってしまったら、
電子レンジで少し水分を飛ばします。
ラップをかけずに600Wで1~2分ほど加熱して
よく混ぜてみてください。

目安はこのぐらい、
といっても写真じゃわかりにくいかなあ。
マッシャーや箸に固まってくっついてくる感じです。

ちなみにじゃがいもをつぶすとき、
みなさんは何を使っていますか?
私が愛用しているのは、
写真にちらっと写っているヘンケルスのミニマッシャーです。
このマッシャー、人間工学に基づいたデザインなのでとても握りやすく、
じゃがいもも力を入れずに簡単につぶれて便利。
ゆで卵やいちごなどのフルーツにも使え、
一度使うと手放せないキッチンツールです。
しかもミニだから洗うのもラクだし場所も取りません。

さて、しっかりつぶしてよく混ぜたらちょっと味見。
甘塩たらの塩気はものによってまちまちなので、
足りなければここで塩を加えて味をととのえます。

さらにつなぎの溶き卵と、
イタリアンパセリをみじん切りして加えます。
ちなみに溶き卵を忘れて揚げちゃうと大変なんです。
私も1度うっかりやってしまったことがあるのですが、
油の中でコロッケが木端微塵にくだけます……。
だから忘れずに!

イタリアンパセリの香りは大切なアクセント。
あたたかいじゃがいもに包まれてふんわり香り、
鱈のうまみを引き立てます。
生のイタリアンパセリが手に入らなければ、
ドライを使ってもかまいません。

さっくり混ぜたら、
さあ、形を整えて揚げましょう。
このコロッケは4㎝大の小さなラグビーボールのような形に仕上げます。
なるべく小さめにした方が、
食べやすくておすすめです。

つみれ汁や団子汁をつくるときと同じ要領で
ひとさじ分のポテトをすくったら、
もうひとつのスプーンで横の面を整えつつ何度か交互にすくい直し、
鍋に高さ2㎝ほどの油を入れて170℃に温めた中へ、
そっとすべらせて揚げます。

油に入れたら、1分ぐらいは触らないように。
表面が揚がって崩れにくくなったら上下を返し、
いい色になるまで揚げます。
2~3分ぐらいが目安です。
すでに火の通っている食材なので、
表面がこんがりきつね色に揚がればできあがりです。

はい、できあがり!
お好みでレモンなどを絞ってもいいですね。

いびつになっちゃった?
団子になっちゃった?
棒状になっちゃった?
ありあり、なんでもあり。
いろんな形もまた楽しいものです。

イタリアンパセリの風味を楽しんだら、
パセリの代わりにぜひクミンやガラムマサラなどのスパイスを加えて、
ちょっとスパイシーな別バージョンも作ってみてください。
その場合粒の黒こしょうを挽いて加えると、
ビールにもよく合うピリッと大人のたらコロッケになりますよ。

ちなみに、コロッケの後ろに写っているのはこのワイン。

ポルトガルのショワショワ微発泡ワイン、
ヴィーニョヴェルデ。
ポンテ・デ・リマのヴィーニョヴェルデ ブランコです。

このワインはやわらかい微発泡で爽やか、
アルコール度数も10.5%と軽めですっきりした辛口です。
焼き魚や魚の揚げ物などにもピッタリ合いますし、
今の季節ならあつあつの鍋ものと一緒に、
ビール感覚で飲むのもおすすめです。
こちらのワインショップで購入できますよ。
『ポルトガルワインの崖の上』

ではみなさん、
次回はいよいよ年末の28日金曜日にお会いしましょう。
もうお休みに入っている人もいるかのかな。
年末年始の集まりやパーティでちょっと盛り上がる、
ポルトガルのつまみレシピを御紹介します、
お楽しみに!

ケイクス

この連載について

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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    ohta_tomoaki とりあえずビールだな→ 5年以上前 replyretweetfavorite

    beer_can_jp 家飲みとコロッケ→ 5年以上前 replyretweetfavorite